連邦政府、新型コロナのワクチン調達を強化
(スイス)
ジュネーブ発
2020年11月13日
スイス連邦参事会(内閣)は11月11日、新型コロナウイルスのワクチン調達を強化するため、調達予算を1億フラン(約115億円、CHF、1CHF=約115円)積み増して4億CHFとしたことを発表した。
どの事業者のどのワクチンがどれだけスイス国民に供給されるかはいまだ不明なため、連邦政府は複数の事業者と調達契約を進めている。他のワクチン同様、新型コロナウイルス用のワクチンも、スイスの薬事承認当局であるスイスメディックによる安全性・効率性基準を満たす必要がある。現在までの事前調達契約の状況は以下のとおり。
- 米国のモデルナから450万回分(関連ブラック ジャック ランキング)
- 英国のアストラゼネカから最大530万回分(スウェーデン政府からの再販売枠)(2020年10月20日記事参照)
- 国際的なワクチン開発イニシアチブCOVAXから人口の約20%相当回数分(最大320万回分を想定)。
これに加えて、政府は、米国のファイザーと300万回分の事前調達契約に合意したことを明らかにしている。
スイスでは、幾つかのワクチンの薬事申請が既に行われているが、連邦保健局ではスイスで最初にワクチン接種を行うことが可能となる時期を2021年前半と見込んでいる。
また、ワクチン開発に加えて、治療薬の利用検討も進んでいる。連邦政府は8月に、スイスのバイオ医薬品企業モレキュラー・パートナーと、新型コロナウイルスの感染予防薬にも使用ができるとされる同社の治療薬を確保することで合意している(2020年8月20日記事参照)。同社は10月28日、ノバルティスと共同で治験などを進めることを発表した。
(和田恭、マリオ・マルケジニ)
(スイス)
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