米アラバマ州のメルセデス・ベンツ工場、ブラック ジャック 勝率
(米国、ドイツ)
アトランタ発
2024年03月04日
全米自動車労働組合(UAW)は2月27日、メルセデス・ベンツのアラバマ州タスカルーサ工場で、工場労働者の50%以上が組合授権カード(注1)に署名したと発表した。
UAWが2023年11月29日に、米国で組合を持たない自動車メーカー13社(注2)で勤務する約15万人の労働者向けに、組合への加入を促すキャンペーンを開始して以降(関連ブラック ジャック ルール)、フォルクスワーゲン(VW)のテネシー州チャタヌーガ工場を皮切りに、メルセデス・ベンツのアラバマ州タスカルーサ工場、現代自動車の同州モンゴメリー工場で組合結成に向けた動きが発表されている(米テネシー州のVW工場、オンライン、2024年1月17日、米アラバマ州の現代自動車工場、ブラック)。2024年2月6日には、VWのチャタヌーガ工場で工場労働者の50%以上が組合授権カードに署名したと発表された(米テネシー州のVW工場、無料)。
一方で、アラバマ州の商工会議所のアラバマビジネス協議会は1月、「アラバマ・ストロング」と題したキャンペーンを開始し、アラバマ州内での労働組合結成に向けた動きに対して反対を表明している。また、同州のケイ・アイビー知事(共和党)は1月、州内でのUAWの活動に反対を表明しており、2月27日にモンゴメリー商工会議所で行われた演説でも、UAWを「州外の利益団体」と呼び、厳しく批判した(アラバマ・リフレクター2月27日)。
ミシガン州のウェイン州立大学で経営学を専門にするマリック・マスターズ教授によると、組合結成のためには、UAWのキャンペーン開始からの時間の短さが重要だ(注3)。メルセデス・ベンツの同工場では、工場労働者の30%以上の労働者の署名が発表されてから48日での50%到達となり、60日ほどかかったVWのチャタヌーガ工場よりも期間が短い。キャンペーン開始以降、キャンペーン対象の自動車メーカーで70%の閾値(しきいち)に到達した工場はまだないものの、VWのチャタヌーガ工場やメルセデス・ベンツのタスカルーサ工場を中心に、今後の動向に注目が集まっている。
(注1)労働者が労働組合を交渉の際の代表として支持することを示す署名入りのカード。
(注2)今回対象となっている自動車メーカーは、日系のトヨタ、ホンダ、日産、スバル、マツダ、韓国系の現代、欧州系のメルセデス・ベンツ、BMW、VW、ボルボ、米国電気自動車(EV)メーカーのテスラ、リビアン、ルーシッドの13社。
(注3)UAWは「30・50・70戦略」という方針をとっており、50%の労働者が加入を希望すれば、UAWのショーン・フェイン会長や賛同者とともに集会を開き、この取り組みを宣伝するとしている。さらに、70%の労働者がUAWへの加入を希望し、全ての部署やライン、シフトでボランティア組織委員会が設置されると、UAWは当該企業に対し、組合結成の承認を求めるか、投票に持ち込むとしている。
(檀野浩規)
(米国、ドイツ)
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