米議会や産業界、ブラック ジャック オンライン
(米国)
米州課
2021年12月01日
米国連邦議会や産業界から、バイデン政権に対して、インド太平洋地域のデジタル貿易協定締結を促す声が相次いでいる。下院外交委員会のアジア・太平洋・中央アジア・不拡散小委員長を務めるアミ・ベラ議員(民主党、カリフォルニア州)は11月22日、キャサリン・タイ米国通商代表部(USTR)代表らに宛てた19日付の書簡で、インド太平洋地域のパートナー国とデジタル貿易協定を追求するよう要請したと明らかにした。書簡には同小委員会の少数党筆頭委員のスティーブ・シャボット議員(共和党、オハイオ州)ら23人の議員も署名し、超党派による内容となっている。書簡では、米国と価値観を必ずしも共有しない他国が地域の経済関係の将来を左右する交渉を主導していると警告する一方、「インド太平洋の同志国とのデジタル貿易協定締結は同地域での米国の経済的リーダーシップを拡大する、またとない機会」と強調。現地メディアが報じたバイデン政権によるデジタル貿易協定の構想への支持を表明し、議会との緊密な連携を求めた(注1)。ベラ議員は米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)や日米デジタル貿易協定がモデルになるとの考えを示している(通商専門誌「インサイドUSトレード」10月25日)。
同じく議会では、上院で通商を所管する財政委員会所属のベン・サス議員(共和党、ネブラスカ州)をはじめとする共和党の全14議員が11月8日、バイデン大統領に宛てた書簡で、アジアの同盟・友好国とデジタル貿易に関するルール策定交渉を開始するよう要請している。同議員らは、同地域の通商ルール策定が米国の関与がないままに中国主導で進むことに危機感を示しつつ(注2)、データの自由な流通やサイバーセキュリティーの促進などの必要性を強調した。
産業界でも米国商工会議所や情報技術産業協議会(ITI)など18の業界団体が9月にタイ代表に宛てた共同書簡で、インド太平洋地域のデジタル貿易協定の交渉を求めるなど、デジタル貿易分野での米国のリーダーシップを求める声は米国内で高まりつつある。
他方、タイ代表は11月3日にデジタル貿易に焦点を当てた講演を行ったが、具体的な協定の構想には言及しなかった。バイデン政権が重視する労働者中心の通商政策に触れ、デジタル貿易に関わる政策も人々や労働者に与える影響に基づいて取り組む必要があると述べるにとどめた。ただ、中国の経済的な影響力への対抗策について、アジ太平洋の同盟国と協議を続ける意向も示している(政治専門誌「ポリティコ」11月3日)。デジタル経済は、バイデン政権が2022年初頭にも正式にプロセスを開始する見込みのインド太平洋経済枠組みの対象分野にも挙がっている(関連ブラック ジャック ディーラー)。
(注1)バイデン政権によるデジタル貿易協定構想に関する経緯や識者の見方については、。
(注2)書簡では、中国が関わる通商分野の動きとして、地域的な包括的経済連携(RCEP)協定への参加(ブラック ジャック ゲーム)や、環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP、いわゆるTPP11)への加入申請()に言及している。
(甲斐野裕之)
(米国)
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