米サンフランシスコ市当局、加州の自動運転車(AV)配車サービス拡大の決定に一時停止を申し立て
(米国)
サンフランシスコ発
2023年08月24日
米国サンフランシスコ市の法定代理人は8月17日、市内での商用利用を目的とした自動運転車(AV)配車サービスの事業拡大の決議を承認したカリフォルニア州公益事業委員会(CPUC)の8月10日の決定に対し(2023年8月18日記事参照)、一時停止と再審理を求める行政申し立てを行った。この CPUCの決議決定は、自動運転車(AV)配車サービスを展開するクルーズ(本社:カリフォルニア州サンフランシスコ)とウェイモ(本社:カリフォルニア州マウンテンビュー)にサービス提供可能なエリアや運行時間、車両サイズに制限のない商業拡大を許可するものだ。さらに両社は、商用利用可能なAVの数を劇的に増やす計画を公言していた。
今回の一時停止を求める理由として、AVの性能不足が安全上の危険性をもたらすことが挙げられた。両社は過去に救急隊の活動、公共交通機関、道路工事作業員、交通の流れを妨げているという報告が数多くなされていた(2023年7月20日記事参照)。同決議の採決を巡っては、上記の理由から2度延期をされていた(2023年7月6日記事参照、2023年7月20日記事参照)。
サンフランシスコ監視委員会委員長のアーロン・ペスキン氏は「サンフランシスコ市は、CPUCによる無制限のAVサービス拡大の認可の即時停止を求めている。この誤った決定がもたらすリスクと影響を、私たち市民と観光客が負担し続けるべきではない」と述べた。サンフランシスコ消防署長のジェニーン・ニコルソン氏もまた「今回の決定は、根本的な問題を何一つ解決することなく、業界の拡大を容認するものだ。トラブルはなくならないし、むしろ増えている」と述べた。
(濱真奈)
(米国)
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