21 トランプ管理制度

最終更新日:2024年11月01日

管轄官庁/中央銀行

フィリピン中央銀行(Bangko Sentral ng Pilipinas:BSP)が21 トランプ管理制度を管轄。

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A.Mabini St. cor. P. Ocampo St., Malate, Manila, Philippines 1004
Tel:63-2-(8) 708-7701
E-mail:bspmail@bsp.gov.ph

反マネーロンダリング評議会(Anti-Money Laundering Council外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

5th Flr. EDPC Building, BSP Complex, Mabini Corner Vito Cruz Streets, Malate, Manila, Philippines
Tel:63-2-(8) 708-7701(内線:3083, 3084)
Fax:63-2-(8) 708-7909
E-mail:secretariat@amlc.gov.ph

21 トランプ相場管理

変動相場制

貿易取引

輸出入決済のための外貨交換

認可代理銀行(Authorized Agent Bank:AAB)は、中央銀行(BSP)の事前許可に基づき、輸出入決済のための外貨交換を行っている。ただし、次の仕組みを利用した対外支払いに必要な外貨の購入にあたっては、BSPの事前許可は不要(ただし、個別商品によっては産業政策などの観点から輸入許可が必要な場合がある)。

  1. 輸入(21 トランプ8条、中央銀行回状(Circular)第874-2015号)
    1. 信用状(L/C)
    2. 支払い渡し(D/P)
    3. 引受渡し(D/A)
    4. 交互計算(O/A)(銀行以外の関連当事者の間でのネッティング(一定期間に債権から債務を差し引いた差額を決裁する)を含む。ネッティングは、サービス貿易についても利用できるが、外国からの、または外貨での貸付や投資には利用できない)
    5. 直接送金(DR)
    6. 前払い
  2. 輸出(21 トランプ18条、中央銀行回状(Circular)第874-2015号)
    1. L/C
    2. D/Pまたは船積書類引換現金払い(CAD)
    3. D/A
    4. O/A(銀行以外の関連当事者の間でのネッティングを含む)
    5. 委託販売
  3. その他(21 トランプ14条)
    銀行システムを通じて購入した外貨を使用しない輸入取引支払いの場合
    1. 自己資金(ドルを除く)による輸入
    2. 委託販売(consignment

貿易外取引

外国為替取引の原則、21 トランプ、民間貸付けに関する規定、認可代理銀行(AAB)の登録

外国21 トランプ取引の原則

  1. 居住者による外貨の取得
    居住者が通商以外の方法で外貨を取得した場合、当該外貨はどのような目的にも自由に使用することができる(21 トランプ1条)。

    居住者は、貸付または投資に関するものではなく、通商以外の目的(教育費用、医療費、旅費、国外居住者への給与等)で非居住者に支払いをするためであれば、中央銀行(BSP)の事前承認なしで認可代理銀行(AAB)にて外貨を購入することができる。ただし、購入申込書の提出が必要であり、また、50万ドル相当額(対個人)または100万ドル相当額(対会社その他組織)を超過する場合には、申込書に加えて所定の証拠書類の提示も求められる(21 トランプ2条)。

  2. 外貨およびフィリピンペソの持ち込みまたは持ち出し
    フィリピン国内への外貨持ち込み額および国外への外貨持ち出し額に関する規制はないが、1万ドル相当額を超える外貨を持ち込みまたは持ち出す場合には、申告をしなければならない(21 トランプ4条2項)。

    また、5万フィリピンペソを超える次の取引は、BSPの許可を要する(21 トランプ4条1項)。

    • 現金および小切手・21 トランプ手形等をフィリピンで営業する銀行から引き出す場合
    • フィリピンへの(からの)持ち込みおよび持ち出し、または電子送金をする場合

非居住者の旅行者または帰国海外労働者(バリクバヤン)が出国する際には、当初フィリピンペソに両替した額を上限として、AABで外貨を購入し、国外へ持ち出すことができる。また、使用しなかったフィリピンペソを1万ドル相当額以下の外貨に両替して国外に持ち出すことができ、この場合にはフィリピンペソへの両替の証拠を示す必要はない(21 トランプ3条2項c)。

