UAW、2024年米大統領選におけるバイデン大統領支持を正式に表明
(米国)
ニューヨーク発
2024年01月29日
全米自動車労働組合(UAW)は1月24日、米国首都ワシントンで開催された同組合の全国大会において、2024年米国大統領選挙における現職のジョー・バイデン大統領支持を正式に表明した。
UAWのショーン・フェイン会長は、共和党の有力候補であるドナルド・トランプ前大統領に関し、これまでUAWに対し協力的ではなかったと批判。2019年にゼネラルモーターズ(GM)工場でストライキを行った際、当時の大統領だったトランプ氏は「何も言わず、何もしなかった。なぜなら彼は米国の労働者のことを気にしてはいないからだ」と述べた。トランプ氏を「SCAB(スキャブ)」(労働組合のピケラインを越えてストライキ中に働く労働者を軽蔑する言葉)、「億万長者の代表」と強い口調で非難した。
一方で、バイデン大統領に対しては、2023年9月26日にミシガン州で展開したストライキのピケ現場を大統領として初めて訪問し、賃上げ要求の支持を表明したことや、労働組合の組成を後押しするなどの一連の対応を評価(関連ブラック ジャック オンライン)。「バイデン氏は米国の労働者に賭け、トランプ氏は非難した」と述べ、バイデン支持を強調した。またフェイン氏は、今回の決定は組合役員らの満場一致であり、労働組合はバイデン大統領の再選に向けて「今から活動するつもりだ。われわれは猛烈な勢いで推し進めていく。こうした活動がミシガン州などでは鍵となる可能性がある」と述べた(ロイター1月24日)。
これに対し、バイデン大統領は「組合員の皆さんは(経営が)厳しい局面にあった際に企業を救った。その報酬を得る資格がある」と2023年の労使交渉の成功を称え、今回の支持に感謝を示した。また、これまでブラック ジャック ディーラーに移転した生産を国内に回帰させるよう「バイアメリカ、ビルドアメリカ(注)」を訴え、組合員の大きな賛同を得た。
現在、UAWが発表する組合員数は現職が40万人超、退職者は58万人超となっている。そのうち52%は部品メーカーを含む自動車製造業の従事者が占める。オハイオ州の渉外関連コンサルタントで元UAWスポークスパーソンのブライアン・ローゼンバーグ氏によると、通常は、(選挙年の)春から初夏にかけて、組合員の30%が共和党、30%が民主党を支持し、残りの40%が浮動票で、その後は投票日までに、UAW会員と退職者の60%が民主党に投票するという。また同氏は、今回のUAWによるバイデン支持表明は、これまで以上に、共和党に投票してきた労働組合未加盟の労働者の白人男性にも影響を与える可能性があると述べた(AP通信1月24日)。
(注)2021年11月に成立したインフラ投資雇用法(IIJA)に含まれるかたちで成立した「BABA法」に由来する()。
(大原典子)
(米国)
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