第1四半期の乗用車生産台数は前年同期比31.5%増
(チェコ)
プラハ発
2023年04月21日
チェコ自動車工業会の4月17日の発表によると、2023年第1四半期(1~3月)の国内乗用車生産台数は前年同期比31.5%増の35万3,770台だった。新型コロナウイルス感染拡大前の2019年第1四半期の36万3,052台には届かなかったものの、2020年以降で最高を記録した(添付資料図参照)。
同工業会のマルチン・ヤーン会長はこれに関して、「部品不足による生産停止の発生にもかかわらず、乗用車メーカーが2019年第1四半期に近い生産実績をあげたことは、自動車産業のみならず、経済全体にとって素晴らしいニュースだ」と述べている。今後の展望に関しても、同会長は楽観的な見通しを示しており、部品不足とサプライチェーンの混乱状況は徐々に改善され、需要と供給が均衡した状態に戻っていくとみている。一方で、状況改善には「非生産的な市場の規制を回避することが重要」と指摘し、こうした規制の例として次期排ガス規則案「Euro7(ユーロ7)」を挙げている。
2023年第1四半期における実績をメーカー別にみると、最大メーカーのシュコダ・オート〔フォルクスワーゲン(VW)グループ〕の生産台数は23万1,652台で前年同期比42.4%増大した(添付資料表参照)。特に輸出が好調で、46.8%増加した。同社はロシアのウクライナ侵攻以降、ロシアに代わる国外市場の開拓に積極的に取り組んでいる(チェコ自動車大手シュコダ・オート、トランプ)。特に、インドへの輸出は2022年には前年の2.3倍に増大し、ドイツに次ぐ第2の国外市場となっている。また、2021年11月の「ヤリス」の生産開始に加えて()、2022年3月に新モデル「アイゴX」の製造を開始したトヨタ・モーター・マニュファクチャリング・チェコ(TMMCZ)の生産台数は5.2%増の3万3,818台だった。国内販売台数は1,062台で、前年より倍増している。現代チェコの生産台数は18.8%増の8万8,300台で、堅調な伸びを示した。
一方、電気自動車(EV)の生産台数は、バッテリー電気自動車(BEV)が2万9,928台(前年同期比96.9%増)、プラグインハイブリッド車(PHEV)が1万1,393台(18.4%増)で、計4万1,321台だった。全生産台数に占める割合は11.7%で、前年同期の9.2%、前四半期(2022年10~12月)の11.4%から増大した。
(中川圭子)
(チェコ)
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