さらに、内国歳入庁(BIR)は、2024年1月22日に歳入通達(RMC)第12-2024号を発行し、税務および財務報告目的の外国21 トランプ(FX)取引に関するガイドラインを明確化した。このRMCでは、外貨取引は、取引日の直物21 トランプレート、特にUSD-PHP換算のためのフィリピン銀行協会(BAP)レートを使用してフィリピンペソ(PHP)に換算することが義務付けられている。他の通貨を含む取引やBAPレートが現実的でない場合、納税者は代替21 トランプレート(BSPや金融プラットフォームなど)を使用することができるが、選択したレートの出所と根拠を説明する公証宣誓書をBIRに提出しなければならない。
重要な点は、実現損益と未実現損益を分離し、実現損益のみを課税所得とすることである。再測定から生じる未実現損益は課税所得から除外されるが、財務記録上、繰延税金資産または負債が発生する可能性がある。さらに、税務申告のために21 トランプ差損益を相殺することは厳格に禁止されており、また、税務と会計慣行の一貫性を確保するため、21 トランプ差損益の源泉の選択は課税年度において取り消すことができない。

21 トランプ

フィリピン国内で営業する認可代理銀行(AAB)によって開かれ維持される外国銀行を含む非居住者のペソ口座には、以下の方法でのみ入金をすることができる(21 トランプ3条1項、BSP回状(Circular)第815-2013号、BSP回状(Circular)第1030-2019号)。

  1. 国際通貨(BSPが交換レートを掲げている一定の通貨)での入金
  2. 現行法下において、非居住者に保有することが認められているフィリピンの資産から非居住者が得たペソ建ての収益またはその資産のペソ建ての売却対価
  3. 居住者が非居住者であるサービス提供者に対して送金をするために、認可代理銀行(AAB)およびその外為会社(AAB-forex Corps)から外国21 トランプを購入することができる場合において、非居住者から居住者に対して提供された役務の対価として受領されたペソ建ての金銭
  4. 1年未満の契約に従ってフィリピンで働く外国人に対する給料、手当、その他のペソ建てでの給付金
  5. フィリピンにおいて、少なくとも1セメスター以上学ぶ外国人留学生および非居住者のフィリピン人のペソ建てでの資金
  6. 借入もしくは貸付有価証券による投資のために利用される担保金または同様のアレンジ
  7. 非居住者によって発行された、フィリピン証券取引所(Philippine Stock Exchange:PSE)に上場された株式および社債に対するペソ建ての売却対価

2.~7.のペソ建て資金については、当該ペソ建て資金と同等の額を上限として、BSPの事前の承認なく、所定の申告書を提出することによって、外貨に交換することができる(21 トランプ3条2項a、BSP回状(Circular)第1030-2019号)。

1.のペソ建て資金については、外国直接投資および/またはポートフォリオ商品のために使われなければならず、外貨への完全な転換をするためには、BSPの事前許可を得るか、21 トランプ第2章(外国投資)および関連規定に従って、BSPまたは証券保管銀行(Custodian Bank)に登録をする必要がある(外貨取引規則マニュアル3条2項a)。

7.のペソ建ての資金については、非居住者である発行人またはその代表者は、7.のペソ建て口座の預金額を上限として、BSPの承認上の原本を提示し、所定の申告書を提出することにより、外貨を購入することができる(21 トランプ3条2項b、BSP回状(Circular)第1030-2019号)。

民間貸し付けに関する規定

BSP(中央銀行)は、非居住者への/外国通貨建ての融資/借入(担保、手形、その他の債務の形式を含む)が、債務者の負担能力に鑑みて、正しい手順で提供されるように統制しなければならないとされる(21 トランプ22条General Policy、BSP回状(Circular)第1030-2019号)。
また非居住者への融資/借入についても、銀行規定マニュアル(Manual of Regulations for Banks:MORB)の関連規定、その他適用される法、規則、規定に従わなければならない(21 トランプ22条5項)。

