特集:成長への活路はどこに―国内3000社アンケートから紐解くブラック ジャック アプリ向けEC利用に対する意欲は衰えず

2023年3月28日

世界では電子商取引(EC)の市場が拡大している。米国に本社を置く市場調査会社eMarketerによると、2023年のEC小売市場規模(予測)は5兆9,200億ドルで、2019年(3兆4,275億ドル)から1.7倍に増加する。世界の市場を取り込む1つの手段として、日本ブラック ジャック アプリは大ブラック ジャック アプリのみならず、中小ブラック ジャック アプリもECの利用を進めると同時に、さまざまな課題にも直面している。本稿では、ジェトロのアンケート調査結果を基に、日本ブラック ジャック アプリのEC利用動向について分析する。

中小ブラック ジャック アプリが大ブラック ジャック アプリを上回るEC利用率

ジェトロが実施した2022年度「日本企業のブラック ジャック アプリ事業展開に関するアンケート調査」(以下、本調査、文末注1)によると、国内外での販売でEC(文末注2)を利用したことがあるとした企業は、回答企業全体の35.5%を占めた(図1参照)。また、EC利用を今後拡大すると回答した割合は41.1%に上った。いずれも前回の2021年度調査からは減少しているが(文末注3)、2018年度調査と比較すると、5ポイント近く増加しており、ECを利用する企業が着実に増加していることが分かる。

同設問をブラック ジャック アプリ規模別に分析したところ、中小ブラック ジャック アプリでECを利用したことがあるとの回答は36.2%と、大ブラック ジャック アプリ(31.3%)を上回る結果となった。また、43%の中小ブラック ジャック アプリがECの利用を拡大すると回答しており、こちらも大ブラック ジャック アプリ(30.3%)を大きく上回った。

図1:ECブラック ジャック アプリの有無(時系列)
国内外での販売でECを利用したことがあると回答したブラック ジャック アプリは、回答ブラック ジャック アプリ全体の35.5%を占めた。また、EC利用を今後拡大すると回答した割合は41.1%に上った。いずれも前回の2021年度調査からは減少しているが、2018年度調査と比較すると5ポイント近く増加している。

注1:nは本調査の回答総数。
注2:「ブラック ジャック アプリを拡大する」は、「ブラック ジャック アプリしたことがあり、今後、さらなる拡大を図る」と「ブラック ジャック アプリしたことがないが、今後のブラック ジャック アプリを検討している」の合計。
出所:2022年度「日本企業のブラック ジャック アプリ事業展開に関するアンケート調査」(ジェトロ)

また、業種別にECのブラック ジャック アプリ割合を確認したところ、50%を超えた業種は、繊維・織物/アパレル、医療品・化粧品、石油・プラスチック・ゴム製品、小売りとなった。新型コロナウイルス禍でも需要が底堅い衣食住関連商品の販売で、ECが活用されていると考えられる。

続いて、ECを利用・検討していると回答した企業に対し、国内外どちらに向けた販売を行っているか尋ねたところ、65.6%が「ブラック ジャック アプリ向け販売」と回答した(複数回答、図2参照)。具体的な販売方法としては、「日本国内からブラック ジャック アプリへの販売(越境EC)」が45.6%で最多だった。

企業規模別では、ブラック ジャック アプリ向け販売を行っている大企業の割合は69.7%で、中小企業(65.1%)を上回った。ブラック ジャック アプリ向け販売の内訳を見ると、越境ECを行う中小企業の割合(46.7%)は大企業(37.9%)よりも多い一方で、ブラック ジャック アプリ拠点での販売は大企業(44.6%)が中小企業(21.4%)を上回る。この背景には、企業規模によるブラック ジャック アプリ進出状況の差があると考えられる。本調査の回答企業で、既にブラック ジャック アプリ拠点を有している企業の割合は、大企業では79.2%に上るが、中小企業では33.1%だった。そのため、大企業では既存のブラック ジャック アプリ拠点を活用したEC利用・検討が進む一方、中小企業にとっては、必ずしもブラック ジャック アプリ拠点を必要としない越境ECがより有効なブラック ジャック アプリ市場開拓のツールになっていると考えられる。

図2:ECのブラック ジャック アプリ状況(時系列)
65.3%が「ブラック ジャック アプリ向け販売」と回答した。具体的な販売方法としては、「日本国内からブラック ジャック アプリへの販売(越境EC)」が45.6%で最多だった。

注1: nはECを利用したことがある、または利用を検討していると回答したブラック ジャック アプリ。
注2:ブラック ジャック アプリ向け販売は、「日本からブラック ジャック アプリへの販売(越境EC)」「ブラック ジャック アプリ拠点での販売」「代理店などを通じたブラック ジャック アプリへの販売」のいずれかを選択した企業の比率。「代理店を通じたブラック ジャック アプリへの販売」は2020年度に新設。
注3:「ブラック ジャック アプリ拠点での販売」は、「ブラック ジャック アプリ拠点での現地販売」と「ブラック ジャック アプリ拠点から第三国への販売」のいずれかを選択した企業の比率。
出所:2022年度「日本企業のブラック ジャック アプリ事業展開に関するアンケート調査」(ジェトロ)

