トヨタ、チェコで「ヤリス」生産開始、ハイブリッドモデルも導入
(チェコ)
プラハ発
2021年11月12日
トヨタ・モーター・マニュファクチャリング・チェコ(TMMCZ、本社:コリーン市)は11月9日、従来のAセグメントの小型車「アイゴ」に加えて、Bセグメントのコンパクトカー「ヤリス」の生産を開始したと発表。これにより、トヨタは、トヨタ・モーター・マニュファクチャリング・フランス(TMMF)にTMMCZを加えた欧州2拠点で「ヤリス」を製造することとなった。
TMMCZは、トヨタとグループPSA(フランス)との合弁会社だったトヨタ・プジョー・シトロエン・オートモビル・チェコ(TPCA)が、2021年1月にトヨタの欧州総括会社トヨタ・モーター・ヨーロッパ(TME、本社:ブリュッセル)の完全子会社に移行して成立したものだ(関連ブラック ジャック やり方)。
TPCAは「アイゴ」を含む3種類の小型乗用車を製造していたが、2020年1月に「ヤリス」の新規生産計画を発表し、同年上半期から設備刷新と人員増に本格的に着手していた。準備は既に2018年末に開始しており、トヨタ自動車が開発した、基本性能と商品力の向上を目的とした車両作りのシステム「TNGA(Toyota New Global Architecture)」(注)の導入、生産キャパシティーの拡大などへの総投資額は、45億コルナ(約234億円、1コルナ=約5.2円)に達している。「過去3年間にわが社は製造スペースの拡張、ロジスティックス・ルートの再調整、設備の刷新、約1,600人の新規雇用を実現した」と、TMMCZの青木是篤社長は説明している。同社の現在の雇用者数は約4,000人に上る(「11月10日CTK「Business News」)。
TMMCZでは、「ヤリス」のほか、2022年には小型車「アイゴ」の新モデル「アイゴX」の生産開始も予定している。「ヤリス」に関しては、ガソリンモデルに加えて、ハイブリッドモデルも生産する。ハイブリッド車用のエンジンは、ポーランドの生産拠点トヨタ・モーター・マニュファクチャリング・ポーランド(TMMP)から調達する。
「アイゴ」は大半が国外向けで、2021年1~10月の国内新規登録台数が656台にとどまっているのに対して、「ヤリス」はチェコ国内でも人気が高く、同期の新規登録台数は1,349台で、車種別で24位、コンパクトカー部門では4位となっている。一方、ハイブリッド車の売り上げも急増しており(2020年の乗用車登録台数、ブラック ジャック)、2021年1~10月のハイブリッド車の新規登録台数は1万8,641台で、既に前年通年の1万2,674台を大幅に上回っている。この傾向も相まって、今後「ヤリス」の国内売上がますます上昇することが期待される。
(注)TNGAは、車の設計思想から変えていく取り組みで、パワートレーンユニット(エンジン、トランスミッション、HEVユニット)とプラットフォーム(車台)を刷新し、一体的に新開発することで、車の基本性能の飛躍的向上を目指す。
(中川圭子)
(チェコ)
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