実写 版 ブラック ジャック
最終更新日:2024年02月26日
実写 版 ブラック ジャック
外国企業がチェコ市場に参入し事業活動を行うためには、多くの場合、チェコ営業許可管理局で必要な営業認可証を登録しなければならない。
チェコ営業許可管理局にて外国企業として営業認可証の登録をするためには、チェコでの法人設立が必要となり、この場合の法人としては、会社(一般的には「有限会社」または「株式会社」)あるいは支店が考えられる。
有限会社
主な特徴
有限会社は、次の特性を備えた法的能力を有する法人である。
- 1人以上の出資者により設立(出資者は、個人または法人。出資者が法人である場合、株主の所在地はチェコ国内でも外国でも可。出資者が個人である場合、チェコ国籍に限らず、外国籍でも可)。
- 出資者は有限責任である(出資者は有限会社の負債について、債権者から弁済を求められた時点における商業登記簿の登記内容に基づき、出資金未払込額の範囲内で連帯して責任を負う)。
- 有限会社は、総会にて会社の法的な経営責任者(取締役)を1人もしくは複数名任命する。取締役は有限会社の経営に対して法的責任を負い、会社代表権限をはじめとして取締役に関する詳細は、商業登記簿に記載されていなければならない。
- 出資者1人当たりの出資金の最低金額は、1コルナ(つまり、出資者1人の有限会社の場合、最低資本金額は1コルナ)であり、出資金額に上限なし。
設立手続き
- 設立手続き概要
有限会社の設立手続きには2週間程度必要だが、外国企業が有限会社を設立する場合、翻訳作成、アポスティーユ付与、追加書類提出などのため、通常およそ1~3カ月掛かる。手続き内容は次のとおり。
- 会社を設立する株主(発起人)が、公正証書の形式にて定款を作成。
- 特定住所に所在地を構えるため、所在地を置く不動産の使用権を法的に証する書類の取得。
- 資本金払込目的で開設された特別口座への登録資本金払い込み(商業登記簿登記申請書提出までに、各現金拠出額の最低30%が払い込まれていること)。
- 事業目的に必要な営業認可証を登録。事業活動を営む上で別の許可が必要な場合は、当該許可を取得。
- 商業登記簿に登記。
有限会社設立に必要な書類は、一般的に次のとおり。
- 公正証書の形式にて作成される定款。
- 株主に関する書類(株主が法人の場合):発行日から3カ月以内の最新の商業登記簿抄本。
- 最初の取締役に関する書類:発行日から3カ月以内の無犯罪証明、あるいは同様の書類、および取締役がその条件を満たしている旨を述べた宣誓供述書(要署名認証)。
- 会社の登録所在地に関連する書類:所在地を置く不動産の使用権を法的に証明する書類(例:所在地登録する不動産の所有者が発行した同意書または賃貸借契約書)。
- 事業活動を営むために必要な書類:通常は、営業認可証取得に必要な書類。有限会社の業種により、追加書類の提出を求められる場合がある。
- 登録資本金全額またはその一部の払い込みが完了したことを証明する書類:銀行の払込確認書および出資金管理人の宣言書。
実際の設立手続き上、前記以外の書類が追加で要請される可能性あり。
- 設立関連費用
有限会社の設立関連費用は次のとおり。- 定款の公証人認証費用:手数料は、資本金額により異なる。資本金1億コルナ以上の有限会社の場合、手数料の最高額は約9万5,000コルナ(VAT別)。
- 商業登記手数料:管轄の登記裁判所にて登記申請書を直接提出する場合は、6,000コルナ(VAT込)。公証人に登記手続きを依頼する場合は、約4,000コルナ(VAT込)。
- 営業許可管理局にて、営業認可証取得にかかる手数料として、1,000コルナ(VAT込)。
- その他の費用(例:翻訳費用、原本証明手数料など)。
- 書類に関する形式的要件
チェコの有限会社設立に必要な書類は、すべてチェコ語に翻訳しなければならない(日本語から翻訳する場合は、チェコ司法通訳士の認証印を受けた公式翻訳が必要)。
日本で発行された署名認証・発行当局公印のある書類は、アポスティーユを付与。
会社設立後の手続き
- 会社設立前に代理で行った行為の有効性確認
有限会社が設立する以前、つまり、商業登記簿登記完了前で有限会社がまだ法律上存在しない期間に有限会社として行った行為は、設立後3カ月以内にその有効性を確認しなければならない。 - 当座預金口座の開設
資本金払込専用の銀行口座は、登録資本金払い込みのみを目的として開設された口座であるため、通常事業のための利用は不可。そのため、各銀行の規定に基づき、登録資本金払込専用口座を当座預金口座へ変更、または別途、口座を新規に開設する。 - 税務関係の登録
該当する税(法人税、道路税、源泉所得税、給与税、付加価値税など)について、有限会社として納税者登録する。 - データボックスのアクティベーション
