水素・アンモニア分野に期待集まる、2022年度ブラック ジャック ディーラー進出日系企業実態調査(中東編)

(中東、アラブ首長国連邦、トルコ、サウジアラビア、イスラエル、イラン、カタール、ヨルダン、クウェート、バーレーン、オマーン)

中東アフリカ課

2022年12月21日

ジェトロは12月20日、2022年9月8~30日に中東10カ国(注1)に進出する日系企業を対象に実施した「」の結果を発表した(ビジネスコスト上昇などで黒字企業の割合が減少、21)。その中から、「有望ビジネス分野」についての調査結果を紹介する。

駐在国もしくは中東市場で今後有望視するビジネス分野を聞いたところ(複数回答可)、中東10カ国全体では、「資源・エネルギー」が51.4%で前年に引き続き最多。「インフラ」(38.6%)、「消費市場」(31.9%)が後に続いた。国別に見ると、イスラエルでは「新産業」が90.9%(前年比15.9ポイント増)で最多だったが、その他の国では「資源・エネルギー」が最多。トルコ、イランでは「消費市場」、アラブ首長国連邦(UAE)、サウジアラビア、ヨルダンでは「インフラ」が2位となった。

「資源・エネルギー」分野の内訳を見ると、対象国全体で「水素」(69.2%)、「燃料アンモニア」(67.3%)、「再生可能エネルギー(太陽光)」(54.8%)といった脱炭素関連が上位を占めた。UAE、サウジアラビアでは「水素」と「燃料アンモニア」、トルコでは「再生可能エネルギー(太陽光・風力)」が上位を占める。水素・アンモニアの輸出プロジェクトに積極的に取り組んでいるサウジアラビア(特集:COP27に向けて注目される中東・アフリカのグリーンビジネス循環型炭素経済を目指し、ブラック)と、UAE(2022年11月11日付地域・分析レポート参照)は、今後の注目国を聞く設問で前年に引き続き1位、2位となっており、両国の脱炭素関連事業に期待する声が多く挙げられた(注2)。

「インフラ」分野では、対象国全体で「電力」(68.0%)、「水」(61.3%)、「都市開発」(44.0%)が上位を占めた。特にトルコでは約9割の企業が「電力」と回答した。

「消費市場」分野では「食品」(48.4%)が最多となった。「新産業」分野では「IoT(モノのインターネット)」(56.8%)、「電気自動車(EV)」(56.8%)が上位を占めたが、イスラエルでは「AI」が9割と、高い関心が寄せられた。

(注1)アラブ首長国連邦(UAE)、サウジアラビア、トルコ、イラン、イスラエル、ヨルダン、カタール、クウェート、バーレーン、オマーンの10カ国。245社に回答を依頼し、224社から有効回答を得た(有効回答率91.4%)。

(注2)中東地域のグリーンエネルギーに関する取り組みについては、地域・分析レポート特集「」も参照。

(久保田夏帆)

(中東、アラブ首長国連邦、トルコ、サウジアラビア、イスラエル、イラン、カタール、ヨルダン、クウェート、バーレーン、オマーン)

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