先端ブラック ジャック 勝ち 方管理・人材流出対策を期し、新法制定(韓国)
違反には重い罰則、今後の詳細規定に注意

2022年5月30日

昨今の通商関係をめぐる国際的な潮流を表現する際、「経済安全保障」というキーワードを目にすることが多くなった。経済安全保障は、その多様性から厳密な定義づけが難しい。一般的には、「経済」と「安全保障」の密接な関連性から生じる国家レベルの損失を未然に防ぐ各般の対策が含まれていると考えられる。具体的には、(1)重要物資(注1)のサプライチェーンに関し、新型コロナウイルス感染拡大に伴う混乱を回避する対策、(2)主要国間の経済摩擦が過熱する中で、先端ブラック ジャック 勝ち 方の開発・育成・管理に向けで「国」が積極的に関与する施策、などが考えられる。さらには、(3)ロシアによるウクライナ侵攻を契機としてエネルギーや食糧のサプライチェーンを確保することも、この経済安全保障の文脈で語ることができそうだ。このような考え方は、自由貿易体制からの経済システムの変革期に顕著だ。韓国も国際社会の一員として、同様の経済安全保障に対する体制を構築しつつある。

特に(2)については、「国家先端戦略産業競争力強化および保護に関する特別措置法」(以下、国家先端戦略産業法)が重要トピックとして挙げられる。ちなみに当法は2022年2月3日に制定され、当年8月4日から施行されることになっている。本稿では、国家先端戦略産業法が目指す方向性や、ビジネス関係者にとっての留意点について、概要を紹介する。なお国家先端戦略産業法は現在、下位法令などを順次整備中だ。そのため、詳細が不明なところもある点をあらかじめ申し添えておく。

国家先端戦略産業法制定の狙いは、先端ブラック ジャック 勝ち 方の管理強化、育成・保護

国家先端戦略産業法が制定された目的とは何か。同法第1条は、「国家先端戦略産業の革新サプライチェーンの造成とブラック ジャック 勝ち 方力の強化を通じて、産業の持続可能な成長基盤を構築することにより、国家・経済安全保障と国民経済の発展に資すること」と規定する。この目的に立って、当法には(1)国家先端戦略ブラック ジャック 勝ち 方に関する規定、(2)国家先端戦略産業に関して、それぞれ規定される。それらの中で、国家先端戦略ブラック ジャック 勝ち 方保有者に対する規制や、先端戦略産業の育成、保護などの支援について盛り込まれている。

韓国では、重要技術の管理に関して、既に2007年4月に「産業技術の流出防止および保護に関する法律」(以下、ブラック ジャック 勝ち 方)が施行済みだ。その目的とするところは、「産業技術の不正な流出を防止し、産業技術を保護することによって、国内産業の競争力を強化し、国家の安全保障と国民経済の発展に資すること」にある(図参照)。

図:国家先端戦略産業特措法とブラック ジャック 勝ち 方の概要
国家先端戦略産業法は、第1章で総則、第2章で戦略産業の育成・保護基本計画など基本計画の策定、国家先端戦略産業委員会の設置、緊急需給安定化措置など、第3章で国家先端技術の指定・管理戦略技術の指定・変更・解除、戦略技術の輸出承認、戦略技術保有者の買収・合併に関する規制措置など、第4章で戦略産業特化団地の指定戦略産業特化団地での産業育成施策、インセンティブ付与など、第5章で戦略産業等の発展支援・基盤造成戦略産業を担う中堅・中小企業支援、国の研究開発事業の推進など、第6章で戦略産業専門人材の育成研究機関と連携した戦略産業を担う人材の育成、戦略産業に特化した大学教育機関の指定など、第7章で産業サプライチェーンの協力促進戦略産業を担う企業・機関等のサプライチェーン協力モデルの発掘・支援策など、第8章で雑則を規定しています。ブラック ジャック 勝ち 方では、第1章で総則、第2章で産業技術の流出防止および保護政策の樹立・推進産業技術の流出防止および保護に関する総合計画の策定、産業技術保護委員会の設置など、第3章で産業技術の流出防止および管理国家核心技術の指定・変更・解除、国家革新技術の輸出、国家核心技術保有者の買収・合併に関する規制措置など、第4章で産業技術保護の基盤構築および産業安全技術の開発・支援等産業技術保護協会の設立、産業技術保護教育の推進、産業保安技術の開発支援など、第5章で雑則、第6章で罰則を規定しています。

