米連邦超党派議員団5人が台湾訪問、ペロシ下院議長訪台からわずか12日
(米国、中国、台湾、韓国)
米州課
2022年08月15日
エドワード・マーキー上院議員(民主党、マサチューセッツ州)ら米国連邦議会超党派の議員団5人(注)が8月14日、台湾を訪問した。15日まで滞在する。ナンシー・ペロシ下院議長(民主党、カリフォルニア州)が訪台(2022年8月3日記事参照)してからわずか12日での米議員団の台湾訪問となった。
マーキー議員は自身の公式ウェブサイトにおいて、台湾への訪問は、台湾関係法などに基づき米国の対台湾支援を再確認するとともに、台湾海峡の緊張緩和、半導体への投資を含む経済協力の拡大などについて、台湾の政治家やビジネスリーダーと議論すると表明している。米議員団一行は、蔡英文総統とも15日午前に会談すると報じられている(ロイター8月14日)。
一方で中国は、ペロシ下院議長の訪台を受けて軍事演習を活発化させるほか、8つの対抗措置を発表している(2022年8月9日記事参照)。今回の議員団の訪台で一層、中国による反発が予想される。米国国家安全保障会議(NSC)のカート・キャンベル・インド太平洋調整官は8月12日、記者団へのブリーフィングの中で、中国の反発に対して「中国は過剰に反応し、その行動は挑発的でかく乱的で、前代未聞」と非難する一方で、台湾に対しては、「貿易協議のロードマップを作成しており、数日中に発表する予定がある」と関係強化の姿勢を示している。米国と台湾は6月に、「21世紀の貿易に関する米国・台湾イニシアチブ」を立ち上げている(2022年6月2日記事参照)。
なお、マーキー議員ら議員団一行は、台湾訪問前に韓国を訪問しており、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領をはじめ、韓国の政界、産業界の要人とも会談した。米国と韓国の企業は、電気自動車(EV)の一層の普及、韓国企業による太陽光モジュールの米国での生産などでグリーン化を共に推進していると述べている。
(注)マーキー議員のほか、ジョン・ガラメンディ下院議員(民主党、カリフォルニア州)、ドン・ベイヤー下院議員(民主党、バージニア州)、アラン・ロ―ウェンタール下院議員(民主党、カリフォルニア州)、アマタ・コールマン・レイドワーゲン下院議員(共和党、米領サモア)。
(赤平大寿)
(米国、中国、台湾、韓国)
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