米連邦超党派議員団5人が蔡英文総統と会談、経済面では半導体産業について意見交換
(米国、台湾、中国)
米州課
2022年08月16日
エドワード・マーキー上院議員(民主党、マサチューセッツ州)ら米国連邦議会超党派の議員団5人(注)が8月15日、台湾で蔡英文総統、呉釗燮外交部長らと会談した。マーキー議員の公式ウェブサイトによると、議員団と蔡総統らは、台湾の平和と安定への支援を含む広範な話題について意見交換をした。台湾の安定に加え、半導体産業への投資を含む米国と台湾の経済関係の深化についても議論した。マーキー上院議員らは14日から台湾を訪れていた(2022年8月15日記事参照)。
蔡総統らとの会談に加え、マーキー議員は、台湾積体電路製造(TSMC)の代表とも会談し、半導体サプライチェーンの改善と米国への同産業の投資について議論した。バイデン政権は、半導体をサプライチェーン強化のための重要な分野の1つに指定しているほか、8月9日にはバイデン大統領が、半導体産業への資金援助を可能とする半導体インセンティブ制度CHIPSが含まれている「CHIPSおよび科学(CHIPSプラス)法案」に署名している(2022年8月10日記事参照)。今回の会談において、経済面で取り上げられている具体的な分野は半導体のみであり、政権、議会双方ともに同産業を重要視している姿勢がうかがえる。なお、TSMCは2020年5月に、米国アリゾナ州フェニックス市に新工場建設を発表している(2022年6月28日付地域・分析レポート参照)。
一方で、ナンシー・ペロシ下院議長に続く、今回の米国の議員団の訪台により、中国からの一層の反発も懸念される。
(注)マーキー議員のほか、ジョン・ガラメンディ下院議員(民主党、カリフォルニア州)、ドン・ベイヤー下院議員(民主党、バージニア州)、アラン・ロ―ウェンタール下院議員(民主党、カリフォルニア州)、アマタ・コールマン・レイドワーゲン下院議員(共和党、米領サモア)。
(赤平大寿)
(米国、台湾、中国)
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