ブラック ジャック ディーラー
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2020年3月27日

日本政府が取りまとめる農林水産物・食品の輸出戦略の中にはトルコも含まれており、今後の市場開拓が期待されている国の1つだ。しかし、これまで日本食のトルコ向け輸出はほとんど見られず、具体的に何が課題なのかも明確になっていない。そこで、特に課題とされてきた衛生証明書をめぐるトラブルや、遺伝子組み換え食品の厳しい規制に関し、トルコの概要や日本企業の具体的な対応策について、3回に分けて紹介する。初回はトルコ向け食品輸出の現状を取り上げる。

日本食の未開拓市場

食に保守的と言われるトルコだが、人口8,000万人を超え、1人当たりGDPが約1万ドル(イスタンブールに限って言えば1万7,000ドル以上)、平均年齢31歳というデータを踏まえると、そのポテンシャルへの期待は高い。流行に敏感な若者やブラック ジャック ディーラー経験の豊富な富裕層を中心に、日本食に対する関心も徐々に高まっており、すしや抹茶は受け入れられつつある。アジア料理のローカルチェーンSushiCoも店舗数を順調に拡大し、現在は系列店も含めて国内で約50店舗を展開している。

しかし、これまでの日本からの農林水産物・食品輸出実績を見ると、トルコは輸出先として71位(2018年)で、輸出額は2億円にとどまっていた。しかも、輸出額の上位は配合調整飼料や播種(はしゅ)用の種子、植物の汁液エキス、ペプトンなどが1億5,000万円を占め、実質的には日本食品の輸出はほとんどないといえる。この背景には、トルコのアジア食品市場が未発達であったこと、輸入規制が厳しいこと、さらに、トルコ側が求める証明書を日本側が円滑に提示できなかったことがあった。これらの理由により、両国企業は長年、「日本からの輸出は実質的に不可能」と認識してきた(図1参照)。

図1:トルコ向け農林水産物・食品輸出額
トルコ向け農林水産物・食品のブラック ジャック ディーラー額の推移をみると、主要ブラック ジャック ディーラー品は、はっか、配合調整飼料、伝播用の種子、植物の汁液エキス、ペプトン等で、日本食材のブラック ジャック ディーラーはほとんどない

出所:農林水産省ウェブサイト

トルコ政府が提出を義務付ける衛生証明書

トルコ企業は日本からの輸入ビジネスで、特に証明書を問題点としてきた。トルコ政府は植物性由来の食品輸入に当たり、輸出元あるいは商品の原産国で発行された「人体に影響を与えない」ことの証明書の提出を求めている。この証明書は一般に輸入業者から衛生証明書(Health Certificate)と呼ばれ、従来、両国企業は日本の各保健所が発行した英文の衛生証明書を活用してきた。しかし、通関時にこの証明書の記載内容をめぐるトラブルが非常に多かったためだ。

この状況を打開するため、日本政府はトルコ政府と協議を行い、2014年に植物性由来の食品については「自由販売証明書」を当該書類とすることで合意した(注1、2)。自由販売証明書は他国でも一般に見られる書式の1つで、食品として各国内で制限なく自由に販売されていることを証明し、消費において問題がないことを示すものだ。このトルコ政府との合意は農林水産省ウェブサイトで発表され、書式や発行手続きについては厚生労働省ウェブサイトで公表されている(注3、4)。なお、畜産物や水産物といった動物性由来の食品などについては、2国間で各種条件や必要書類に関する調整が未完了であることから、現時点では日本からの輸出は困難とされている。

この日本政府の対応により、トルコ向けの証明書問題は原則的には解決し、輸出が増加していくことが期待されていた。実際にジェトロが当時把握した輸出実例でも、自由販売証明書を提示することによりスムーズな通関がなされた。しかし現実には、日本産食品の輸出は伸びなかった。これは、トルコの輸入業者や通関業者が自由販売証明書の有効性をほとんど認識せず、「日本で発行される証明書はトラブルが多いため、日本からの直接輸入は難しい」という認識を根強く持ち続けていたためだ。トルコでも徐々に高まる日本食品へのニーズは、他国産の日本食品を輸入するか、欧州経由で日本産食品を少量輸入することで市場の需要を満たしてきたのが実態だ。

しかし、さまざまな課題はあるものの、トルコ向けの輸出は不可能ではない。実際、2019年にはようやく複数の日本産食品の輸出が見られた。次回以降、トルコ向け輸出の検討に当たって重要となる「人体に影響を与えない」ことの証明書と遺伝子組み換え食品規制について紹介する。


注1:
食品添加物の輸出では自由販売証明書が発行されないことから、厚生労働省が発行する食品添加物確認書が有効書類とされている。
注2:
合意直後にトラブルが生じたことから、2015年に書式の修正が行われた。植物性由来以外の食品(畜産物、水産物など)の輸出に当たっては、検疫や衛生条件、必要書類に関して政府間で協議が原則必要となるが、現状では日本・トルコ間で協議は完了していないことから、日本からの輸出は不可または不明。
注3:
日本からトルコへ植物及び植物由来の食品等を輸出する際の証明書についてPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(321KB)」農林水産省公式発表。具体的な対象食品も確認可能。
厚生労働省手続き情報ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
注4:
2019年11月に成立した「農林水産物及び食品の輸出の促進に関する法律案」により、2020年4月以降は日本側の証明書発行体制が変更となる可能性がある。
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執筆者紹介
ジェトロ・イスタンブール事務所
中村 誠(なかむら まこと)
2008年、ジェトロ入構。対日投資部、ブラック ジャック ディーラー市場開拓部、生活文化産業部、ジェトロ北海道を経て、2015年12月から現職。