出所:各法を基にジェトロ作成

国家先端戦略産業法とブラック ジャック 勝ち 方の両法とも、一定の重要技術を指定し、指定された技術について一定の制限が課される点で同様だ。そのため、両者の適用関係について、国家先端戦略産業法第4条2項に整理規定が置かれた。すなわち、国家先端戦略産業法に特別な規定がある場合を除き、ブラック ジャック 勝ち 方が適用されることになっている。従って、第4条2項が当たらず法適用される場合に限って、個別の状況に合わせて同法上で判断しなければならない。なおその際には、ブラック ジャック 勝ち 方など他の法律との関係について、国家先端戦略産業法の各条項が定める内容に基づくことになる。

次節で、国家先端戦略産業法とその他の法律の適用関係を整理してみる。

新法が扱う先端ブラック ジャック 勝ち 方の範囲は

国家先端戦略産業法が適用される先端ブラック ジャック 勝ち 方の対象と範囲は、現時点で明確化されていない。法律上は原則的に「産業通商資源部長官は、ブラック ジャック 勝ち 方調整委員会の審議および委員会の審議・議決を経て戦略ブラック ジャック 勝ち 方を指定することができる」(国家先端戦略産業法第11条)と規定されにとどまる。

ちなみに、産業技術保護法では、国内外市場で技術的・経済的価値が高いか、関連産業の成長潜在力が高くブラック ジャック 勝ち 方に流出する場合、国家安全保障および国民経済の発展に重大な影響を及ぼす技術が「国家核心技術」として指定されることが規定されていた(産業技術保護法第2条)。なお、同法に言う国家核心技術は表1のとおりだ。

対して国家先端戦略産業法には、従来なかった仕組みが盛り込まれた。すなわち、企業自らが国家先端ブラック ジャック 勝ち 方への指定を希望できることだ。企業が自社保有ブラック ジャック 勝ち 方について指定を希望する場合は、産業通商資源部長官に申請する。その後、ブラック ジャック 勝ち 方調整委員会と国家先端戦略産業委員会を経て、先端ブラック ジャック 勝ち 方として指定されることになる(注2)。この場合、企業側は、自社のブラック ジャック 勝ち 方が先端ブラック ジャック 勝ち 方の指定を受けることで、第4章で規定するインセンティブが享受できるようになる。その半面、ブラック ジャック 勝ち 方管理に一定の制約が課されることにもなる。

また、国家先端戦略産業法では、「同法に基づいて先端戦略技術を指定・変更・解除した際は、ブラック ジャック 勝ち 方第9条の国家核心技術を指定・変更・解除したと見なす」と規定された(国家先端戦略産業法第11条第7項)。この規定から、ブラック ジャック 勝ち 方上の国家核心技術は、国家先端戦略産業法上の先端戦略技術と重複する場合がありうると考えられる(表1参照)。

