ペイティーエム、インド史上過去最高規模のIPO実施
(インド)
ニューデリー発
2021年11月15日
電子決済サービス「Paytm(ペイティーエム)」を提供するインド発スタートアップのワン97コミュニケーションズは11月8~10日、ボンベイ証券取引所(BSE)とナショナル証券取引所(NSE)で新規株式公開(IPO)を実施した。この期間中に同社が調達した資金は総額1,830億ルピー(約2,745億円、1ルピー=約1.5円)と、国内で過去最大規模のIPOとなった。両証券取引所への上場は11月18日となる予定だ。
ワン97コミュニケーションズは2000年に創業し、本社を首都ニューデリー近郊のノイダに置くスタートアップ。政府が2016年に実施した高額紙幣の廃止(2016年11月10日記事参照)や2020年以降の新型コロナウイルス禍で進んだ各産業のデジタル化()などを背景に、国内でのデジタル決済手段のニーズが高まる中、同社が2009年に開始した「Paytm」は急速に普及した。2021年3月末時点で利用店舗数は2,100万カ所、利用者数は約3億3,300万人に上っており、「Paytm」はインド最大級のデジタル決済サービスとなっている。
日本でも、ソフトバンクが2018年に開始したQRコード決済システム「PayPay(ペイペイ)」に「Paytm」の技術が活用されている。ソフトバンクは2017年以降、英国子会社のファンド経由でワン97コミュニケーションズに出資しており、初回の出資額14億ドルは、同社によるインド発スタートアップへの投資として過去最高額だった。
インドでは2021年後半にユニコーン(企業価値10億ドル以上の未上場企業)による大型IPOが相次いでいる。料理宅配サービスを展開するゾマトが7月にIPOを実施したほか、10月には美容・健康関連商品のECサイト「ナイカ(Nykaa)」を立ち上げたFSN・Eコマース・ベンチャーズ、保険商品などの比較ができるデジタルプラットフォーム「ポリシーバザール(PolicyBazaar)」を運営するPBフィンテックは11月にそれぞれIPOを実施した(ブラック クイーン ブラック)。
(広木拓)
(インド)
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