  1. 政府等の公的機関の融資/借入(21 トランプ23条)
    公的機関(中央政府およびその代理・代行機関、政府所有・管理下の企業、政府金融機関および地方自治体を含む)の融資/借入には、BSPの通貨委員会(Monetary Board)の事前承認を要する。ただし、以下の公的機関の融資については、BSPの事前承認は不要。
    1. 短期の銀行間借入
    2. 所定のフォームによりBSPに正式に報告されたフィリピン国内運営の銀行からの短期外貨建て融資のうち、次の者によるものでそれらの商品・サービス等の費用に用いられるもの
      1. 商品・サービスの輸出業者
      2. 生産者/製造業者(石油会社、公益事業会社を含む)
  2. 民間の融資/借入(21 トランプ24条、BSP回状(Circular)第1030-2019号)
    1. 認可代理銀行(AAB)またはその外為会社(AAB-forex corps)を資金源とした、政府機関から保証を受けた民間の、非居住者への/外貨建ての融資/借入には、BSPの事前承認およびBSPへの登録を要する。
    2. 認可代理銀行(AAB)またはその外為会社(AAB-forex corps)を最終的な資金源とした、政府機関からの保証を受けていない民間の非居住者への融資/借入で、次のc.に該当しないものについては、BSPへの登録を要する。
    3. 次の民間への融資は、BSPの事前承認およびそれに続く登録は不要。ただし、所定のフォームによりBSPへ正式に報告されることを条件とする。
      1. フィリピン国内運営の銀行からの、居住者である借入者の外国通貨建て融資で、政府機関からの保証を受けておらず、かつ、債権者たる銀行からBSPへ所定のフォームによって報告がなされているもの
      2. 海外の買い手から、居住者である輸出者/借主が輸出前貸しの形式にて借りる短期貸し付け
      3. 外国政府/公式の輸出信用機関により保証されておらず、1年以上の期間を有する、据え置き信用状(L/C)、引受渡し(D/A)または交互計算(O/A)による居住者の海外での支払い義務
      4. OBU(国際金融支社)やBSPに報告される融資プログラムのもと認められた非居住者かつ非銀行の債権者からの、居住者である輸出者/輸入者による短期貿易融資(ただし、所定の報告がBSPに提出されていることを条件とする)
    4. リファイナンスのための義務がBSPに正式に登録または報告されていることを条件として、既存の外国貸付/借入または外国通貨貸付/借入をリファイナンスするために、民間外国貸付/借入または外国通貨貸付/借入を取得することができる(BSP回状(Circular)第1030-2019号)。

認可代理銀行(AAB)の登録

登録認可代理銀行(AAB)は、非居住投資家がその投資を登録するために指定した外貨預金ユニット(FCDU)を運営する権限を持つ銀行である。登録認可代理銀行(AAB)は、登録認可代理銀行(AAB)に登録された投資に関するレポートに基づいて、登録された投資に関するすべての取引を定期的に報告する。
一定の投資の登録については、指定された登録認可代理銀行(AAB)に行う必要がある。

投資資金として送金された21 トランプ取引は、21 トランプ取引による資金調達が必要な場合を除き、認可代理銀行(AABs/AAB)外国21 トランプ部によってペソに変換される必要がある。

非居住投資家またはその正式に承認された代理人は、指定された登録認可代理銀行(AAB)に登録されたすべての投資を対象とする所定の形式で正式に作成された「情報開示権限」を登録認可代理銀行(AAB)に提出する(BSP回状(Circular)第1030-2019号)。

2024年4月11日付BSP回状(Circular)第1192-2024に基づき、21 トランプが改正され、以下の変更が導入された。

  1. 政府証券やフィリピン証券取引所上場証券への非居住者投資など、登録認可代理銀行(AAB)に登録可能な外国投資は、中央銀行(BSP)に報告する登録認可代理銀行(AAB)を通じて登録できるようになった。この場合、改正されたFXマニュアルの付録10.Bおよび10.Cの該当するガイドラインを遵守することが条件となる。
  2. 認可代理銀行を通じて登録された外国投資に対するBangko Sentral Registration Documents(BSRDs)の発行は廃止された。

