愛媛県とタミル・ナドゥ州の人材交流、ミッション団が州立大学など訪問
(愛媛、インド)
愛媛発
2024年02月01日
愛媛県は、県内の経済団体と連携し、1月21~26日にインド経済交流ミッション団を派遣した。同ミッション団はタミル・ナドゥ(TN)州立アンナ大学への訪問を通じて学生と対話したほか、技能実習生に関する協定を交わすなど、人材交流強化に向けた取り組みを進めた。
少子化による人手不足や県内企業のブラック ジャック アプリ進出を支えるため、愛媛県はインドからの人材確保に関心を強めている。今回の訪問でTN州と締結した経済協力の覚書()では、技能実習生や製造業に関わるITエンジニアなどの教育・受け入れや、大学など工業系高等教育機関の留学生・研究者の人材交流や共同研究などの促進をうたった。そのほか、ミッション団はインドで人材送り出しや教育にかかわる複数の機関を訪問し、技能実習生の県内への受け入れ拡大を図るため、インド国家技能開発公社(NSDC)と協定書を締結した。
工学系の留学生に期待
TN州は、理工系の著名人を多く輩出していることで知られており(2023年11月27日付地域・分析レポート参照)、ミッション団が訪問したアンナ大学は、インド教育省が発表する国内大学ランキングでも上位に入る(トップ100大学の18位、2023年)。工学系を中心に多数の学部があり、学部生は約1万6,000人、理工系のポストドクター(博士課程を修了した研究者)約1万4,000人を擁する。
同校との交流会では、アンナ大学の代表者としてR・ベルラージ副学長や、就職支援センター(CUIC)担当教授らがミッション団を迎えた。愛媛県の中村時広知事はあいさつで、インドの学生たちへの期待を語り、県内産業の特徴や住みやすさをアピールした。交流会に参加した愛媛大学も留学生向けの日本語講習や就職支援について紹介した。同校の学生約100人が参加した意見交換会では、学生に対し「何を専攻しているか」や「日本への興味」「将来に就きたい仕事」「留学先や就職先の国をどのように決めるか」などを聞き、熱心に質疑が交わされた。
愛媛県では近年、高度外国人材の採用が進んでおり、ジェトロがまとめた「海外ビジネスブラック ジャック」(2023年)によると、県内企業が88人を採用している。同調査の分類では、技能実習生の99人に次いで、高度外国人材が多く、採用人数は増加傾向にある。出身地別では東南アジアからの採用が多く、インドは3人となっている。
また、愛媛大学は留学生の呼び込みやキャリア教育、就職支援を県や地域経済団体などと協力(「愛媛の大学と企業が育てる高度外国人材育成プログラム」)して進めており、文部科学省から「留学生就職促進教育プログラム」の認定を受けた。同大学ではアジア出身者を中心に300人前後の留学生が学んでおり、インドの大学・学生とも交流が進むことが期待される。
(福島美夏、山下純輝)
(愛媛、インド)
ビジネス短信 f5c558264b164f66