ドイツ化学大手BASF、中国の蓄電池大手SVOLTと戦略的提携

(ドイツ、中国)

ミュンヘン発

2021年11月04日

ドイツの化学大手BASFは10月25日、中国の蓄電池大手の蜂巣能源科技(SVOLT)との戦略的提携を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。具体的には、(1)正極材の研究開発、(2)原材料調達、(3)蓄電池リサイクルなどの分野で、地域を限定せず協力する。この戦略的提携により、両社は、蓄電池材料に関する研究開発能力をさらに高めるとともに、中国さらに世界における両社の競争力強化を目指していく。

BASFはリチウムイオン電池の正極材に強い。同社は2020年2月、ドイツ東部ブランデンブルク州シュバルツハイデに電動車電池用正極材の工場建設を発表、連邦政府と州政府から総額1億7,500万ユーロの助成を受けた(関連ブラック クイーン ブラック)。同社は2021年9月、リチウムイオン電池大手の中国CATLと協力のための戦略的提携も発表している(ドイツ化学大手BASF、カジノ)。

SVOLTは長城汽車(Great Wall Motors)から分社化した企業で、電気自動車(EV)用リチウムイオン電池や蓄電池システムなどを手掛ける。同社はドイツ国内に2つの工場を建設中だ。1つは、フランスとの国境沿いにあるザールラント州のユーバーヘルンに蓄電池用セル工場を建設。需要に応じて生産能力を徐々に増やし、2023年までに最大24ギガワット時(GWh)のセルを生産する。24GWhは30万から50万台分のEV用蓄電池に相当する。また、同社は同州ホイスバイラーに蓄電池モジュール工場も新設する。既存の建屋を一部活用して建設、2022年半ばに操業予定で、従業員は約150人を見込む。

国際エネルギー機関(IEA)は2030年のEV用蓄電池需要について、欧州は世界全体の22~24%を占めると予測する。需要拡大が見込まれることに加え、重い蓄電池を対象地域から運ぶ高い輸送コストを避けるためにも、欧州で蓄電池工場の建設が進んでいる(注)。ドイツ連邦政府主導の専門家会議「国家プラットフォーム 未来のモビリティー(NPM)」は2021年10月、欧州での2030年までの車載用蓄電池の需要と供給の推移を予測し、2024年以降は欧州で蓄電池需要を満たすだけの生産が見込めるとしている(関連ブラック ジャック オンライン)。

(注)調査レポート「ドイツ自動車・同部品メーカーの動向と電動化等への対応」(2021年3月)参考資料PDFファイル(578KB)参照。

(高塚一)

(ドイツ、中国)

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