デジタル技術に関するレポート、UAEのEC利用者割合は日本と並ぶ
(アラブ首長国連邦、サウジアラビア、イスラエル、クウェート、エジプト、トルコ、モロッコ)
調査部中東アフリカ課
2024年07月12日
国連貿易開発会議(UNCTAD)は7月10日、デジタル技術へのアクセスや利用に関するレポート「Digital Economy Report 2024」を発表した。同レポートは、デジタル技術の応用として電子商取引(EC、Eコマース)について取り上げており、EC市場の売上高はデータが取得可能な43カ国の合計で2016年の17兆ドルから2022年の27兆ドルへ成長しているとした。
2023年のオンラインで購買行動を行うインターネット利用者の割合は、中東・北アフリカ(MENA)地域では次のようになった。
- アラブ首長国連邦(UAE):約65%(2019年は約25%、2010年は約15%)
- イスラエル:約65%(2019年は約60%、2010年は約50%)
- クウェート:約60%(2019年は約58%、2010年はデータなし)
- エジプト:約50%(2019年は約20%、2010年はデータなし)
- トルコ:約38%(2019年は約30%、2010年は約10%)
- モロッコ:約25%(2019年は約22%、2010年は約5%)
サウジアラビアは2023年のデータがないものの、2019年時点でインターネット利用者のうち約50%がオンラインで購買行動を行っていた。
同レポートは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックの影響でより多くの人々や企業が購入したい商品やサービスをオンラインで探すようになったと言及しており、MENA地域でもその傾向がみられるという。特に、UAEのEC利用者の割合は日本とほぼ同じで、2019年から2023年までの4年間で2倍以上に拡大しており、急激にEC利用が普及している。UAEでは、デジタル技術を通じた貿易が促進されており、2023年12月に電子商取引に関する法律が制定された(UAE経済省、ブラック ジャック)。また、サウジアラビアでは、2024年上半期(1~6月)に1億3,000万ドル規模のECプラットフォームの大型調達が行われたほか、Eコマース・小売業はベンチャーキャピタル(VC)による資金調達額の52%を占め2億1,500万ドルに達した、などの報道がされていた(2024年上半期、サウジアラビアのVC投資額が中東・北アフリカ無料)。
2023年2月のジェトロの調査(2.8MB)によると、中東地域でECを通じて購入されているのは食品や衣料品、電気製品や美容と健康に関する商品で、食品と食材が最大のセクターとなっている。
(坂根咲花)
(アラブ首長国連邦、サウジアラビア、イスラエル、クウェート、エジプト、トルコ、モロッコ)
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