チェコ国内で設立される会社には、データボックスの所有が義務付けられている。データボックスとは、チェコの公共機関(税務署、営業許可管理局、商業登記関連当局、社会保障局など)が文書の電子送付を行うシステム。セキュリティのかかった「電子メールボックス」であり、ユーザーはログインして、データボックスに送付されてきたメッセージを受け取る。データボックスへ送付した日より10日後に、受取人が通知を受理したものとみなされる。重要な期限を見逃してしまう可能性があるため、データボックスへの通知送付状況を定期的にチェックすることが非常に重要。以上の事情から、データボックスは、会社設立後すぐにアクティベートする必要あり。
株式会社
主な特徴
チェコの株式会社は、次の特性を備えた法的能力を有する法人である。
- 1人以上の株主により設立(株主は、個人または法人。株主が法人である場合、株主の所在地はチェコ国内でも外国でも可。株主が個人である場合、チェコ国籍に限らず、外国籍でも可)。
- 株式会社の資本金を特定の株式分に配分(異なる権利が付随した種類株式の発行も可)
- 会社の構成機関は、2つの企業内機関、すなわち監査役会と取締役会、または、理事会および単独経営者のいずれかを選択することが可能。定款で定めた場合に限り、理事会を1人で形成し、経営者を兼任することができる。
- 資本金は、最低200万コルナ。資本金の上限金額に制限なし。
設立手続き
- 設立手続き概要
株式会社の設立手続きには2週間程度必要だが、外国企業が株式会社を設立する場合、翻訳作成、アポスティーユ付与、追加書類提出などのため、通常およそ1~3カ月掛かる。手続き内容は次のとおり。
- 会社を設立する株主(発起人)が、公正証書の形式にて定款を作成。
- 特定住所に所在地を構えるため、所在地を置く不動産の使用権を法的に証する書類の取得。
- 資本金払込目的で開設された特別口座への登録資本金払い込み(商業登記簿への登記申請書提出までに、引受株式の名目価格または帳簿価格総額の最低30%が払い込まれていなければならない。未払込金額相当の株式は「仮証書」と呼ばれる有価証券にて代替し、株式は引受株式の名目価格または帳簿価格が全額払い込まれた時点で発行)。
- 事業目的に必要な営業認可証を登録。事業活動を営む上で別の許可が必要な場合は当該許可を取得。
- 商業登記簿に登記。
株式会社設立に必要な書類は、一般的に次のとおり。
- 公正証書の形式にて作成される定款。
- 株主に関する書類(詳細は、有限会社の項目参照)
- 最初の取締役会または単独経営者に関する書類(詳細は、有限会社の項目参照)
- 最初の監査役、または理事会に関する書類(詳細は、有限会社の項目参照)
- 事業活動を営むために必要な書類:通常は、営業認可証取得に必要な書類。株式会社の業種により追加書類の提出を求められる場合がある。
- 所在地登録に関連する書類(詳細は、有限会社の項目参照)
- 登録資本金の払い込みに関連する書類(詳細は、有限会社の項目参照)
実際の設立手続き上、前記以外の書類が追加で要請される可能性あり。
- 設立関連費用
株式会社の設立関連費用は次のとおり。- 定款の公証人認証費用:手数料は登録資本金額により異なる。資本金1億コルナ以上の株式会社の場合、手数料の最高額は約9万5,000コルナ(VAT別)。
- 商業登記手数料:管轄の登記裁判所にて登記申請書を直接提出する場合は、1万2,000コルナ(VAT込)。公証人に登記手続きを依頼する場合は、約1万コルナ(VAT込)。
- 営業許可管理局にて営業認可証取得にかかる手数料として、1,000コルナ(VAT込)。
- その他の費用(例:翻訳費用、原本証明手数料など)。
- 書類に関する形式的要件
株式会社設立に必要な書類の形式的要件は有限会社の場合と同様のため、有限会社の項目を参照。
会社設立後の手続き
株式会社の設立後に必要となる手続きは有限会社の場合と同様のため、有限会社の項目を参照。
支店
主な特徴
チェコの支店は、設立者とは独立した会計制度にて営まれるものの、法的な主体としては分離していないため、支店独自で契約関係を結ぶなどの法律行為を履行する行為能力はない。また、次の特性を備えている。
- 登録資本金はない。
- 支店長を任命する必要あり(支店長に就任できるのは個人のみ。支店長の国籍はチェコだけではなく、外国籍でもよい)。
- 経営上の決定は、本社(外国企業の場合、本店所在地は外国)が下し、支店長がその決定内容を履行する。
設立手続き
- 設立手続き概要
支店設立の設立手続きには2週間程度必要だが、外国企業が支店を設立する場合、翻訳作成、アポスティーユ付与、追加書類提出などのため、通常およそ1~2カ月掛かる。手続き内容は次のとおり。
