フォン・デア・ライエン委員長、初の一般教書演説で新型コロナ対策強化を表明
(EU)
ブリュッセル発
2020年09月17日
欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は9月16日、一般教書演説を欧州議会で行った。一般教書演説は、欧州委員会の委員長がEU市民によって直接選出された欧州議員に向けて、欧州委の重要政策などの活動方針を表明し、説明責任を果たす重要な場だ。フォン・デア・ライエン委員長にとっては、2019年12月に就任して以来初となる。
フォン・デア・ライエン委員長はまずEU域内での新型コロナウイルス感染症の拡大に触れ、保健衛生の分野でのさらなる強固な同盟が必要だと訴えた。そのために、欧州委が提案した保健衛生上の危機への対処を目的とするプログラム「EU・フォー・ヘルス」(関連カジノ ブラック ジャック)の予算の増額を求めた。7月の特別欧州理事会(EU首脳会議)での次期中期予算計画と復興基金に関する政治合意(関連ブラック ジャック やり方)により、このプログラムへの大幅な予算削減が決定されたことから、あらためてこのプログラムへの支持を欧州議会に求めたかたちだ。また、EUの専門機関である欧州医薬品庁(EMA)や欧州疾病予防管理センター(ECDC)の強化に加え、新たに欧州版の生物医学先端研究開発局(BARDA)の創設を目指すとした。さらに、保健衛生分野の権限の多くが各加盟国にあり、EUとしての公衆衛生上の危機への対応が限定的にならざるを得ない現状を踏まえ、中長期的なEU改革の一環として保健衛生の権限に関する問題を議論していくべきだとした。
英国のEU離脱協定違反を批判
フォン・デア・ライエン委員長は、欧州委が英国と交渉中のEU離脱に伴う移行期間終了後の新たな2者間協定について言及し、締結の可能性が日ごとに低下しており、残された時間は極めて少ないとして危機感を表明した。さらに先週、英国がEU離脱協定に違反する国内法案を公表()したことを受け、問題となっている北アイルランド議定書を含む離脱協定に関して、欧州議会だけでなく、英国下院も批准承認したことを強調し、英国が一方的に修正や無視することはできないとし、法の順守と互いの信頼の問題だとして、英国側の対応を批判した。
(吉沼啓介)
(EU)
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