一連の米銀行破綻などの経済的影響を6割強が懸念、世論調査

(米国)

米州課

2023年03月27日

米国における一連の銀行破綻などを受けて(2023年3月13日3月14日記事3月17日記事参照)、6割強が経済的影響を懸念していることが世論調査からわかった。

米国ハーバード大学アメリカ政治研究センターとハリス・インサイト・アンド・アナリティクスは3月24日、銀行破綻の影響などに関する世論調査結果(注1)を発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。それによれば、一連の銀行破綻などの経済的影響を「懸念する」と回答した割合は63%(「非常に懸念する」16%、「いくらか懸念する」47%)だった。2008年のリーマン・ショックと同様の銀行危機が起こることについては、「懸念する」が55%(「非常に懸念する」13%、「いくらか懸念する」42%)となった。

金融危機を引き起こすことなく一連の銀行危機に対処する能力に関しては、バイデン政権の能力に「確信がある」と47%が回答した。米国連邦準備制度(FED)については「確信がある」と回答したのは62%とバイデン政権を上回った。FRBは3月の連邦公開市場委員会(FOMC)においても、インフレを抑えるために政策金利の引き上げを決定したが(2023年3月23日記事参照)、銀行危機を受けて金利引き上げを「やめるべき」とする割合が63%と「続けるべき」(37%)を大きく上回った。

経営破綻したシリコンバレー銀行(SVB)の取引先には、テクノロジー系のスタートアップが多いことを「知っていた」と59%が回答した。また、SVBの破綻は、最終的に米国のハイテク部門や技術競争力を高めることを阻害することになると半数(50%)が回答した。

メディアのAPとシカゴ大学NORC公共問題調査センターが3月22日に発表した世論調査外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(注2)によれば、銀行および金融機関を「強く信頼している」とする割合は10%と、2020年の調査時(22%)から大きく低下していることがわかった。「いくらか信頼している」が57%と多数を占めたが、「ほとんど信頼してない」が30%だった。

また、米国の経済状況および米国の全体の状況についてそれぞれ54%、55%が「悪化する」と回答した。「改善する」と回答したのは、それぞれ18%、15%にとどまった。

(注1)実施時期は2023年月3月22~23日、対象者は全米の登録有権者2,905人。

(注2)実施時期は2023年3月16~20日。対象者は全米の成人1,081人。

(松岡智恵子)

(米国)

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