ルーマニア政府、「エネルギー戦略2025~2035年」を発表

(ルーマニア)

ブカレスト発

2024年08月27日

ルーマニアのエネルギー省は8月23日、「2050年を見据えたエネルギー戦略2025~2035年」PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を公表した。6月14日~7月13日までのパブリックコンサルテーションに基づく改定が反映された。

同省の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、直近のエネルギー戦略は2007~2020年の計画を定めた17年前の文書が最後で、新たな戦略の策定が急務となっていた。今回の戦略では、新たにモルドバのエネルギー安全保障を確保する義務、一般世帯と産業向けのエネルギー価格の引き下げの重点化、貯蔵容量の向上、サイバーセキュリティー対策、グリーン移行に必要な技術や資材を備えたローカルサプライチェーンの構築などが盛り込まれた。

エネルギー部門はルーマニアの発展プロセス全体にとって重要な柱であるとし、次の点が強調された。

  • 戦略のビジョンは安全保障、持続可能性、経済成長、アクセスしやすさの条件の下でエネルギー部門を発展させる。
  • エネルギーを取り巻く環境は市場の変化、気候変動、地域の脆弱(ぜいじゃく)性によって引き起こされる大きな課題に直面しており、さらに国境を接するウクライナでの戦争や地政学的な観点から問題は深刻化している。
  • グリーンへの移行を加速しつつ、エネルギー安全保障を改善させる必要性がある。そのための戦略として、化石燃料から再生可能および低炭素エネルギー源への段階的な移行、貯蔵能力の向上、エネルギー効率の改善、地域エネルギー源の多様化、送配電ネットワーク強化による経済競争力強化とエネルギーの適正価格の補完性の確保を目指す。

なお、本戦略は今後、計画プログラム案の環境アセスメント実施に向けた手順を確立した後、関係機関内での承認、政府決定を経て採択される見通しだ。

(高崎早和香)

(ルーマニア)

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