米タロス、カーボンバート、シェブロンの3社、テキサス州沖合のCCS事業拡張で合意

(米国)

ヒューストン発

2022年05月27日

米国石油ガス開発のタロス・エナジー(本社:テキサス州ヒューストン)、二酸化炭素(CO2)回収・貯留(CCS)開発のカーボンバート(本社:デラウェア州ドーバー)、米国石油大手シェブロンの子会社シェブロンU.S.A.(本社:カリフォルニア州サン・ラモン)は5月24日、テキサス州東部ジェファーソン郡沖合のバイユーベンドCCS事業についての正式契約を締結し、2022年5月1日付で合弁会社の拡張を完了したと発表した。3社は本事業の連携に向け、5月3日に覚書を締結したが、正式契約には至っていなかった。シェブロンが5,000万ドルを資本増強することで、合弁会社の出資比率は、シェブロン50%、タロス25%、カーボンバート25%となる。タロスが本事業の主たる運営者となるとしている。

タロスとカーボンバートは2021年8月25日に、本事業の用地についてのリース権を落札したと発表していた(2021年8月27日記事参照)。事業用地は、総面積が4万エーカー(約162平方キロ)以上で、テキサス州のメキシコ湾沖合に位置している。テキサス州とルイジアナ州のメキシコ湾沿岸で排ガスの多い産業集積地に近い。タロスによる本事業用地に関する事前調査の結果では、この産業集積地から約2億2,500万~2億7,500万トンのCO2を貯蔵できると予測している。

米国でのCCSに向けた最近の動きとして、2022年5月18日に、石油ガスパイプライン輸送を担う米国のトールグラス・エナジー・パートナーズ(本社:カンザス州リーウッド)は、米国の穀物メジャーのアーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM、本社:イリノイ州シカゴ)が保有するネブラスカ州コロンバスのトウモロコシ加工施設から発生するCO2を回収し、トールグラスの東ワイオミング貯留ハブに輸送して永久的に地下貯留するCCS事業を発表している(石油ガスパイプライン輸送の米トールグラス、ネブラスカ州で穀物由来のCCSプロ実写)。また、2022年5月23日には、米国エネルギー企業センプラの子会社センプラ・インフラストラクチャー(本社:カリフォルニア州サンディエゴ)は、ルイジアナ州におけるCCS事業の開発について、フランスのトタルエナジーズ、三井物産、三菱商事と参加契約を締結したことを発表した(関連ブラック ジャック ディーラー)。

(沖本憲司)

(米国)

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