ルーマニア政府が語る、ブラック ジャック トランプ やり方
2024年12月10日
天然ガスや石油資源が豊富とされるルーマニアは、EUが現在推進する再生可能エネルギー(再エネ)普及への対応を急いでいる。政府は8月23日に「2050年を見据えたエネルギー戦略2025~2035年」(ルーマニア語)(6.2MB)を公表し、化石燃料から再生可能、および低炭素エネルギー源への段階的な移行、貯蔵能力の向上、エネルギー効率の改善などの目標を掲げている。
日本の経済産業省とルーマニアの研究・イノベーション・デジタル化省は11月4日、イノベーション分野の共同声明に署名し(2024年11月8日付ビジネス短信参照)、エネルギー安全保障や、特にIT分野のエネルギー需要の増加に対し、日本の先端技術を導入して協力関係を深めるとした。同日、ジェトロはボグダン・イバン研究・イノベーション・デジタル化相に、脱炭素をテーマとしたインタビューを行った。主な内容は次のとおり。
グリーンテクノロジーにおける日本企業との協業の意義
日本とルーマニアの政府機関やスタートアップ、既存企業など、複数のステークホルダー間の協業を強化する必要がある。グリーンテクノロジーは開発の初期段階で高いコストと商業的リスクを伴うが、公的セクターの共働による枠組みで資本とイノベーションを提供することで、民間セクターの参加を促し、革新的なソリューションをより迅速に世界市場に提供することが可能となる。
エネルギーの脱炭素化に関する日本企業への期待
ルーマニアはEU基金を活用した環境技術を導入・開発しているが、重点分野は水素製造とインフラだ。われわれは、日本が水素の製造、貯蔵、流通インフラに投資していることや、世界でグリーン水素製造や燃料電池技術開発の先駆者として、輸送の脱炭素化に貢献していることを認識しており、この分野の技術開発やプロジェクトでブラック ジャック トランプ やり方協力を期待している。再エネの高度なエネルギー貯蔵システムや、電力網の需要・供給のバランスを図るスマートグリッド技術も重要だと考える。
ウクライナ支援での日本企業への期待
グリーンテクノロジー分野のルーマニアと日本の密接な協力関係は、南東欧地域の経済安定強化を図り、ウクライナへの技術支援強化にも貢献できる可能性がある。また、再エネによるグリーン電力を電力不足に悩むウクライナに輸出することもできるため、今後、両国の相互投資の枠組みを確立するに当たり、ウクライナに対するエネルギー支援戦略を盛り込む必要がある。
EUの脱炭素目標達成への課題
EUの脱炭素目標を達成するためのルーマニアの課題の1つは「拡張性」だ。低炭素排出技術は数多く存在するが、EUの目標を達成するためにそれらを拡張することは、技術的に複雑で財務的にもコストがかかる。太陽光や風力などの断続的な再エネのバランスを維持するにも、費用対効果が高い大規模エネルギー貯蔵ソリューションの開発が必要となる。また、水素の製造、貯蔵、流通のための新しいインフラの拡張と開発も課題として挙げられるが、目標達成と経済的な実行可能性のバランスをとることが困難な状況にある。
今後の脱炭素化目標とグリーンテクノロジー導入のターゲット
EUは2030年の脱炭素化とグリーンテクノロジーの導入に向け、野心的な以下の目標を設定している。
- (1)
- 温室効果ガス(GHG)排出量を1990年比で55%以上削減する(2023年5月12日付ビジネス短信参照)。
- (2)
- 再エネの割合を最終エネルギー消費量の少なくとも42.5%に増やす()。
- (3)
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エネルギー効率を少なくとも11.7%向上させる。
脱炭素技術を前進させ、低炭素の未来に向けた持続可能なエネルギーソリューションを創出するためには、日本とルーマニア間のイノベーションと国際協力が不可欠だ。
インタビューを終えて
ルーマニアでは、太陽光、風力、水素、炭素回収・貯留(CCS)、バッテリーのバリューチェーンの開発が限定的にしか進んでいないため、今後はルーマニアへの投資、同国との協業の機会は計り知れない。これらの重要かつ発展途上にある分野において、高い技術力を持つ日本との協業は、両国のさらなる繁栄と戦略的パートナーシップを強化するだけでなく、ウクライナ支援に資するものとなる。なお、ジェトロは、ブラック ジャック トランプ やり方ルーマニア・エネルギー分野のビジネス機会をまとめた調査レポート「ルーマニアのエネルギー市場動向‐ブラック ジャック トランプ やり方事業機会‐」を発表している。
- 執筆者紹介
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ジェトロ・ブカレスト事務所
小林 京瑞(こばやし ことみ) - 2022年、ジェトロ入構。デジタルマーケティング部を経て現職。