11月の米小売売上高は前月比0.7%増と市場予想上回る、自動車の買い替えなどが大きく寄与

(米国)

ニューヨーク発

2024年12月18日

米国商務省の速報PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(12月17日付)によると、11月の小売売上高(季節調整値)は前月比0.7%増の7,246億ドル(添付資料表参照)となり、米ブラック ジャック 確率サービスのブルームバーグがまとめた市場予想(0.6%増)を上回った。なお、9月の売上高実績は前月比0.8%増から0.9%増に、10月は同0.4%増の速報値(関連ブラック ジャック ストラテジー)から0.5%増に、いずれもわずかに上方修正された。

自動車・同部品、無店舗小売りなどが押し上げ要因に

業種別にみると、最も押し上げに寄与したのが自動車・同部品で前月比2.6%増の1,407億ドル(寄与度:プラス0.50ポイント)だった。10月上旬に米国南東部を直撃した大型ハリケーン「ミルトン」などによる被害で、自動車の買い替え需要が増加したことに加え、前月に続けて中古車価格が大きく上昇したこと(2024年12月12日記事参照)が影響した可能性がある。自動車・同部品を除く売上高は、前月比0.2%増で内容はまちまちだった。無店舗小売りは前月比1.8%増の1,271億ドル(寄与度0.32ポイント)の伸びで、年末商戦期間中の大型セールや値下げが消費を促した可能性が高い。そのほかの項目では、衣料品や食品などマイナス項目が複数あり、消費者の支出に対する慎重姿勢はなお強まっている。また、小売り統計で唯一のサービス項目のフードサービスも、同0.4%減の967億ドルと、2024年3月(前月比0.1%減)以来、8カ月ぶりの減少に転じた。

米保険・金融サービス会社ネイションワイドのシニアエコノミスト、ベン・エアーズ氏は「今回の詳細データは、2024年を慎重気味に終える世帯が増え、価格に敏感な購買行動が広がっていることを示唆している」とし、「雇用の伸びの鈍化と、いまだ上昇する物価により、消費活動の勢いが着実に失われており、2025年初頭には経済成長が低下することを示唆している」と指摘した(「インベストペディア」12月17日)。

一方、消費者マインドは改善しており、民間調査会社コンファレンスボードが11月26日に発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした11月の消費者信頼感指数は111.7(10月:109.6)と2.1ポイント上昇し、2023年7月(114.0)以来の高水準となった。内訳をみると、現在の雇用環境や経済状況を示す現況指数は140.9(10月:136.1)、6カ月先の景況見通しを示す期待指数は92.3(10月:91.9)と、いずれも上昇した(添付資料図参照)。

同社のチーフエコノミストのダナ・ピーターソン氏は消費者の考え方について「11月の上昇の主因は、消費者の現況、特に労働市場に対する肯定的な評価によってもたらされた」とし、「消費者は将来の雇用の可能性についてかなり楽観的で、この3年間で最も高いレベルに達した」と述べた。

(樫葉さくら)

(米国)

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