ハイテク技術見本市「CES 2022」、米メーカーが需要にらんだEV車両発表
(米国)
ニューヨーク発
2022年01月17日
1月3~7日に米国ネバダ州ラスベガスで開催された国内最大のハイテク技術見本市「CES 2022」(ハイテク技術見本市「CES 2022」、自国・地域のスタートアップや21)では、自動車関連企業400社以上(注1)が複数の会場に出展し、駆動列の電動化や自動運転機能、新たなデジタル機能などに焦点を置いた展示や記者発表などが行われた。
CESは1967年から毎年開催され、かつてはテレビやオーディオなどの消費者向け家電が中心だったが、従来のオートショーからCESに発表の場を移す自動車関連企業も多い。連邦政府が2021年来から掲げる地球温暖化対策などに基づき、自動車メーカーが次々と電動化戦略を発表する中、専門紙は今回のCESについて「(以前までとの)重要な違いが1つある。消費者がますますEV(電気自動車)を購入しているという点だ」(オートモーティブニュース1月3日)と報じており、特に電動化分野でこれまで以上に市場のニーズに即した製品や技術が並んだ(米国以外のメーカーや車載機能などについては、関連ブラック ジャック ゲーム)。
米系メーカーではゼネラルモーターズ(GM)が2023年春に発売予定のバッテリー式電気自動車(BEV)のピックアップトラック「シルバラード」を発表。モデル別販売台数で全米3位(注2)の人気車種を電動化することでEV市場のシェア拡大を狙う。同社開発のアルティウムバッテリーを搭載し、充電1回の航続距離は400マイル(約643.7キロ)と、既に生産を開始しているフォードのBEVピックアップトラック「F150ライトニング」を超える長さだ。「シルバラード」のメーカー希望小売価格は、現在の米国の平均車両販売価格(注3)と同水準の3万9,000ドルからに設定し、販売開始は2024年夏以降を予定している。GMのメアリー・バーラ会長兼最高経営責任者(CEO)は基調講演で、自動車市場は電動化への転換点にあるとした上で、「間違いなくこれは(EV化進行の)ムーブメントだ」と述べ、同社のEVへのシフトにかける意気込みを強調した。
また、デトロイト3の中では電動化が遅れていたステランティスは、BEVコンセプトカー「エアフロー」を発表。同モデルが製品化すれば、米系3社の主力車種でのBEVが出そろうかたちとなる。さらに、2020年に上場した新興企業のフィスカーがマグナ社との提携で生産するスポーツ用多目的車(SUV)のBEV「オーシャン」を披露(2020年7月17日記事参照)。最低価格を3万ドル台後半に抑え、2022年秋以降に生産を開始してEV市場への参入を狙う。そのほかのスタートアップでは、カリフォルニア州のINDI EVが車内にゲーム機能を搭載したBEV「INDI ONE」を披露し注目を集めた。
(注1)CES発表による出展企業数。
(注2)2021年実績。
(注3)2021年第4四半期(10~12月)の米国の新車の平均車両販売価格は4万1,149ドル(2022年1月12日記事参照)。
(大原典子)
(米国)
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