燃料と天然ガスに対する特別消費税引き上げ
(トルコ)
イスタンブール発
2023年07月24日
トルコの7月16日付官報によると、ガソリンなどの燃料と天然ガスの特別消費税(SCT)が引き上げられた(添付資料表参照)。政府が7月に入って進めている増税策(関連ブラック ジャック コツ、関連ブラック ジャック ゲーム)の一環だ。
国庫・財務省は、税率引き上げの理由を、2023年2月の大震災による影響を軽減するため、また、原油価格の上昇と通貨トルコ・リラの下落にもかかわらず、2016年以降ほとんど増税してこなかったためとしている。同省はまた、税率を引き上げても、トルコの燃料価格は欧州で4番目に安いとしている。
エネルギー市場規制機構(EPDK)は、本措置による天然ガスの価格への反映は0.06リラの引き上げにとどまるとした(7月16日付「Bloomberg HT」)。
2023年上半期(1~6月)の税収のうち、付加価値税(VAT)は30.3%、特別消費税(SCT)は20.3%で、合わせて50.6%となっている。
業界・専門家からは、燃料と天然ガスのSCTの引き上げは、交通費の上昇、輸送コストの増大に伴う製品価格の上昇、家庭用ガス価格の上昇、ガス発電コスト増による電気価格の上昇につながり、工業生産コストが製品価格に反映され、物価が上昇、抑制傾向にあったインフレが再び上昇に転じるといった懸念が出ている。7月7日に発表されたVATの引き上げも含め、間接税は国民の収入の多寡にかかわらず徴収されるもので、低所得層に対する配慮が欠けているとの見解もみられた(7月16日付「Patronlar Dunyasi」)。
これら一連のVAT、SCTなどの税率引き上げの影響で、7月の消費者物価指数(CPI)は、最低でも前月比で10%の上昇になるとの試算もある(7月17日付「エコノミム」)。また、コチ大学経済学部のセルバ・デミルアルプ教授は、リラの下落、最低賃金や公務員の給与の引き上げ、燃料価格の上昇の全ての要素を考慮すると、2023年末のCPI上昇率が70%に達する可能性があるとしている。
(エライ・バシュ)
(トルコ)
ビジネス短信 5906464a3f985e3f