初期投資補助金、2020年は29社が1億6,700万ユーロ受給

(ルーマニア)

ブカレスト発

2021年10月28日

ルーマニアの「経済に大きな影響を与える投資を促すための国家補助金(政令2014年807号)」(ブラック ジャック トランプ)の2020年通年の受給対象企業数が29社、支給決定額が約1億6,700万ユーロに上ったことが分かった。

この補助金は企業の初期投資を支援するもので、内外資を問わず、製造業やサービス業が国内に工場や拠点を設立するに当たり、最低100万ユーロの初期投資を条件に補助する。2014年から実施している(注1)。

当初は2020年末で終了する予定だったが、2023年末まで延長されている。初期投資条件額は当初は1,000万ユーロ以上だったが、2018年に300万ユーロ、2020年に100万ユーロに引き下げられ、資力に乏しい地場企業でも活用しやすくなった。

2014~2023年の10年間の総予算は最大で63億8,000万レイ(約14億5,000万ユーロ相当、注2)、受給企業数は当初は150社を見込んでいたが、2018年に300社に引き上げた。1社当たりの補助上限額や補助金の上限割合は地域により異なっており、首都ブカレスト市では投資額の10%(最大750万ユーロ)が上限だが、ブカレストを取り囲むイルフォブ県と西部では35%(最大2,625万ユーロ)、他の地方都市では50%(最大3,750万ユーロ)と高く設定されている(添付資料表参照)。

日本企業で2020年に受給した実績はなかったが、2021年には光洋ルーマニア(ベアリング)が投資額2,760万ユーロのうち、機械・設備調達資金の一部として541万ユーロを受給することとなった。

ルーマニアではこのほかにも、100人以上を新規雇用する投資プロジェクトの場合、「新規雇用創出による地域開発を促進する国家補助金(政令2014年332号)」が受給できる。これは、新規雇用する従業員の給与の2年分が補助対象額で、この対象額の10~50%が補助される。2014年~2023年の10年間で総額27億レイ(約6億ユーロ相当、注2)の予算が充てられており、日系企業では、2016年に矢崎総業が830人を新規雇用し、340万ユーロが補助された。

ルーマニアでは、ルノー・ダチアやフォードといった完成車工場(海外ビジネスブラック ジャック ルール ディーラー)や部品メーカーが設備を拡張しており、EU域内を中心に自動車関連製造業との取引も多い。他のEU加盟国同様、ルーマニアでも人口が微減傾向にあり、失業率も5.0%(ブラック クイーン ブラック)と低い水準に抑えられているが、現地コンサルティング会社のワイズ・ファイナンス・ソリューションズ(WFS)の事業開発担当マネジャー、アンドレイ・クンペアヌ氏によると、地方部ではまだまだ事業所誘致ニーズが高いと言う。人件費や投資コストがEU域内でも低いことに加え、これらの国家補助金がルーマニアでの工場・拠点設立を決定する大きな動機になっている。

(注1)制度詳細はジェトロの「ブラック ジャック コツのサービス」を参照。

(注2)政令2014年807号と政令2014年332号では、レイ(レウの複数形)建てとユーロ建てが、併記されている。

(ミンドル・ユニアナ、西澤成世)

(ルーマニア)

ビジネス短信 dfb2dbf719823f3b