- 支店は、設立者の決定書に基づいて設立される。決定書には、設立者の代表(1人または複数名)が署名したものであればよいとされているが、署名認証を受けることが望ましい。
- 特定住所に所在地を構えるため、所在地を置く不動産の使用権を法的に証する書類の取得。
- 有限会社や株式会社とは異なり、支店に登録資本金はないため、資本金払込専用の銀行口座の開設は不要。
- 事業目的に必要な営業認可証を登録。事業活動を営む上で別の許可が必要な場合は当該許可を取得。
- チェコ商業登記簿へ登記。
支店登記に必要な主な書類は次のとおり。
- 設立者に関する書類:必要に応じて、発行日から3カ月以内の商業登記簿抄本
- 支店設立を決めた設立者の決定書
- 支店長に関する書類(詳細は、有限会社の項目参照)
- 営業認可取得に必要な書類(支店が取得希望する業種により異なる)。通常は、営業認可証取得に必要な書類。支店の業種により追加書類の提出を求められる場合がある。
- 支店の所在地に関する書類(詳細は、有限会社の項目を参照)
実際の設立手続き上、前記以外の書類が追加で要請される可能性あり。
- 設立関連費用
支店の設立関連費用は次のとおり。- 商業登記簿登記手数料として、合計6,000コルナ(VAT込)。
- 営業許可管理局にて営業認可証取得にかかる手数料として、1,000コルナ(VAT込)。
- その他の費用(例:翻訳費用、原本証明手数料など)。
- 書類に関する形式的要件
支店設立に必要な書類の形式的要件は有限会社と同じであるため、有限会社の項目参照。
会社設立後の手続き
支店登記の際の税務登録およびデータボックス関連手順は有限会社の場合と同じであるため、有限会社の項目参照。
外国企業の会社清算手続き・必要書類
会社解散の決議と同時に、清算人を指名する。清算人は、当該企業が清算中である旨を商業登録に反映させた上で、関係機関に報告する。
会社清算の流れ
- 株主総会で会社の解散を決議する。通常は、同時に清算人を指名する。
- 会社の解散および清算人の指名を決議した株主総会の議事録を、公正証書化する。
- 清算人は商業裁判所に対し、会社が清算中であること、および清算人の名を商業登録に反映させる。
- 清算人は、会社解散が決議された旨を債権者に公告する。
公告は、公告発注フォームに記入し、公告内容とともに電子メールで送信するか郵送する。
公告発注フォーム(ダウンロード) “Obchodní věstník(84KB)”
送信・郵送先
所在地:Obchodní věstník, Pernerova 47, 186 00 Praha 8
E-mail:ov@economia.cz - 清算人が作成した会社資産分配案を、株主総会が承認する。
- 清算人は、承認された会社資産分配案に基づいて、会社の資産を分配する。
- 清算人は会社資産分配完了より30日以内に、商業裁判所に対して商業登録抹消の申請を行う(電子媒体で申請:Ministerstvo spravedlnosti)。
申請書類
- 規定フォーム
- 会社解散を決議した議事録の公正証書
- 税務署の商業登録抹消承認書
- 債権者向け公告証明書
- 清算人の資産処分報告書、会社代表機関の報告書承認書
- 会社解散日前日までの決算書
- 会社が、裁判や他の法的争議に関わっていない旨を宣言する清算人の誓約書
- (株式会社の場合)会社の株式がすべて処分され、無効であることを示す証明書
財務、労務関係
清算人は、会社が清算中である旨を商業登録に反映させた後、次の機関に、会社解散の旨を報告する。
- 税務署
- 健康保険会社(労務関係)
- 社会保険局(労務関係)
- 取引銀行
- 労働局(被雇用者との雇用関係終了前に、被雇用者の人数と技能構造について報告する。外国人従業員については、雇用終了日より10日前までに、雇用関係終了について、所定のフォームに記入して提出する)
- 法律第89/2012「民法」第187~209条 “89/2012 Zákon občanský zákoník”
- CzechTrade(産業貿易省外郭団体・貿易振興機関)ビジネスインフォ・ポータル「会社清算」“Obchodní korporace – zrušení”
- 労働・社会福祉省「外国人の雇用」“Employment of Foreigners”
駐在員の帰任
外国人駐在員が本国に帰任する場合、チェコ滞在終了3日前までに、滞在許可証を管轄の内務省分室に返却しなければならない(郵送の場合は、書留郵便で送付する)。
内務省「滞在許可の終了・取り消しとチェコからの出国」“Ending and revoking a residence permit and leaving the CZ”
その他
特になし。