タタルスタン共和国で携帯電話を用いた外出許可システムを導入
(ロシア)
欧州ロシアCIS課
2020年04月06日
3月30日から外出禁止措置を導入したロシアのタタルスタン共和国政府は、住民を対象に外出許可管理システムを導入する共和国閣議決定(2020年3月31日付第240号)を採択した。
決定によると、外出許可の申請に当たっては携帯電話からSMSで外出目的を指定し申請する。目的として認められるのは、(1)裁判所訪問、(2)教育機関への未成年者の送り迎え、(3)医療機関・保健所往訪、(4)葬儀への参加、(5)パスポートの受領、(6)郊外への往来、(7)金融機関・郵便局往訪、(8)医薬品、食品、生活必需品の配送、(9)引っ越し。許可は1日当たり2件まで、制限時間は各1時間。許可されたら発行される登録コードを控えパスポートを持参し外出する。詳細は共和国が立ち上げた特別のウェブサイトに記載されている。
ただし、本外出管理システムは、緊急の医療措置、生活必需品・サービスの購入、居住場所から100メートル以内のペットの散歩、近隣の収集場所へのごみ捨て、出勤(雇用者による所定フォームの証明書を携帯が必要)、貨物の積み替え・発送(所定フォームの証明書の携帯が必要)、医薬品、生活必需品を届けるボランティア活動(共和国青年省による証明書が必要)などには適用されない。
主要経済紙「コメルサント」(4月1日)によると、本システムは4月1日に運用が開始された。タタルスタン共和国の地方銀行「アクバルス」のクラウドシステムが活用され、1日当たりの許可申請処理能力は1,100万件を誇るが、共和国政府は、人口370万人のため許可申請件数は1日当たり100万件を超えることはないと予想している。
ロシアではモスクワ(関連実写 版 ブラック ジャック)、サンクトペテルブルク()のほか、サマラ州、ウリヤノフスク州、リペツク州、トゥーラ州、スベルドロフスク州など20以上の連邦構成体で外出禁止措置が導入済みだ。
外出許可システムの導入はタタルスタン共和国以外のほか、リペツク州やスベルドロフスク州、ペルミ地方で検討されている(「コメルサント」紙4月1日)。モスクワではQRコードを用いたシステムの導入が検討されていたが、見送りとなった(2020年4月6日記事参照)。
(齋藤寛)
(ロシア)
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