ハーベック経済相、自動車産業の構造転換について専門家と議論

(ドイツ)

ミュンヘン発

2022年10月25日

ドイツのロベルト・ハーベック経済・気候保護相は10月10日、自動車産業の構造転換に対して提言する「自動車産業構造転換」専門家委員会と会合を行った外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。ハーベック経済・気候保護相は同委員会の活動状況について報告を受けるとともに、同委員会が重点を置くテーマについて委員と議論した。

「自動車産業構造転換」専門家委員会は、2021年11月に合意した連立与党の連立協定書で創設が合意されていたもの()。連立協定書を受け、2022年6月末に委員会外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが発足した()。委員会の目的は、以下のテーマについて議論の上、政界、産業界、社会に具体的な提言をすることにある。(1)気候中立目標の達成、(2)自動車産業の国内における生産、付加価値、雇用と職業訓練の維持、(3)国際競争力の強化、(4)研究開発・イノベーションの状況改善、(5)地方の構造転換への対応、(6)構造転換に必要なインフラの特定と構築、(7)一方的な従属関係の軽減(メーカーとサプライヤーの関係)。

委員は、アーヘン工科大学、フラウンホーファー研究所などの大学・研究機関、民間企業(フォルクスワーゲン、ボッシュ)、ドイツ自動車産業連合会(VDA)などの業界団体、労働組合などの13人。委員長はカールスルーエ工科大学のイナ・シェーファー教授、および、ミュンヘン大学教授で、政府の経済諮問委員会(通称「五賢人委員会」)委員長でもあるモニカ・シュニッツァー氏が共同で務める。

今回開催された専門委員会では、今後、以下の重点テーマに関する専門部会を設置、議論を進めていくことになった。(1)自動車バリューチェーンの脱炭素化、(2)「スマートカー」のためのソフトウエア・デジタル化・自動運転、(3)自動車バリューチェーンや供給網のレジリエンス構築、(4)構造変化の視点からの雇用・職業訓練など、(5)規格化・標準化。専門部会では、それぞれの分野の専門家が委嘱され議論、その結果が専門委員会に報告される予定だ。

ドイツでは、乗用車の電動化によって、「欧州で2040年までに、主として内燃機関搭載車などに使われる部品関連で約58万人の雇用が失われる」(関連ブラック ジャック サイト)、「2025年までに少なくとも17万8,000人、2030年までに少なくとも21万5,000人の雇用に影響が出る」(ifo経済研究所、ブラック ジャック)などの研究結果が発表されている。自動車メーカーは国内工場の電動化を進めており(関連ブラック ジャック カード2021年3月23日記事参照)、国内で創出される付加価値や雇用をいかに維持するかが課題となっている。

(高塚一)

(ドイツ)

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