米センプラや三井物産、米キャメロンLNGプラント近接地でCCS事業推進

(米国、フランス、日本)

ヒューストン発

2022年05月26日

米国エネルギー企業センプラの子会社センプラ・インフラストラクチャー(本社:カリフォルニア州サンディエゴ)は5月23日、ルイジアナ州での二酸化炭素(CO2)の回収・貯留(CCS)事業について、フランスのトタルエナジーズや三井物産、三菱商事と参加契約を締結したと発表した。

センプラ・インフラストラクチャーは4月4日、同州ハックベリー地区の液化天然ガス(LNG)事業のキャメロンLNG(注)フェーズ2プロジェクトについて、トタルエナジーズ、三井物産、ジャパン・LNGインベストメント(三菱商事と日本郵船が共同出資)と基本合意書を締結したと発表していた(米キャメロンLNGプロ実写 版)。

三井物産によると、今回のCCS事業は、主にキャメロンLNGプロジェクトのプラントから排出されるCO2を同プラントの近接地に地中貯留するもので、LNG製造時に排出される温室効果ガスの削減に貢献するものだとしている。また、周辺地域の産業施設などから排出されるCO2の受け入れ、地中貯留の可能性も検討するとしている。

同事業に先立ち、2021年、CCS事業予定地の圧入井掘削と、年間200万トンのCO2貯留に関して、米国環境保護庁宛に許認可を申請している。

米国でのCCSに向けた最新の動きとしはて、5月18日に石油ガスパイプライン輸送を担う米国のトールグラス・エナジー・パートナーズ(本社:カンザス州リーウッド)が、米国の穀物メジャーのアーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM、本社:イリノイ州シカゴ)が保有するネブラスカ州コロンバスのトウモロコシ加工施設から発生するCO2を回収し、トールグラスの東ワイオミング貯留ハブに輸送して永久的に地下貯留するCCSプロジェクトを発表している(石油ガスパイプライン輸送の米トールグラス、ネブラスカ州で穀物由来のCCSプロ実写)。

(注)キャメロンLNGは米センプラが50.2%、三井物産、ジャパン・LNGインベストメント(三菱商事と日本郵船の合弁企業)、フランスのトタルエナジーズの3社がそれぞれ16.6%を出資して設立した共同出資企業。キャメロンLNGが保有・運営するキャメロンLNG基地で、LNGを生産・輸出する事業は2019年5月から本格化しており、第1フェーズ(第1~第3系列、各400万トン)で年間1,200万トンの天然ガスを液化生産・輸出する(関連ブラック ジャック ブラック)。

(沖本憲司)

(米国、フランス、日本)

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