米コロラド州、有機フッ素化合物PFASの規制強化、2028年までに段階的に販売禁止を拡大
(米国)
ロサンゼルス発
2024年07月03日
米国コロラド州のジャレッド・ポリス知事(民主党)は5月1日、有機フッ素化合物(PFAS、注1)の規制に関する法律(SB24-081)に署名し、同法は成立した。この規制により、同州では2026年から「永遠の化学物質」と呼ばれるPFASが含まれるさまざまな日用品の販売が禁止される。
同規制は段階的に対象製品を拡大する。規制の主な内容は次のとおり。
- 2025年1月1日以降、PFASを使用した特定のアウトドア向けアパレル製品(透湿防水加工した製品)について、PFASを含む旨を開示する表示を付けない場合、販売または流通を禁止する。
- 2026年1月1日以降、PFASを使用したクリーニング製品(医療用床メンテナンス製品を除く)、デンタルフロス、生理用品、スキーワックス、調理器具の販売または流通を禁止する。
- 2026年1月1日以降、州内のいかなる土地にも、PFASを使用した人工芝を設置することを禁止する。
- 2028年1月1日以降、PFASを使用した医療用床メンテナンス製品、繊維製品、透湿防水加工したアウトドアアパレル製品、主に商業使用を目的とした食品器具の販売または流通を禁止する。
同州では2022年に、2024年1月以降にPFASを使用したカーペット、繊維加工品、食品包装、子供用製品などの販売禁止を規定する州法が成立しており、今回の州法は規制の範囲をさらに広げるものとなっている。
コロラド商工会議所が運営するメディア「The Sum&Substance」(6月21日)は、「ビジネス界のリーダーは今回の州法の原案に反対していたものの、立法過程で加えられた多くの修正に満足している」としている(注2)。一方、産業界にとって規制が「大きな問題」となる可能性があると警告する州上院議員の声を紹介したほか、州法を提出した議員が規制のさらなる拡大を目指していることに言及した。
(注1)PFASは、いわゆる有機フッ素化合物の総称で、耐熱性や耐水性、耐油性、非粘着性などの特性があり、衣料、食品包装、調理器具、化粧品、電子・電気部品、自動車部品をはじめとする多くの産業や製品に利用されている。一方で、PFASが環境や人体に与えるマイナスの影響を理由に、PFASに関する規制の導入やメーカーが製造の中止を表明するといった動きもある(、関連ブラック ジャック オンライン)。
(注2)今回の州法の原案では、2032年までにPFASを使用した全ての製品の販売を禁止する規定が盛り込まれていたが、審議過程で同規定は削除された。
(サチエ・ヴァメーレン)
(米国)
ビジネス短信 e3312aa51fcac115