ハイテク技術見本市「CES 2022」、米国外メーカーのEV参入進む

(米国、ベトナム、日本、韓国)

ニューヨーク発

2022年01月17日

1月3~7日に米国ネバダ州ラスベガスで開催された国内最大のハイテク技術見本市「CES 2022」では、米系自動車メーカーに加えて、米国以外のメーカーもバッテリー電気自動車(BEV)を披露した()。

ベトナム最大の自動車メーカーVinFast(ビンファスト)はスポーツ用多目的車(SUV)モデルのBEV5車種を披露するとともに、2022年末までにガソリン車の生産を廃止してEVメーカーに移行することを発表した。2022年末までに米国で販売開始を予定しており、予約者には3,000~5,000ドルの割引を提供するなど、強力な販売促進により米国EV市場への早期参入を狙う。日系メーカーでは、ソニーがBEVの新たなコンセプトカー「Vision-S 02」を紹介するとともに、市場参入を見据えて2022年春に新会社「ソニーモービリティ」を設立すると発表し、会場を沸かせた。

写真 VinFastのBEV「VF9」(写真左)、ソニーのBEV「Vision-S」(写真右)(ともにブラック ジャック ゲーム ルール撮影)

VinFastのBEV「VF9」(写真左)、ソニーのBEV「Vision-S」(写真右)(ともにジェトロ撮影)

そのほか、車載機能に関しては、三井化学がドライバーの体調や感情を感知するセンサー「ピエゾラ」を展示。耐熱性の高さを特長に自動運転車を含めた車両への搭載を目指す。

旭化成もシートに埋め込まれた薄型電極によるドライバーの身体異常などを検知する技術や、タッチフリーのアルコールセンサーなどを発表するなど、ヘルステック分野での日系企業の参入も目立った。

韓国勢が健闘

韓国勢では、LGエレクトロニクス、サムスン電機、現代グループなどの大手メーカーを含む430社以上が出展した(注)。自動車関連企業も、モビリティー関連企業が約150社集まる1つの会場の中で、現代自動車や建機メーカーのドゥサンなど大手のほか、自動運転技術のスタートアップなど25社が韓国企業で占めていた。中でも現代自動車は、鄭義宣(チョン・ウィソン)会長が記者発表に登壇し、個人の物理的な移動からロボティックスによる仮想空間での移動「メタモビリティー」を紹介するなど、同社の長期的な事業コンセプトを発表し、EV化をアピールする他メーカーとは一線を画すかたちとなった。また、四足歩行ロボットのデモなどを展示した同社ブースは長蛇の列が途切れることなく、人気を博していた。

写真 現代自動車のブースに並ぶ長蛇の列(ブラック ジャック ゲーム ルール撮影)

現代自動車のブースに並ぶ長蛇の列(ジェトロ撮影)

(注)CES発表による出展企業数。

(大原典子)

(米国、ベトナム、日本、韓国)

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