米テネシー州のVW工場、UAW加入のための投票実施日が確定
(米国)
アトランタ発
2024年03月27日
全米自動車労働組合(UAW)は3月25日、フォルクスワーゲン(VW)のテネシー州チャタヌーガ工場で、UAW加入のための投票を4月17~19日に実施すると発表した。
UAWが2023年11月29日に、米国で組合を持たない自動車メーカー13社(注1)で勤務する約15万人の労働者向けに、組合への加入を促すキャンペーンを開始して以降(関連ブラック ジャック ルール)、同工場のほか、メルセデス・ベンツのアラバマ州タスカルーサ工場、現代自動車の同州モンゴメリー工場、トヨタ自動車のミズーリ州トロイ工場で組合結成に向けた動きが発表されている(注2、2024年2月2日、2024年2月7日、2024年3月4日、)。VWのチャタヌーガ工場の労働者は3月18日、全米労働関係委員会(注3)に対し、UAW加入のための投票実施を申請していた(カジノ ゲーム 無料ビジネス情報)。キャンペーン開始以降、対象の自動車メーカーで投票実施が決まったのは、VWのチャタヌーガ工場が初めてとなった。
投票によってUAW加入への賛成が半数を超えた場合、UAWは同工場労働者の交渉代表として認定され、それ以降、VWがUAWと交渉しない場合は不当労働行為とみなされる。なお、同工場では、2014年と2019年に労働組合を組織化するための投票が行われたが、いずれも否決されている(VWテネシー工場、UAW傘下のブラック)。
UAWは、VWの同工場での4月の投票が米国で組合を持たない自動車メーカーでの組合組織化の突破口となると述べている。一方で、テネシー州のビル・リー知事(共和党)は3月21日、地元メディアに対し、「VWのチャタヌーガ工場の労働者を含め、どの工場労働者も自分たちの将来を誰かに、つまり労働組合に委ねるのは間違いだと思う」と述べ、UAW加入への懸念を表明した(「チャタヌーガ・タイムス・フリープレス」3月21日)。なお、リー知事は2019年に同工場で行われた組織化運動に対しても反対し、その際には、企業の採用が打撃を受ける可能性があると警告した(CBSニュース3月25日)。
(注1)今回対象となっている自動車メーカーは、日系のトヨタ、ホンダ、日産、スバル、マツダ、韓国系の現代、欧州系のメルセデス・ベンツ、BMW、VW、ボルボ、米国電気自動車(EV)メーカーのテスラ、リビアン、ルーシッドの13社。
(注2)UAWは「30・50・70戦略」という方針をとっており、組合に加入していない工場の労働者の30%がUAW加入を求めるカードに署名すれば、それを公表している。また、50%の労働者が加入を希望すれば、UAWのショーン・フェイン会長や賛同者とともに集会を開き、この取り組みを宣伝するとしている。さらに、70%の労働者がUAWへの加入を希望し、全ての部署やライン、シフトでボランティア組織委員会が設置されると、UAWは当該企業に対し、組合結成の承認を求めるか、投票に持ち込むとしている。
(注3)従業員の団結権を保護し、労働組合を交渉代表とするかを決定する権限を与えられた独立連邦機関。
(檀野浩規)
(米国)
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