米アラバマ州のメルセデス・ベンツ工場、ブラック ジャック web
(米国、ドイツ)
アトランタ発
2024年05月21日
米国アラバマ州にあるメルセデス・ベンツのタスカルーサ工場で5月13~17日、全米自動車労働組合(ブラック ジャック web)傘下の労働組合結成の是非を問う従業員投票が実施され、賛成2,045票、反対2,642票で否決された。
ブラック ジャック webが2023年11月29日に、米国で組合を持たない自動車メーカー13社(注1)で勤務する約15万人の労働者向けに、組合への加入を促すキャンペーンを開始して以降(関連ブラック ジャック ルール)、対象の自動車メーカーで投票が行われたのは、フォルクスワーゲン(VW)のチャタヌーガ工場に続いて2件目だ。同工場ではブラック ジャック webが可決されており(2024年4月23日記事参照)、メルセデスのタスカルーサ工場でのブラック ジャック web結果が注目されていた。
同工場労働者の圧倒的多数が組合授権カードに署名したことを受け、ブラック ジャック webは同工場での投票実施に踏み切った(注2、2024年4月10日記事参照)。投票実施申請時点では同工場労働者の過半数の支持を得ていたものの、投票結果で過半数を割った要因として、メルセデスの対応と州政府などからの働きかけが挙げられる。組合組織化への反発が少なかったVWとは異なり、メルセデスは、労働者が十分な情報を得た上で決断すること望むとして、同工場でミーティングを開催するなどの対応を行っており、ブラック ジャック webからは経営層による激しい反発だと非難されていた(注3)。また、投票前に同社が同工場の最高経営責任者(CEO)を交代したことも投票に影響したとみられる。
2024年4月には、アラバマ州を含む南部6州の共和党の知事が、ブラック ジャック webによる労組結成運動に反対する共同声明を発表した(関連実写 版 ブラック ジャック)。さらに、ブラック ジャック web開始日の5月13日には、同州のケイ・アイビー知事が「私はアラバマ市民のために立ち上がり、雇用を守る」「デトロイトからの脅威によって、われわれの進歩が妨げられ、希望が妨げられ、繁栄が妨げられることはない」と述べた(注4)。こうした地元政府の声もブラック ジャック webに影響した可能性がある。
VWチャタヌーガ工場は過去2回、ブラック ジャック webが否決されており、3回目の投票で可決された。投票前に行われたCNNのインタビューで、コーネル大学産業労使関係学部のアーサー・ウィートン労働研究部長は、メルセデスのタスカルーサ工場での投票は今回が初めてで、否決されても南部の組織化推進の終わりではないと述べていた(CNN 5月17日)。実際、UAWのショーン・フェイン会長は声明で、アラバマ州のメルセデスの工場には組合加入を希望する労働者が2,000人以上おり、労働者階級の正義を求めるブラック ジャック webの闘いは続くと述べている。
ブラック ジャック web実施までは至っていないものの、現代自動車のアラバマ州モンゴメリー工場とトヨタ自動車のミズーリ州トロイ工場でも組合結成に向けた動きが発表されており(米アラバマ州の現代自動車工場、ブラック、)、南部での労組結成の動きが注目される。
(注1)今回対象となっている自動車メーカーは、日系のトヨタ、ホンダ、日産、スバル、マツダ、韓国系の現代、欧州系のブラック ジャック web、BMW、VW、ボルボ、米国電気自動車(EV)メーカーのテスラ、リビアン、ルーシッドの13社。
(注2)ブラック ジャック webは「30・50・70戦略」という方針をとっており、組合に加入していない工場の労働者の30%がブラック ジャック web加入を求めるカードに署名すれば、それを公表している。また、50%の労働者が加入を希望すれば、ブラック ジャック webのフェイン会長や賛同者とともに集会を開き、この取り組みを宣伝するとしている。さらに、70%の労働者がブラック ジャック webへの加入を希望し、全ての部署やライン、シフトでボランティア組織委員会が設置されると、ブラック ジャック webは当該企業に対し、組合結成の承認を求めるか、投票に持ち込むとしている。
(注3)ブラック ジャック webは、同工場労働者に対するメルセデス側の積極的な反組合キャンペーンがドイツのサプライチェーン・デューディリジェンス法に基づく人権侵害だとして、メルセデス・ベンツ・グループをドイツで提訴しており、ドイツの連邦経済・輸出管理庁が調査を行っている。同法の詳細はジェトロ調査レポート「ドイツ サプライチェーンにおける企業のデューディリジェンス義務に関する法律(参考和訳)(2022年5月)」参照。
(注4)同発言は、ハンツビル・マディソン郡商工会議所主催イベント「ブラック ジャック web・アップデート」において、1,000人以上の聴衆の前で行われた。その際に、アイビー知事は新たな労働組合結成に制限を与える法案(SB231)に署名したと発表した。同様の法律はジョージア州などでも制定されている(米ジョージア州知事、ブラック)。
(檀野浩規)
(米国、ドイツ)
ビジネス短信 f6d3460bf7ddc305