IPEF創設メンバー数を米識者評価、米大統領の台湾防衛発言に米メディア反応
(米国、日本、台湾、中国)
ニューヨーク発
2022年05月24日
米国のジョー・バイデン大統領の訪日に関して、日米首脳会談(、同日別記事参照)と「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」の立ち上げ(関連ブラック ジャック アプリ)が行われた直後となる米国時間5月23日時点での、米識者・メディアなどの反応を報告する。
識者については、バイデン大統領が立ち上げを宣言したIPEFに関するコメントが目立った。米シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)のウィリアム・レインシュ上級顧問らは5月23日付の論考で、IPEFの創設メンバーが事前の予想よりも多くなったことに言及した。特に、韓国やインドに加え、ASEANから7カ国が加わったことの意義を強調し、IPEFが4つの柱で構成される分散型のアプローチを取っていることが奏功したと評価した。一方で、IPEFで掲げられた目的の達成手段やどの国がどの柱の議論に参加するかが不透明とも指摘。バイデン政権が今後いかに効果的に正式な交渉に移行し、参加国の関与と意味あるコミットメントを引き出せるかが焦点になると論じた。また、オバマ政権で米国通商代表部(USTR)次席代表代行を務めた、アジア・ソサエティ政策研究所(ASPI)のウェンディ・カトラー副所長は、自身のツイッターで「バイデン政権は(インド太平洋)地域から多くのIPEF参加国を引き入れ、全ての期待を上回った」と評価。その上で、これからIPEFの基準を巡って難しい交渉が始まるとの見方を示した。
米国の主要メディアは、バイデン大統領が岸田文雄首相との会談後に行った共同記者会見で、台湾が武力攻撃を受けた場合に、台湾を防衛すると発言した点をこぞって取り上げた。ニューヨーク・タイムズ紙(電子版、5月23日)は、中国との間に新たな緊張を呼び起こすと評するとともに、その場にいた政権内の高官さえも驚かせたと報じている。ホワイトハウスはその直後に、米国政府の台湾に関する従来の政策方針、いわゆる「戦略的曖昧さ」に変更はなく、大統領の発言は1つの中国政策と台湾海峡における平和と安定性に対するコミットメントを強調したに過ぎないとの声明を記者向けに回覧したとされる。しかし、ワシントン・ポスト紙(電子版、5月23日)は、バイデン大統領が日韓を訪問し、西側諸国がウクライナを巡りロシアと対立しているという現下の文脈を考えれば、同大統領の発言はより強い反響を呼び、地域の他の国々からの反応を促すものだと評している。
(磯部真一、甲斐野裕之)
(米国、日本、台湾、中国)
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