表1:ブラック ジャック 勝ち 方上の「国家核心技術」の一覧
分野 ブラック ジャック 勝ち 方
半導体
(11ブラック ジャック 勝ち 方)
  • DRAMで回路線幅が30ナノメートル以下クラスの設計・工程・素子ブラック ジャック 勝ち 方および3次元積層ブラック ジャック 勝ち 方
  • DRAMの積層組み立てブラック ジャック 勝ち 方および検査ブラック ジャック 勝ち 方
  • 30ナノメートル以下クラスまたは積層3D・NAND型フラシュメモリーの設計・工程・素子ブラック ジャック 勝ち 方
  • NAND型フラシュメモリーの積層組み立てブラック ジャック 勝ち 方および検査ブラック ジャック 勝ち 方
  • 30ナノメートル以下のファウンドリーでの工程・素子ブラック ジャック 勝ち 方および3次元積層ブラック ジャック 勝ち 方
  • モバイルApplication Processor SoCの設計・工程ブラック ジャック 勝ち 方
  • LTE/LTE Advanced / 5G Baseband Modem設計ブラック ジャック 勝ち 方
  • 大口径(300mm以上)半導体ウエハーの製造のための単結晶の成長ブラック ジャック 勝ち 方
  • ピクセル1㎛以下イメージセンサーの設計・工程・素子ブラック ジャック 勝ち 方
  • システム半導体用の先端パッケージ(FO-WLP, FO-PLP, FO-PoPなど)の組み立て・検査ブラック ジャック 勝ち 方
  • ディスプレー・パネル駆動のためのOLED(有機EL)用DDI(Display Driver IC)の設計ブラック ジャック 勝ち 方
ディスプレー
(2ブラック ジャック 勝ち 方)
  • 第8世代クラス(2200 x2500mm)以上のTFT-LCDパネルの設計・工程・製造(モジュールの組み立てブラック ジャック 勝ち 方を除く)・駆動ブラック ジャック 勝ち 方
  • AMOLEDパネルの設計・工程・製造(モジュールの組み立てブラック ジャック 勝ち 方を除く)・駆動ブラック ジャック 勝ち 方
電気
電子
(4ブラック ジャック 勝ち 方)
  • 電気自動車用など、中大型の高エネルギー密度(ラミネート型265Wh/kg以上または角形の場合、ラミネート型の90%)のリチウムイオン二次電池の設計・工程・製造および工程ブラック ジャック 勝ち 方
  • リチウムイオン二次電池でニッケル(Ni)含有量が80%を超える両極素材の設計・製造および工程ブラック ジャック 勝ち 方
  • 500kV以上の電力ケーブルシステム(接続材を含む)の設計・製造ブラック ジャック 勝ち 方
  • 600mAh/g以上の超高性能の電極または固体電解質基盤のリチウムイオン二次電池の設計、工程、製造および評価ブラック ジャック 勝ち 方
自動車・鉄道
(9ブラック ジャック 勝ち 方)
  • GDI(ガソリン・ダイレクト・インジェクション)燃料噴射システムの設計および製造ブラック ジャック 勝ち 方
  • ハイブリッドおよび電動車(xEV)システムの設計および製造ブラック ジャック 勝ち 方
    (Control Unit, Battery Management System, Regenerative BrakingSystemに限る)
  • 水素・電気自動車の燃料電池システム(水素の貯蔵・供給、スタックおよびBOP)の設計および工程・製造ブラック ジャック 勝ち 方
  • LPG直噴式(LPDi)燃料噴射システムの設計および製造ブラック ジャック 勝ち 方
  • 「EURO6」以上の規制に対応したディーゼルエンジン燃料噴射装置、過給システムおよび排気ガス後処理装置の設計および製造ブラック ジャック 勝ち 方(DPF、SCRに限る)
  • 自動車エンジン・自動変速機の設計および製造ブラック ジャック 勝ち 方(ただし、量産後2年以内のブラック ジャック 勝ち 方に限る)
  • 複合素材を用いた一体成型の鉄道車両の車体設計および製造ブラック ジャック 勝ち 方
  • 速度350km/h以上の高速列車の動力システムの設計および製造ブラック ジャック 勝ち 方(AC誘導電動機・TDC制御診断・主電力変換装置のブラック ジャック 勝ち 方に限る)
  • 自動運転車のコア部品・システムの設計および製造ブラック ジャック 勝ち 方(カメラシステム、レーダーシステム、ライダーシステムおよび精密位置探知システムに限る)
鉄鋼
(9ブラック ジャック 勝ち 方)
  • FINEX流動炉の操業ブラック ジャック 勝ち 方
  • 降伏強度600MPa級以上の鉄筋/形鋼の製造ブラック ジャック 勝ち 方〔低炭素鋼(0.4%C以下)で電気炉方式によって製造されたものに限る〕
  • 高加工用マンガン(10%Mn以上)含有のTWIP鋼の製造ブラック ジャック 勝ち 方
  • 合金元素の総量が4%以下のギガクラスの高強度鋼板の製造ブラック ジャック 勝ち 方
  • 造船・発電所用の100トン以上クラス(単品ベース)の大型鋳鍛鋼製品の製造ブラック ジャック 勝ち 方
  • 低ニッケル(3%Ni以下)高窒素(0.4% N以上)ステンレス鋼の製造ブラック ジャック 勝ち 方
  • 人工知能基盤の超精密めっき(分解能0.1㎛級)制御ブラック ジャック 勝ち 方
  • ディープラーニングなど人工知能ブラック ジャック 勝ち 方を活用した高炉の操業の自動制御ブラック ジャック 勝ち 方
