特集:中小企業のカジノ 無料 ゲームビジネス、成功の秘訣九州のしょうゆをアジアへ/ニビシ醤油(福岡県)
2023年11月30日
九州の甘口しょうゆを強みに、カジノ 無料 ゲームでの販路拡大を図る企業がある。福岡県古賀市に本社を構えるニビシ醬油だ。2023年現在、売上高全体に占めるカジノ 無料 ゲーム売上の比率は10%程度にとどまる。しかし、10年後には3分の1を目指したい構えだ。
今回は、末松繁雄代表取締役会長兼社長と三瀬僚一カジノ 無料 ゲーム事業部長に、カジノ 無料 ゲーム事業に係る取り組みの現状や今後の方針について聞いた(取材日:2023年10月12日)。
ニビシ醬油、カジノ 無料 ゲーム売上高比率の急伸を目指す
カジノ 無料 ゲームでしょうゆの需要が高まっている要因について、末松社長は「和食の広がり」を挙げた。和食がカジノ 無料 ゲームで身近になるにつれ、中小規模のしょうゆメーカーも輸出市場に参入できるようになってきたという。
同社の輸出先の内訳は、輸出額ベースで、韓国が3分の2弱、香港が3分の1弱。残りを約10カ国で分けている。もっとも香港には、主にラーメンスープを輸出しており、しょうゆに限ると、ほとんどが韓国向けになる。また、その種別は刺し身しょうゆだ。
日ごろ口にする魚種は、九州と韓国で似ている。赤身魚よりも、白身魚や青魚を好む傾向にあるという。三瀬部長は「甘くてまろやかな九州のしょうゆがこれらの魚料理に合う。韓国人にも受け入れられているのは、そのためではないか」と語った。なお、韓国では「チョコチュジャン」(コチュジャンや赤酢が配合された調味料)を刺し身につけて食べる習慣がある。インバウンドを通じて日本の味を知る韓国人が増えるに従い、刺し身しょうゆの販路も広がったとみている。
新たな販路開拓先はベトナム
ニビシ醬油は刺し身しょうゆの新たな販路開拓先として、ベトナムに注目している。同社は2023年度、ジェトロが実施する海外ビジネスに精通した専門家によるオンラインのカジノ 無料 ゲーム展開ハンズオン支援企業に選定された。専門家の助言を受けながら、市場参入に向け準備を進めている。
しょうゆの主要輸出先の米国などではなく、アジアに目を向けた理由の1つに、甘口を好む現地の味覚がある。大手しょうゆメーカーは、魚醤(ぎょしょう)などしょうゆの類似品が普及しているアジア諸国での販路開拓に難しさを感じているようだ。他方、九州のしょうゆは甘口なので、同社の商品が浸透しやすいのではないかと期待している。
ニビシ醬油のカジノ 無料 ゲーム事業担当者らは2023年10月、ベトナム最大都市のホーチミンに出張し、現地人対象の試食会やバイヤーとの商談に臨んだ。ジェトロのを利用し、事前に市場調査した上で取引先候補企業のリストアップを行い、商談を設定した。ホーチミンには日本食レストランが数多く、日本の味に慣れ親しむ人が多い。そうしたことも、販路開拓の追い風になるとみられる。
ニビシ醬油はこれからも、ベトナムでの販路開拓に力を注ぐ構えだ。将来的には、アジア諸国の家庭に自社製造の刺し身しょうゆを普及させたいと考えている。
その夢を実現する上で、1つの課題が売り方だ。刺し身しょうゆの使い道は、刺し身に限定されているわけではない。現地の食文化に合った使い方を提案することがカギになる。また、末松社長と三瀬部長は輸出の難しさについて、(1)各国の原材料・添加物規制の基準に合致した商品開発と(2)コストの抑制を挙げた。「商談が決まっても、相手国の輸入規制を順守できなければ、商品を輸送することはできない。われわれは特に原材料を慎重に確認している」という。
「日本の香りであるしょうゆを、九州の味で広めたい」。ニビシ醤油の挑戦は、さらに本格化する。
日本のしょうゆ輸出、10年で倍増
農林水産省の農林水産物輸出入統計によると、しょうゆの輸出額は増加傾向にある。2013年は、約42億7,000万円に過ぎなかった。それが2022年には約94億円に上り、過去10年で2.2倍の伸びを記録したかたちだ(図1)。
中でも、米国が2022年の輸出額全体の20.3%(約19億円)を占める。中国の9.5%(約9億5,000万円)、オーストラリア7.4%(約7億4,000万円)、韓国6.8%(約6億8,000万円)がこれに続く(図2)。
カジノ 無料 ゲームに工場を設立し、現地生産するしょうゆメーカーも出てきている。
- 執筆者紹介
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ジェトロ福岡 所長代理
片岡 一生(かたおか かずいき) - 経営コンサルティング会社、監査法人、在外公館などでの勤務を経て、2022年1月にジェトロ入構。調査部米州課を経て、2023年9月から現職。