米素材メーカーの3M、2025年末までに有機フッ素化合物(PFAS)製造を終了へ
(米国)
シカゴ発
2022年12月22日
米国素材メーカーの3M(本社:ミネソタ州セントポール)は12月20日、2025年末までに有機フッ素化合物群(PFAS)の製造から撤退し、同社の全製品でPFASの使用を終了するよう取り組むと発表した。PFASとは、熱、油脂、汚れ、水に耐性がある化学物質の総称で、医療、半導体、電池、自動車、航空機などに利用されるため、現代の生活に必要なさまざまな工業製品に不可欠な素材として知られている。一方で、PFASは、発がん性や免疫力の低下など、人体に悪影響を及ぼす可能性があるともされている。
同社の決定は、自然界では分解されない有害な「永遠の化学物質(forever chemicals)」であるPFASの低減または排除に焦点を当てた規制強化への対応や、ステークホルダーの期待の変化に応えるものだという。同社のマイク・ローマン会長兼最高経営責任者(CEO)は今回の発表に関して「顧客はPFASの規制に注目しており、代替品を探している。われわれは、同じ特性を持つ他のソリューションを探している」と述べた(「ウォールストリート・ジャーナル」紙電子版12月20日)。
近年、欧州や米国ではPFASに対する規制が厳しくなっており、PFASの生産に携わる企業に対して、健康被害や環境被害に関連する訴訟が後を絶たない。同社は本社のあるミネソタ州で、2018年にPFASの生産が飲料水汚染と天然資源を損害したとする訴訟で、同州に対して8億5,000万ドルの和解金を支払っている。
また、米国環境保護庁(EPA)は2022年6月15日にPFASに関するガイドラインを発表し(関連ブラック ジャック アプリ)、それに続いて、10月18日にPFAS汚染に対処するための戦略ロードマップを、12月6日にはこのロードマップに基づき、州が連邦の浄水許可プログラムをどのように利用するかについてのガイダンスを発表している。
(星野香織)
(米国)
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