伊藤忠商事、米水力タービン製造・メンテナンス会社アメリカンハイドロを買収

伊藤忠商事は5月29日、海事やエネルギー関係の革新技術を有するフィンランド大手のバルチラ（本社：ヘルシンキ）から、北米で水力タービンの製造およびメンテナンス事業を展開するアメリカンハイドロ（本社：米国ペンシルベニア州ヨーク市）の全株式、およびバルチラがカナダに保有する関連資産を取得したと発表した。

発表によると、アメリカンハイドロは、北米に約2,000カ所以上あるとされる水力発電所向けに、水力タービンおよび関連設備における設計・製造・メンテナンスサービスを単独で提供することが可能だ。同社はこれまでに700基以上のタービン納入を含むメンテナンス契約の実績があり、高品質なサービスを提供している。同社の今後の運営は、伊藤忠商事の米国子会社インダストリアスグループ（本社：オハイオ州）を通じて行い、北米の老朽化したインフラ設備へのメンテナンスサービスの需要の高まりを捉え、同地域における機器メンテナンス事業の拡大を目指すという。

伊藤忠商事は、今後のさらなる脱炭素化と、インフラ設備をより長く使用することを目指す北米において、インダストリアスグループを通じて、再生可能エネルギー関連インフラ向けに高品質なサービスを提供することで、持続可能な社会への貢献を目指す方針だ。

伊藤忠商事は米国で脱炭素化の取り組みを進めており、1月には米国の持続可能な航空燃料（SAF）製造企業レイヴェンと、全日本空輸（ANA）、日本航空（JAL）向けにSAF供給で合意（）、また2月にはテキサス州で建設中のプレイリー・スイッチ風力発電所への出資（2023年2月16日記事参照）を発表した。

（沖本憲司）