  • 引張强度600MPa以上の高強度鋼板製造のためのスマート水冷却ブラック ジャック 勝ち 方(エンジニアリング、制御ブラック ジャック 勝ち 方を含む)
造船
(8ブラック ジャック 勝ち 方)
  • 高付加価値船舶(超大型コンテナ船、低温液化タンク船、大型クルーズ船、氷海貨物船、ガス燃料推進船、電気推進船など)および海洋システム(海洋構造物および海洋プラントなど)の設計ブラック ジャック 勝ち 方
  • 液化ガス貯蔵用タンク、燃料タンクの設計および製造ブラック ジャック 勝ち 方
  • 3,000トン以上の船舶・海洋構造物用ブロック搭載および陸上での船舶・海洋構造物の建造ブラック ジャック 勝ち 方
  • 5,000馬力以上のディーゼルエンジン、クランクシャフト、直径5m以上のプロペラの製造ブラック ジャック 勝ち 方
  • 自動運航(経済運航、安全運航など)および航海自動化、船舶用統合制御システムブラック ジャック 勝ち 方
  • 造船用ERP/PLMシステムおよびCAD基盤の設計・生産支援プロブラム
  • 船舶用コア機・資材の製造ブラック ジャック 勝ち 方(BWMS製造ブラック ジャック 勝ち 方、WHRS製造ブラック ジャック 勝ち 方、SCRおよびEGCSなど大気汚染源の排出削減機・資材の製造ブラック ジャック 勝ち 方)
  • ガス燃料推進船舶用燃料供給装置、再液化および再気化装置などの製造ブラック ジャック 勝ち 方
原子力
(5ブラック ジャック 勝ち 方)
  • 原発の被動型補助給水系統ブラック ジャック 勝ち 方
  • 原発の蒸気発生器の二次系の遠隔肉眼検査ブラック ジャック 勝ち 方
  • 中性子鏡および中性子導管の開発ブラック ジャック 勝ち 方
  • 研究用原子炉U-Mo合金核燃料の製造ブラック ジャック 勝ち 方
  • 新型軽水炉の原子炉出力制御システムブラック ジャック 勝ち 方
情報通信
(7ブラック ジャック 勝ち 方)
  • LTE/LTE Advancedシステムの設計ブラック ジャック 勝ち 方
  • 基地局の小型化および電力コストを最小化するPA設計ブラック ジャック 勝ち 方
  • LTE/LTE Advanced/5G計測機器の設計ブラック ジャック 勝ち 方
  • 超高速のデータ送・受信が可能なギガ級の移動無線バックホール(Backhaul)ブラック ジャック 勝ち 方
  • SDN(Software Defined Network)を具現化するための光通信コアブラック ジャック 勝ち 方。
  • 通信装置への適用のための量子理論基盤のクアンタム(Quantum)リピーターブラック ジャック 勝ち 方
  • 5Gシステム(ビームフォーミング/MIMOおよび移動通信網)の設計ブラック ジャック 勝ち 方
宇宙
(4ブラック ジャック 勝ち 方)
  • 高性能・極低温のターボポンプブラック ジャック 勝ち 方
  • 極低温/高圧ダイヤフラム方式の開閉バルブブラック ジャック 勝ち 方
  • 超高解像度(高度500km基準50cm級)光学衛星の高速起動の精密姿勢制御設計のブラック ジャック 勝ち 方
  • 口径1m以上の衛星搭載の電子光学カメラの組み立て・整列・検査ブラック ジャック 勝ち 方
生命工学
(4ブラック ジャック 勝ち 方)
  • 抗体の大規模な発酵・精製ブラック ジャック 勝ち 方(1万リットル級以上の動物細胞の培養/精製ブラック ジャック 勝ち 方)
  • ボツリヌス毒素製剤の生産ブラック ジャック 勝ち 方(ボツリヌス毒素を生産する菌株を含む)
  • 走査型プローブ顕微鏡の製造ブラック ジャック 勝ち 方(True non-contact mode ブラック ジャック 勝ち 方、Narrow Trench 測定ブラック ジャック 勝ち 方、30nm級以下の半導体素子の3次元分析ブラック ジャック 勝ち 方、300mm以上の大面積試料のナノ計測ブラック ジャック 勝ち 方、SPM融合ブラック ジャック 勝ち 方)
  • バイオマーカー固定化ブラック ジャック 勝ち 方を応用した感染疾患用の多種の免疫分析システムブラック ジャック 勝ち 方(3種以上、敏感度および特異度96%以上の性能)
機械
(7ブラック ジャック 勝ち 方)
  • 多軸・複合加工のターニングセンタの設計および製造ブラック ジャック 勝ち 方
  • 高精密の5軸制御マシニングセンタの設計および製造ブラック ジャック 勝ち 方
  • 中・大型ショベルの信頼性設計および製造ブラック ジャック 勝ち 方
  • オフロード(Off-road)用Tier4 Final規制対応のディーゼルエンジンおよび後処理システムの設計ブラック ジャック 勝ち 方
  • トラクター用負荷感応型油圧式変速機の設計および製造ブラック ジャック 勝ち 方
  • Low GWP冷媒に対応した高効率ターボ圧縮機ブラック ジャック 勝ち 方
  • 低振動、低騒音、動的安定感を備えた人間にやさしい昇降機システムの設計および運営ブラック ジャック 勝ち 方
ロボット
(3ブラック ジャック 勝ち 方)
  • 腹腔鏡、内視鏡および画像誘導手術ロボットシステムの設計ブラック ジャック 勝ち 方および製造ブラック ジャック 勝ち 方
  • 作業領域を共有する高密度工程作業用ロボットの運営および制御ブラック ジャック 勝ち 方
  • 映像監視基盤ロボットの統合・統制ブラック ジャック 勝ち 方

