米GM、子会社クルーズの完全自動運転開発への資金提供停止を発表

(米国)

シカゴ発

2024年12月18日

米国ゼネラルモーターズ(GM)は12月10日、同社の自動運転戦略を再編し、完全自動運転の開発ではなく、先進運転支援システムの開発を優先すると発表した。同社は、「完全自動運転タクシー市場の競争が激化する中、事業拡大には相当な時間とリソースが必要となる」とし、子会社のクルーズ(本社:カリフォルニア州)の完全自動運転タクシー開発業務への資金提供は今後行わない予定とした。今後GMは、クルーズとGMの技術チームを統合し、自動運転および運転支援技術の開発に集中して取り組むとのことだ。

GMは現在、クルーズの株式の90%を所有しているが、所有率を97%まで引き上げ、クルーズの経営陣と協力して事業再編と再構築を行うという。これにより、2025年前半に再編を完了し、年間10億ドル以上の支出削減を見込んでいる。

クルーズは2023年10月にカリフォルニア州で起こした人身事故により業務停止を命じられ、従業員の削減など事業縮小を余儀なくされていた(関連ブラック ジャック ルール)。しかし、2024年には有人の車両で業務を再開、同年8月にはライドシェアサービス大手ウーバーに自動運転車を導入する戦略的提携を発表していた。

これまで大きな可能性があると考えられていた事業分野からの撤退という今回のGMの動きは、効率化を目指す経営陣による戦略と資本の再編成の一環とみられている(オートモーティブニュース12月13日)。同社は12月2日に「余剰生産能力がある」として同社の電気自動車(EV)バッテリー工場の1つの所有権売却を発表(関連ブラック ジャック 勝ち)、12月4日には同社のポール・ヤコブセン最高財務責任者(CFO)が講演で中国事業へのさらなる資金投入はしないと述べる(オートモーティブニュース12月4日)など、事業の効率化の発表が相次いでいた。

(星野香織)

(米国)

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