GST(商品サービス税):オーストラリア

質問

オーストラリアにおける財・サービス税(GST)について教えてください。

回答

財・サービス税(Goods and Services Tax: GST)は2000年7月に導入された税金で、オーストラリア国内で消費されるほぼすべての商品、サービスに課されます。税率は取引価格の10%です。

I. GST事業者登録

年間売上高が7万5,000豪ドル以上(非営利団体は15万豪ドル以上)の事業者は、GST事業者の登録が必要です。7万5,000豪ドル未満(同、15万豪ドル未満)の事業者の登録は任意です。新しく事業を起こした場合は、事業登録と同時にGST登録を行うか、売上高が7万5,000豪ドルを上回って21日以内にGST登録することが義務付けられています。売上高が7万5,000豪ドル以上ありながらGST登録を行っていない間は、販売価格にGSTが含まれていなくてもGST分を納税しなくてはならず、罰金と利子を払わなくてはなりません。一度GST事業者登録を行ったら、1年間は登録を取り消すことができません。また、本登録を行うには、オーストラリア事業者番号(Australian Business Number: ABN)を取得する必要があります。 GST対象となる売上高の計算方法はオーストラリア税務当局のウェブサイトで詳細を確認して下さい。関係する事業体が複数ある場合は、グループとして単一のGST事業者登録で済みますが、支社・支店は個別にGST事業者登録を行わなくてはなりません。

II. 食料品に対するGST

食料品については、課税対象品と非課税対象品があります。食料品の定義および課税・非課税は以下のとおりです。食料品別の課税・非課税の詳細は、食料品リスト一覧(Detailed food list外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を参照ください。

  1. GST法上の食料品の定義
    人間が消費するもので、食品、食材、飲料、飲料の原材料、食料品に混合もしくは添加するもの、料理用に販売される動植物油、上記のものを配合した食料品などが該当します。
  2. GST法上食料品とされないもの
    調理前の甲殻類および軟体動物を除く生きた動物、未処理加工の牛乳、穀物、食用植物などがあてはまります。ペット・フードや人間の消費目的ではない食料品も含まれます(GST法上食料品ではないが、GST課税対象になる)。
  3. GST非課税の食料品
    野菜、果物、果物・野菜ジュース(果汁・野菜汁90%以上)、肉、魚、卵、パン(菓子パンを除く)、生乳、クリーム、チーズ、スープ、コーヒー、紅茶、朝食用シリアル食品、小麦粉・砂糖・ケーキミックス等の材料、粉ミルク・幼児食、ボトリングウォーター、料理用油脂、スパイス・ソース・調味料、ジャム・ハチミツ・ピーナツバター等パン食用スプレッドなど。

III. その他のGST非課税商品サービス

食料品以外では、教育関連費、医療・ケアサービス費、医療支援・リハビリ機器、医薬品、チャイルドケア(保育)費、チャリティ、障害者用自動車、宗教サービスなどのほか、上下水道費、国際運輸・運送、希少金属、政府貸与物件、農地、国際郵便、輸出品、ビジネスの売却、通信などの一部は非課税です。

保険料は非課税です。なお、電気・ガスなどの公共料金は課税対象です。

IV. 越境ECとGST

オンライン・ショッピングで海外から購入された物品は、2018年7月より、金額にかかわらずGSTが課税されることになりました。タバコ・酒類については数量にかかわらず課税されます。詳細は貿易・投資相談Q&A「小口貨物の通関制度」を参照して下さい。日本からオーストラリアの商品を購入する場合は、オーストラリアからの輸出扱いになるので基本的にはGST課税されません。日本に輸入する際に課税価格が1万円以上の場合、日本の関税と消費税がかかります。

参考資料・ブラック ジャック ストラテジー

オーストラリア税務当局(Australian Taxation Office):
GST essentials外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
Detailed food list外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
GST on low value imported goods外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
オーストラリア移民・国境警備局(Department of Immigration and Border Protection):
Buying over the internet外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

調査時点:2016年9月
最終更新:2018年7月

記事番号: J-010420

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