売上高に占めるECブラック ジャック アプリ割合は増えず

ECを利用したことがある企業に対し、売上高に占めるECによる販売額の割合を尋ねたところ、「1~10%」(38.9%)と「1%未満」(35.8%)と回答した企業が多く、両者で全体の7割強を占める結果となった。企業規模別に見ると、大企業は1%未満、中小企業は「1~10%」と回答した割合がそれぞれ最も高くなった(図3参照)。また、EC販売額のうち、ECによるブラック ジャック アプリ向け販売額が占める割合については、「1%未満」とした企業が68.1%を占めた。

過去の調査と比較しても、回答傾向に大きな変化は見られない。ECを利用するブラック ジャック アプリ数は増加傾向にあるが、各ブラック ジャック アプリのEC売上比率は増えていないというのが現状といえる。

図3:売上高全体に占めるECの割合(ブラック ジャック アプリ規模別)
「1~10%」(38.9%)と「1%未満」(35.8%)と回答したブラック ジャック アプリが多く、両者で全体の7割強を占める結果となった。ブラック ジャック アプリ規模別に見ると、大ブラック ジャック アプリは1%未満、中小ブラック ジャック アプリは「1~10%」と回答した割合がそれぞれ最も高くなった。

注: nはECを利用したことがあると回答したブラック ジャック アプリ(無回答を除く)。
出所:2022年度「日本企業のブラック ジャック アプリ事業展開に関するアンケート調査」(ジェトロ)

EC事業での中国進出に一服感

ブラック ジャック アプリでECを利用している企業の現在のEC販売先国・地域について尋ねたところ、最も回答が多かったのは中国(39.6%)で、東アジア(韓国、台湾、香港など)(37.0%)、米国(33.0%)、ASEAN(32.1%)が続く。時系列で見ると、中国と回答する企業の割合が徐々に減少していることが分かる(図4参照)。

図4:現在のEC販売先国・地域(時系列)
最も回答が多かったのは中国(39.6%)で、東アジア(韓国、台湾、香港等)(37.0%)、米国(33.0%)、ASEAN(32.1%)が続く。一方、時系列で見ると、中国と回答するブラック ジャック アプリの割合が徐々に減少している。

注1:nはブラック ジャック アプリでECを利用したことがあると回答した企業。
注2:2020年度、2018年度の東アジアは韓国、台湾、香港を指す。
注3:2020年度のその他欧州はドイツ、フランス、スペイン、中・東欧を指す。
注4:2018年度のその他欧州はドイツ、フランスを指す。
注5:2018年度のASEANはシンガポール、タイ、マレーシア、インドネシア、フィリピン、ベトナムを指す。
出所:2022年度「日本企業のブラック ジャック アプリ事業展開に関するアンケート調査」(ジェトロ)

さらに、今後のEC販売拡大・新規販売先国・地域を尋ねたところ、中国を選ぶブラック ジャック アプリが前回調査から大きく減少し、ASEANや東アジアが増加している(図5参照)。

図5:今後のEC販売拡大・新規販売先国・地域(時系列)
最も多かったのがASEAN(40.7%)で、東アジア(32.2%)、米国(31.3%)が続く。中国を選ぶブラック ジャック アプリが前回調査から大きく減少し、ASEANや東アジアが増加している。

注:nはブラック ジャック アプリでECを利用したことがあると回答した企業。
出所:2022年度「日本企業のブラック ジャック アプリ事業展開に関するアンケート調査」(ジェトロ)

一方、中国で現在ECを利用しているブラック ジャック アプリに対し、今後のEC販売拡大・新規販売先国・地域を尋ねたところ、約5割は引き続き中国でECを利用するとの回答を得た。これは、日本ブラック ジャック アプリによる中国EC市場への新規参入が難しくなっていることと、既に中国でECによる売り上げを確保しているブラック ジャック アプリは同時に他国・地域にも目を向けている現状を示している。後述のとおり、中国EC市場が他国と比較しても圧倒的に大きい一方で、多くのブラック ジャック アプリが既に参入している「レッドオーシャン」であり、新規参入も難しくなりつつある。

世界のEC市場の5割強占める中国市場

ここで、世界と主要国のEC市場の現状を確認したい。eMarketerによると、2023年の世界のEC小売市場規模は5兆9,200億ドルに上る(予測値)。同市場規模の上位国は、中国(3兆236億ドル)、米国(1兆1,634億ドル)、英国(1,959億ドル)で、日本は世界4位の1,934億ドルと推計される。特に中国は2019年と比較して市場規模が約1.6倍となっており、2023年の同国市場規模は世界の51.1%を占めると予測されている。

