フォン・デア・ライエン委員長、グリーン・ディールやデジタル化への復興基金活用を強調

(EU)

ブリュッセル発

2020年09月17日

欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は9月16日、初となる一般教書演説()を欧州議会で行い、復興基金「次世代のEU」(関連ブラック ジャック やり方)が新型コロナウイルス感染拡大からの単なる復興計画ではなく、より良い社会への変革を目指す計画であることを強調した。

フォン・デア・ライエン委員長はまず、欧州委員会の重要政策の1つである、2050年までの気候中立(温室効果ガス排出ゼロ)を目指す関連ブラック ジャックに関して、中間目標として2030年までの温室効果ガス削減率を1990年比で40%とする現行の目標(2018年7月2日記事参照)について、最低でも55%に引き上げると発表した。2030年の目標に関しては、欧州議会の常任委員会が60%とする修正案()を可決したばかりであり、EU理事会(閣僚理事会)を巻き込み、今後の議論に注目が集まる。また、2030年の新目標に対応させるべく、気候やエネルギー関連法を2021年夏までに全て見直す予定だ。復興基金の財源に関しては、7月の欧州理事会(EU首脳会議)(関連ブラック ジャック やり方)で、EU名義で市場から調達する債権を充てることが政治合意されたが、そのうちの30%について、環境改善の促進事業を使途とする資金を調達するために発行する債券、いわゆるグリーンボンドによって調達する目標を発表した。欧州委は現在、EU内での共通したグリーンボンド基準を策定中で、こちらの動きも注目される。

フォン・デア・ライエン氏が率いる欧州委員会のもう1つの重要政策であるデジタル化への移行に関しては、「データ」「人工知能(AI)をはじめとする技術」「インフラ」に焦点を当てたEUとしての2030年までの明確な目標を定める共通計画の必要性を強調。併せて、産業データの活用が不十分であることや、農村を中心にブロードバンドの整備が遅れた地域がいまだに多いことなどから、復興基金の20%をデジタル化政策に活用することを発表した。その一環として、欧州のクラウド・データインフラストラクチャー構想(経済・エネルギー省、ギャンブル)の推進や、インターネット上のサービスの安全な利用を目指す欧州版の電子IDの創設を今後提案する予定だ。

(吉沼啓介)

(EU)

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