モスクワ市、外出禁止措置を導入
(ロシア)
モスクワ発
2020年03月30日
モスクワ市のセルゲイ・ソビャニン市長は3月29日、市長令第34-UM号に署名。3月30日以降、モスクワ市内での実質的な外出禁止令を導入した。市長令では、モスクワ市居住者は、a.救急搬送やその他生命の危険が生じた場合、b.交通機関の運行や商品輸送などに従事する場合、c.居住地近隣の商店、薬局などへの買い物に出る場合などを除き外出を禁じている。ただし、モスクワ市以外への移動は制限していない。
罰則規定は市長令には明記されておらず、今後モスクワ市が決定すると書かれている。また本措置の終了期限についても記載されていない。
加えて、市長令では、居住者は道路、商店、交通機関で他者と1.5メートル以上間隔を空けること、行政機関や企業はそのための目印をつけるなどの方策をとることも定めている。
新型コロナウイルス感染者および予防措置対象者に対しては、モスクワ市が定める薬品一覧に基づき、外来診察の場合を含め抗ウイルス剤が無料で供与される。3月29日午前11時時点のロシアの新型コロナウイルス感染者数は1,534人。前日比270人増のうちモスクワ市が197人と約7割を数え、累計感染者数でも全体の3分の2を占める。今回の市長令は、モスクワ市として外出禁止と医薬品の無償提供で感染拡大速度を抑えることを意図したものとみられる。
(梅津哲也)
(ロシア)
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