欧州有数の資源国ルーマニア、EU目標達成目指し再ブラック ジャック やり方 カジノ導入急ぐ
ルーマニアのブラック ジャック やり方 カジノ産業

2024年10月15日

ルーマニアは、天然ガスや石油資源がEUの中でも豊富な、知られざる欧州の資源大国である。特に天然ガスの生産量は、2024年にオランダを抜いてEUで第1位となる見込みだ。他方、化石燃料資源に頼ってきた結果、EUが進める再生可能ブラック ジャック やり方 カジノ(再エネ)の普及ではこれまで必ずしも優等生とは言えなかったという側面もある。そのルーマニアでも現在、EU基金などを活用して、再エネ導入を急ピッチで進めている。転換期にあるルーマニアのブラック ジャック やり方 カジノ動向について、この分野の政策・産業動向に詳しい現地コンサルティング企業EPGのラドゥ・ドゥアウ代表および同社シニアリサーチャーのアレクサンドル・シオカン氏に解説してもらった(インタビュー日:2024年9月2日)。

質問:
ルーマニアのブラック ジャック やり方 カジノ事情や特徴について。
答え:
ルーマニアは天然ガスの採掘量が年間約80億立方メートルで、EUではオランダに次いで第2位の天然ガス生産国であったが、オランダがフローニンゲンガス田の開発を中止したことで、2024年はルーマニアが第1位となる見込みだ。原油生産も2023年は287万トンで、EUではイタリアに次ぐ規模である。その結果、化石ブラック ジャック やり方 カジノは依然としてルーマニアのブラック ジャック やり方 カジノミックスの60%以上を占めており、EUの温室効果ガス削減目標に沿うためには化石ブラック ジャック やり方 カジノからの脱却が急がれる。
質問:
脱化石燃料化の課題は。
答え:
ブラック ジャック やり方 カジノ省が8月に公表した2025~2035年の新ブラック ジャック やり方 カジノ戦略(2024年8月27日付ビジネス短信参照)では、2030年に最終消費ブラック ジャック やり方 カジノに占める再エネ比率を38.3%まで引き上げる目標を掲げている(注1)。太陽光発電と風力発電は2010年代前半に急成長したが、政府が「グリーン電力証書」への支援制度を廃止したこともあり、その後の成長が停滞してきた。ブラック ジャック やり方 カジノ戦略ではEUの近代化基金などを活用して太陽光・風力発電の拡大を目指すが、課題は送配電部門だ。電力の送配電は規制業種であり、民間投資にも規制当局の認可が必要な点が投資拡大のネックだ。電力に限らず、ガスや石油部門も規制枠組みの下で独占あるいは寡占状態にあるのがルーマニアの特徴だ。
また、EUの改正再エネ指令では、産業におけるグリーン水素の使用義務も設定していることから、ルーマニアでも水素ブラック ジャック やり方 カジノの拡大に取り組んでいる。天然ガス生産の豊富なルーマニアではガス輸送インフラが整っており、これは将来的に水素輸送での活用が見込めるのが強みだ。他方、既存のガス事業者が新規事業者の水素ビジネスへの参入を妨げているという側面がある(注2)。
そもそも、気候変動対策にかかるコストを誰がどのように負担するかという点も、国内で共通理解がみられない課題だろう。いずれ消費者が税などのかたちで負担することになるのか、政府側で混乱している印象がある。
質問:
そのほか、最近注目される脱炭素関連の取り組みは。
答え:
炭素回収・貯留(CCS)は近年、注目されている。各産業が温室効果ガス排出削減を求められる中で、特にセメント産業や石灰などを扱う企業でCCSのニーズが最も高い。鉄鋼や石油産業でもこうした動きはあるが、これらに比べセメントや石灰では排出削減の選択肢が限られており、よりCCS導入が喫緊の課題となっている。
質問:
ロシアによるウクライナ侵攻のブラック ジャック やり方 カジノ産業への影響は。