出所:ブラック ジャック 勝ち 方第9条関連、ジェトロ仮訳

ブラック ジャック 勝ち 方輸出や合併・買収の際、産業通商資源部の承認が必要

国家先端戦略産業法上、先端戦略技術を外国企業などに輸出しようとする場合、または先端技術の保有者がブラック ジャック 勝ち 方M&A・合弁投資(以下、「合弁など」)を進めようとする場合、事前に産業通商資源部長官による承認が必要になる。また、国家先端戦略産業法に基づき承認を取得した場合、産業技術保護法に基づく輸出・合弁などの承認を取得、または申告したと見なされる(国家先端戦略産業法第12条第5項、第13条第8項)。

ブラック ジャック 勝ち 方では、国から研究開発費の支援を受けて開発した国家核心技術については、原則として、当該技術の輸出または当該技術保有者の合弁を進めるには産業通商資源部長官の「承認」を得なければならない。ただし承認対象外の場合もある。その場合は、産業通商資源部長官に「申告」しなければならないにとどまる(ブラック ジャック 勝ち 方第11条第1項および第4項、第11条の2第1項および第5項)。一方、国家先端戦略産業法では、国による研究開発費支援の有無を問わず、産業通商資源部長官の「承認」を要する。また、当該先端戦略技術の輸出と、当該先端戦略技術の保有者の合併推進など、いずれの場合もその対象になる。一律に、「承認」取得が義務付けられていることから、手続き面では規制がブラック ジャック 勝ち 方より強化されたと言える。もっとも、ブラック ジャック 勝ち 方上の承認手続きと申告手続きは、実務面では大きな違いはない。国家先端戦略産業法でいずれの場合も承認義務を定めたことで、実質的に大きな影響を及ぼすとは言えないだろう。

国家先端戦略産業法では、先端戦略技術の輸出または先端戦略技術の保有者の合併などについて、承認手続き上、ブラック ジャック 勝ち 方と実質的に同様の規定を設けられた。一方、それ以外の承認・中止・禁止・原状回復などの手続きについては、ブラック ジャック 勝ち 方を準用すると定めている(国家先端戦略産業法第13条第9項)。従って、先端戦略技術の輸出または先端戦略技術の保有者の合併などに対する承認手続きは、基本的に国家先端戦略産業法に従うことになる。具体的には、国家先端戦略産業法の下位規定に手続きの詳細が規定されると予想される。そのため、今後の下位規定の制定内容を注視する必要がある。

専門人材の転職制限や出入国情報提供義務などを規定

国家先端戦略産業法は、先端戦略技術の保有者に対し、先端戦略技術の流出防止のための保護措置義務を課す(国家先端戦略産業法第14条)。この場合でも、国家先端戦略産業法に特別の規定がある場合を除いて、ブラック ジャック 勝ち 方に基づく保護措置が適用される(国家先端戦略産業法第4条第2項)。

