ロシア、COP29で途上国に配慮した環境枠組み作りを訴え

(ロシア、アゼルバイジャン、世界)

調査部欧州課

2024年11月21日

アゼルバイジャンの首都バクーで11月11日から22日の予定で開催されている国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29、2024年11月12日記事参照)に、ロシアからミハイル・ミシュスチン首相が参加し、13日に首脳級会合の「世界気候行動サミット」で演説した。

ミシュスチン首相は演説で「世界各国が気候変動対策に取り組む中、ロシアとしても積極的にそれを推進している」として、ロシアは既に温暖化ガスの排出量を1990年水準で半減していることや、エネルギー資源の使用効率化・輸送手段の発展、農業・林業分野での関連技術開発を柱に、2060年までのカーボンニュートラルの取り組み(関連ブラック ジャック ブラック)を進めていると強調した。

その上で、ロシアは次の4点を優先課題として、各国に気候変動対策への注力を訴えているとした。

a.途上国の事情を考慮した気候変動対策へ新しい共同目標に向けての調整

b.温暖化ガスの排出削減過程が低所得国の経済、産業、社会にかける負担を削減

c.国際取り決め実施メカニズムの導入と、統一的環境プロジェクト評価システムの創設

d.気候変動分野での学術協力の促進

このほか、ミシュスチン首相はアントニオ・グテーレス国連事務総長や、アゼルバイジャンのイルハム・アリエフ大統領と面談したほか、アゼルバイジャンのアリ・アサドフ首相との間で気候変動・環境対策を含めた会談を行った。アサドフ首相は会談で、産業、物流、交通、農業などと並び、気候変動を含む環境面でも、ロシアとの協力が進んでいることを強調した。特にカスピ海の環境保全に関し、アゼルバイジャンで生じているカスピ海の浅瀬の縮小問題について、ロシアの協力を得たい考えを示した。

(欧州課)

(ロシア、アゼルバイジャン、世界)

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