IoT特化のインキュベーション施設コネクトリーで見学会
(米国)
シカゴ発
2019年04月17日
シカゴのコネクトリー(The Chicago Connectory)で4月8日に無料の見学会が開催された。コネクトリーは2017年開設のIoT(モノのインターネット)に特化したインキュベーション施設で、自動車部品や家庭用調理器具などを製造するボッシュ(Bosch)と、シカゴ最大級といわれるデジタルスタートアップを支援するインキュベーション施設1871(注)の協力の下で運営されている。
月額350ドルの会員になれば、施設内の共用オフィススペースが24時間利用できるほか、ワークショップへの参加や、1871も同施設の会員と同じように利用することができる。
コネクトリーの特徴の1つが、試作をするための工房スペースだ。IoTの特性上、試作品を作って実際の動きを確かめる必要があり、そういったニーズに対応するため、3Dプリンターなどの器具と専門スタッフを備えた試作スペースを用意している。
また、コネクトリーは1871と強い関係を持っており、コネクトリーの入居企業を1871の入居企業に紹介することもあれば、1871の入居企業が必要に応じてコネクトリーを利用することもあるなど、相互のやり取りが盛んだという。1871は約500社のスタートアップ企業が入居し、アクセラレーター、インキュベーター、ベンチャーキャピタルが拠点を置き、米国中西部を代表する大学であるノースウェスタン大学、イリノイ大学、シカゴ大学などがサテライトオフィスを置いている。こうした1871のネットワークが利用できるのも、コネクトリーの大きな魅力だ。
IoTの普及には、4Gに続く第5世代移動体通信規格(5G)の普及が必須と言われている。シカゴは4月にミネアポリスとともに世界で初めて5Gモバイルサービスの商用利用が開始された都市でもある。こういった点からも、シカゴはIoT関連スタートアップ企業が拠点を置くのに最適な都市の1つといえるだろう。
シカゴのスタートアップ事情:「米国中西部スタートアップ」インタビューについては、以下のシリーズ記事参照。
(注)2012年設立のシカゴを拠点とするテック系スタートアップインキュベーター。月額350ドルから、共用スペースや支援プログラムを利用できる。
(飯田桃子)
(米国)
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