国家先端戦略産業法の保護措置には、先端戦略ブラック ジャック 勝ち 方を取り扱う人材の離職管理や機密保持に関する契約の締結が含まれている(国家先端戦略産業法第14条第1項第2号)。さらには、先端戦略ブラック ジャック 勝ち 方の保有者は産業通商資源部長官に対し、先端戦略ブラック ジャック 勝ち 方を扱う専門人材への指定を求めることができる。その上で、指定を受けた専門人材に対して、以下の措置を講ずることができる(参考参照)。

参考:国家先端戦略産業法における専門人材の保護規定

第14条(戦略ブラック ジャック 勝ち 方の保護措置など)

  1. (4)第2項に基づき専門人材などの指定を受けた戦略ブラック ジャック 勝ち 方の保有者は、専門人材などに対し、次の各号の事項を含む契約を結ぶことができる。
    1. ブラック ジャック 勝ち 方の同業種への転職制限およびその期間
    2. 戦略ブラック ジャック 勝ち 方にかかる機密流出の防止
    3. 退職後の再就職の情報の提供などその他大統領令で定める事項
  2. (5)第2項に基づいて専門人材などの指定を受けた戦略ブラック ジャック 勝ち 方の保有者は次の各号のいずれかに該当する場合、産業通商資源部長官に当該専門人材の出入国情報の提供を求めることができる。
    1. 戦略ブラック ジャック 勝ち 方を扱う専門人材の同意を得た場合
    2. 戦略技術のブラック ジャック 勝ち 方流出が強く懸念される場合
    3. その他、戦略技術のブラック ジャック 勝ち 方流出防止のため大統領令で定めた場合
  3. (6)産業通商資源部長官は第5項に基づいて申請を行った者に提供する目的で、法務部長官に対し当該専門人材の出入国情報の提供を要請することができる。この場合、法務部長官は特別な事由がなければ、当該情報を提供しなければならない。

出所:国家先端戦略産業法第14条を抜粋、ジェトロ仮訳

なお、産業技術保護法でも、国家核心技術には、国家先端戦略産業法第14条と類似した措置がある(産業技術保護法第10条)。ただし、国家先端戦略産業法下では契約などにあたり、より強い制約を受けるという点で、違いがある。ブラック ジャック 勝ち 方同業種企業への転職制限や、再就職の情報提供などは、その一例だ。特に、専門人材の出入国情報の提供を認める措置は産業技術保護法に規定はない。この規定は、国家先端戦略産業法で新たに導入された制度だ。手続きの詳細は、今後規定される下位法令に委ねられる。

ブラック ジャック 勝ち 方下の申告・承認実績などを確認

既に施行されている産業技術保護法の下、技術輸出とブラック ジャック 勝ち 方M&Aについての事前承認などについて、実績を表2にまとめた。

表2:国家核心技術の判定、輸出申告・承認、ブラック ジャック 勝ち 方M&Aの検討(件数)(-は値なし)
区分 判定 輸出申告 輸出承認 ブラック ジャック 勝ち 方M&A
2019年 88 48 16
2020年 72 34 21 2
2021年(1~9月) 84 43 20

出所:産業通商資源部「第4次産業ブラック ジャック 勝ち 方の流出および保護に関する総合計画」

重い罰則規定も

ブラック ジャック 勝ち 方では、国の研究開発費を受けて開発した技術の場合と、それ以外の場合で、それぞれ「承認」または「申告」の手続きを定めている(表3参照)。一方、国家先端戦略産業法ではこうした区分がない。全ての先端戦略技術の輸出、または先端戦略技術の保有者の合併などに対し、「承認」手続きを求めている。では、先端戦略産業技術の輸出または先端戦略技術保有者の合併などにあたり、手続きの詳細はどこに規定されているのだろうか。それらについては、商品申請書の様式や添付資料とあわせ、国家先端戦略産業法の下位規定で定められることになりそうだ。