また、2023年の小売りに占めるECの割合(EC化率)に目を向けると、世界全体では20.2%、中国は46.9%、米国は15.8%、英国は30.6%に達しているが、日本は世界平均を下回る13.7%にとどまっている(表参照)。各国のEC化率の今後の予測を見ると、中国は2025年には約50%に達するほか、インドネシア、韓国などでもEC化率が着実に増加していくことが分かる(図6参照)。日本もEC小売市場は拡大しているが、ブラック ジャック アプリはより速いスピードで市場が拡大している。こうした背景により、図2で示したとおり、ECの利用状況では、日本国内向けよりもブラック ジャック アプリ向け販売を行う企業の割合が高くなっているといえる。

表:2019年、2023年の主要国のEC小売市場規模と2023年の小売全体に占めるECの割合(10億ドル、%)
国・地域名 EC小売市場規模
(2019年)
EC小売市場規模
(2023年予測値)
小売全体に占める
ECの割合
(2023年予測値)
中国 1,928.8 3,023.6 46.9
米国 598 1,163.40 15.8
英国 123.3 195.9 30.6
日本 126.8 193.4 13.7
韓国 88.8 147.4 29.9
ドイツ 71.5 97.3 9.7
フランス 59.4 79.3 10.5
インド 40.5 118.8 8.5
インドネシア 21.3 97.1 31.9
世界 3,427.5 5,920.0 20.2

注:EC小売額は決済手段やフルフィルメント(受注・発送)の手法にかかわらず、インターネットをブラック ジャック アプリして注文された商品・サービスを含む。旅行やイベントチケットの販売、料金支払いや税金、送金、飲食店サービス、ギャンブルなどは除外。
出所:eMarketerからジェトロ作成

図6:小売市場全体に占めるECの割合(時系列)
世界全体では20.2%、中国は46.9%、米国は15.8%、英国は30.6%に達しているが、日本は世界平均を下回る13.7%にとどまっている。各国のEC化率の今後の予測を見ると、中国は2025年には約50%に達するほか、インドネシア(35.2%)、韓国(32.4%)などでもEC化率が着実に増加していくことが分かる。

出所:eMarketerからジェトロ作成

中小ブラック ジャック アプリは大ブラック ジャック アプリ以上にEC利用の課題抱える

最後に、日本企業が抱えるEC利用時の課題を確認する。多くの企業が課題として挙げたのは、販売先国・地域に関する情報不足や物流、通関、関税支払い、返品にかかるリスクだった。企業規模別では、中小企業は全ての項目で大企業よりも課題を抱える割合が高い(図7参照)。中小企業は、EC活用率が大企業より高い一方で、課題も多く抱えているという現状が見て取れる。同じ質問を実際にブラック ジャック アプリでEC利用している企業に尋ねたところ、46%の企業が自社ブランド認知度向上の難しさが課題と答えており、EC市場の拡大とともに、競合との競争が激しくなっていることを示している。

図7:EC利用の課題(ブラック ジャック アプリ規模別)
販売先国・地域に関する情報不足(41.7%)や物流や通関、関税支払い、返品にかかるリスク(32.0%)などと回答するブラック ジャック アプリの割合が高かった。ブラック ジャック アプリ規模別では、中小ブラック ジャック アプリは全ての項目で大ブラック ジャック アプリよりも課題を抱える割合が高い。

注:nは本調査の回答総数。
出所:2022年度「日本企業のブラック ジャック アプリ事業展開に関するアンケート調査」(ジェトロ)

以上のとおり、世界のEC市場は成長が引き続き見込まれることにより、ブラック ジャック アプリ向けのEC活用・検討を行う企業は年々増加しており、特にその動きは中小企業で顕著なことが今回のアンケート結果から判明した。有力なブラック ジャック アプリ市場である中国は、激しい競争によって、既に新規参入が厳しくなりつつあり、ASEANや東アジアなどを新たな選択肢として追求するという企業の取り組みも浮き彫りになった。ECに活路を求めても、中小企業は情報収集や人材面で課題を多く抱える。売上高に占めるEC割合が伸び悩む現状では、オフラインとオンラインを組み合わせた販売戦略を企業のリソースに合わせて展開していくのが現実的な戦略といえる。


注1:
本調査は、ブラック ジャック アプリビジネスに関心の高いジェトロのサービス利用の日本企業9,377社を対象に、2022年11月後半から12月後半にかけて実施し、3,118社から回答を得た(有効回答率33.3%、回答企業の85.1%が中小企業)。プレスリリース、報告書も参照。なお、過去の調査の報告書もダウンロード可能。
注2:
本調査におけるECの定義は、インターネットをブラック ジャック アプリし、受発注がコンピュータネットワークシステム上で行われること。支払いや配送方法は問わない。
注3:
2021年度調査は調査方法をオンラインのみに限定したため、有効回答数が減少したことも影響している(1,745社)。
ブラック ジャック アプリ
執筆者紹介
ジェトロブラック ジャック アプリ調査部国際経済課
上野 渉(うえの わたる)
2012年、ジェトロ入構。総務課、ジェトロ・ムンバイ事務所、企画部企画課ブラック ジャック アプリ地域戦略班(ASEAN)、ジェトロ・ジャカルタ事務所を経て現職。