答え:
調達面では、2022年時点ではロシア産原油の輸入が、カザフスタン産に次いで第2位であったが、EUのロシア産原油禁輸措置を受け、代替の輸入先確保が急務となった。ロシアの石油会社ルクオイルは、ルーマニアにおける石油元売りの主要企業の1つであり、制裁後も活動自体は制限されていないが、実際のところロシア以外からの輸入ルート確保では苦戦している、との話もきく。また、最大の石油輸入相手国であるカザフスタンからの輸入はカスピ海を経由して、ロシアのノボロシスクを通るケースがあり、輸送ルートの安全保障上のリスクも懸念材料ではある。
他方、ルーマニアのブラック ジャック やり方 カジノ輸入依存度は近隣諸国に比べて比較的低い(注3)。供給面では、ロシア情勢の影響もあり、モルドバ向けの石油輸出、ハンガリー向けの天然ガス輸出、また電力輸出でもウクライナ、モルドバ向けが増えている。
物流面では、黒海沿岸のコンスタンツァ港は東欧でも有数の石油ターミナルを擁するが、ロシア侵攻により、物流拠点の要所としての地政学的な重要性が高まっている。
質問:
EUでは炭素国境調整メカニズム(CBAM)の導入が進むが、ルーマニアでの反響はどうか。
答え:
現地企業から、CBAMに基づく報告が負担になる、官僚的であるといった声も聞こえてくるが、総じてEU域内と域外の炭素価格負担を平等にするための制度として受け入れざるを得ない、というスタンスだろう。産業界としては、EU排出量取引制度対象セクターの無償排出割当が完全に撤廃されてCBAMへの移行が完了する2034年を見据えて、低炭素化を進める動きが鉄鋼業などで活発化している。個別の論点としては、地域ブラック ジャック やり方 カジノ協力を行う国境周辺地域ではセルビアなどEU域外国から電力供給を受けているケースもあり、電力輸入もCBAMの対象であるため、対応に苦慮することが予想される。
質問:
EUの2050年カーボンニュートラル目標達成に向けた長期の見通しは。
答え:
ルーマニアの脱炭素化長期戦略では、1990年比で2040年に90%、2050年に99%の温室効果ガス削減を目標としているが、本年(2024年)8月発表の新ブラック ジャック やり方 カジノ戦略ではより野心的な目標として2050年にマイナス排出レベルに到達することを掲げる。ブラック ジャック やり方 カジノミックス全体が劇的に変化することが予想され、再生可能ブラック ジャック やり方 カジノの供給増加に備えるため、送電網インフラへの大規模な投資が必要となるだろう。
ブラック ジャック やり方 カジノ
EPGラドゥ・ドゥアウ代表(右から2番目)、
シニアリサーチャーのアレクサンドル・シオカン氏(右端)ほかメンバー(ジェトロ撮影)

注1:
2023年11月に発効したEUの改正再生可能ブラック ジャック やり方 カジノ指令では、EU全体の最終ブラック ジャック やり方 カジノ消費ベースのブラック ジャック やり方 カジノミックスに占める再エネ比率について、法的拘束力のある2030年目標を42.5%に設定している。EU全体の目標であり、全加盟国にそれぞれ達成を課すものではない。
注2:
ルーマニアの水素戦略および再ブラック ジャック やり方 カジノ分野での投資動向については、を参照。
注3:
ルーマニアと国境を接するモルドバ、ハンガリー、セルビア、ブルガリアはいずれも天然ガスの輸入依存度がほぼ100%であるのに対し、ルーマニアは20%程度(2022年時点)。
執筆者紹介
ジェトロ調査部欧州課長
安田 啓(やすだ あきら)
2002年、ジェトロ入構。ブラック ジャック やり方 カジノ調査部国際経済課、公益財団法人世界平和研究所(現・中曽根康弘世界平和研究所)研究員、ジェトロ・ブリュッセル事務所次長などを経て、2023年から現職。