表3:ブラック ジャック 勝ち 方上の各書類様式

(1)国家核心ブラック ジャック 勝ち 方の輸出関連書類の様式
承認/申告 申請書/申告書 添付書類
承認 国家核心ブラック ジャック 勝ち 方の輸出承認申請書 国家核心ブラック ジャック 勝ち 方の売却または移転契約書(仮契約書を含む)
国家核心ブラック ジャック 勝ち 方の買収者または移転を受けようとする者に関する事項
国家核心ブラック ジャック 勝ち 方の用途と性能を示したブラック ジャック 勝ち 方資料
国家核心ブラック ジャック 勝ち 方の提供条件と方法
国家核心ブラック ジャック 勝ち 方を使った関連製品の市場規模と競争力の水準
国から支援を受けた研究開発費に関する資料
申告 国家核心ブラック ジャック 勝ち 方の輸出申告書 国家核心ブラック ジャック 勝ち 方の売却または移転契約書(仮契約書を含む)
国家核心ブラック ジャック 勝ち 方の買収者または移転を受けようとする者に関する事項
国家核心ブラック ジャック 勝ち 方の用途と性能を示したブラック ジャック 勝ち 方資料
国家核心ブラック ジャック 勝ち 方の提供条件と方法
国家核心ブラック ジャック 勝ち 方を使った関連製品の市場規模と競争力の水準
(2)国家核心ブラック ジャック 勝ち 方の保有者の合併など関連書類の様式
承認/申告 申請書/申告書 添付書類
承認 国家核心技術のブラック ジャック 勝ち 方合併・買収などの承認申請書 ブラック ジャック 勝ち 方M&Aなどにかかる契約書または計画書
ブラック ジャック 勝ち 方M&Aなどを進める外国人の名称、主な株主状況、売上高、資産総額および事業内容に関する資料
当該ブラック ジャック 勝ち 方M&Aなどの内容および関連市場の状況に関する資料
国家核心ブラック ジャック 勝ち 方の用途と性能に関する資料
国家核心ブラック ジャック 勝ち 方の提供条件と方法に関する資料
国家核心ブラック ジャック 勝ち 方を使った関連製品の市場規模と競争力の水準に関する資料
国から支援を受けた研究開発費に関する資料
申告 国家核心技術のブラック ジャック 勝ち 方合併・買収などの申告書 ブラック ジャック 勝ち 方M&Aなどにかかる契約書または計画書(産業技術保護法の第11条の2第2項または第6項に基づいて申告する場合は、(国から研究開発費の支援を受けて開発した国家核心技術を有する)対象機関が保有している場合のみとなる)
ブラック ジャック 勝ち 方合併・買収などを進める外国人の名称、主な株主条項、売上高、資産総額および事業内容に関する資料
当該ブラック ジャック 勝ち 方M&Aなどの内容および関連市場に関する資料
国家核心ブラック ジャック 勝ち 方の用途と性能に関する資料
国家核心ブラック ジャック 勝ち 方の提供条件と方法に関する資料
国家核心ブラック ジャック 勝ち 方を使った関連製品の市場規模と競争力の水準に関する資料
国から支援を受けた研究開発費に関する資料(ブラック ジャック 勝ち 方の第11条の2第2項の規定による申告を行う場合のみ)

出所:ブラック ジャック 勝ち 方施行令からジェトロ抜粋

これまで述べたとおり、国家先端戦略産業法の下位法令はいまだ検討中だ。そう考えると、本件を今の時点で報告するのは、時期尚早だったかもしれない。しかし、同法に違反した場合、最大20年以下の懲役または20億ウォン(約2億200万円、1ウォン=約0.101円)以下の罰金が科されることになっている(国家先端戦略産業法第50条、先端ブラック ジャック 勝ち 方を未承認で輸出した場合など)。そのため、予防的観点から本稿を作成してみたものだ。あらためて下位法令の全体像が公布・告示された時点で、内容をアップデートすることとしたい。


注1:
国・地域が置かれたそのときどきの状況によって、重要物資が示すものは変動しうる。例えば、半導体、マスク、消毒液、原材料など、いずれも重要物資になりうる。
注2:
企業が自社保有ブラック ジャック 勝ち 方について指定を希望する手続きとして本文に記した内容は、立法予告段階での施行令案に基づく。
ブラック ジャック 勝ち 方
執筆者紹介
ジェトロ・ソウル事務所 副所長
当間 正明(とうま まさあき)
2020年5月、経済産業省からジェトロに出向。同年6月からジェトロ・ソウル事務所勤務。