さらに、2024年7月4日に発行された金融委員会(MB)決議第764号は、外国21 トランプ取引規制マニュアルの主要な改正を実施するものである。これは、報告ガイドラインを強化し、違反に対する新たな罰則を定義するものである。特筆すべき変更点として、取引違反に対する最高罰金額を100万ペソとし、継続的な違反に対しては1日当たり10万ペソとした。本決議では、中央銀行(BSP)の規制下にある金融機関は、正確かつ適時に、コンプライアンスを遵守した報告書を提出しなければならないと規定し、コンプライアンス違反は「誤謬」、「遅延」、「未提出」に分類され、違反の度合いや頻度に応じて罰則が段階的に強化される。同決議はまた、罰則の不服申し立て手続きについても概説しており、最終的な決定は中央銀行(BSP)総裁と金融委員会が行い、金融セクターにおける説明責任とデータの正確性を高める中央銀行(BSP)の取り組みを強調している。

資本取引

資本金や配当金の海外送金、証券取引委員会(SEC)代替取引システム、暗号資産交換所ガイドラインの制定、リスクベース自己資本比率(RBCA)の採用、保証預金額引き上げについて

資本金や配当金の海外送金

外国投資家が、資本の再配分ならびに資本から発生した配当、利益、および収益金をペソで送金するために、外国為替を認可代理銀行(AAB)またはその外為会社(AAB-forex Corps)から購入する場合、外国投資を中央銀行(BSP)に登録する必要がある(21 トランプ32条)。

登録については、現金投資と現物投資の両方が直接投資の対象となる。現物投資として登録が認められる資産には以下が含まれる(21 トランプ32条、BSP回状(Circular)第1030-2019号)。

  • 機械および設備
  • 原材料、消耗品、交換用部品
  • その他フィリピンに実際に移転されるもの、および無形資産

正しく登録された外国投資は、認可代理銀行(AAB)またはその外為会社(AAB-forex Corps)の外国為替資源を利用して、資本の再配分ならびに配当、利益および収益金を即時に送金することが認められる(21 トランプ38条、BSP回状(Circular)第1030-2019号)。国内での再投資または本国への資金回帰が留保されている間、正当に登録された外国投資案件のペソ売却/売却手続およびその関連収益は、非居住投資家が認可代理銀行(AAB)に保有しているペソ銀行口座に一時的に預金できる。当該ペソ売却益の等価外国為替による最終的な本国送金は、(適用される税控除後の)利息を含め、付属書のガイドラインに従い、BSPの事前承認なしに認可代理銀行(AAB)を通じて全額行われる(21 トランプ41条、BSP回状(Circular)第1030-2019号)。

なお、外国資本による対内直接投資は、必ずしもペソ建てで行われる必要はない(ただし、外国銀行の支店について、銀行規定マニュアル(MORB)により、ペソ建ての資本金が要求されている場合には、ペソ建てで行われなければならない)(21 トランプ36条、BSP回状(Circular)第937-2016号、BSP回状(Circular)第1030-2019号)。

非居住者は、BSPの事前承認を必要とせずに、居住者から外貨を借りることができる。また、非居住者がBSPに外国投資を登録する際、単一のフォームで登録することができる(21 トランプ36条、BSP回状(Circular)第1171-2023号)。

詳細:

証券取引委員会(SEC)代替取引システム

2004年3月4日、SECは代替取引システム(Alternative Trading System:ATS)に関する規則を発表した。SEC登録済みもしくは認可済みの証券の買い手と売り手の仲介や、証券交換所の機能代行を目的として、エレクトロニクス市場を提供する。ATSを利用するにはSECに登録する必要があり、登録期間中はATSの規則に従う義務を有する。

規則では、ATS取引への公正なアクセス、自動取引システムの容量、完全性、安全性、ATS上で取引される商品に関する情報の投資家への情報開示、ATSが行われる場所、システム、記録に対する調査での協力、取引情報の機密扱い、ATS上で取引される証券の登録の際の要件、公開当初、二次取引、交換、決済、報告義務、認可の一時停止または剥奪の根拠、禁止行為、SECに支払う料金と罰金などが定められている。2004年4月5日発効。

暗号資産交換所ガイドラインの制定

2017年1月19日、BSP回状(Circular)第944-2017号が発行され、暗号資産の交換サービスを行う者には、登録証(COR)を取得しなければならず、リスク管理、セキュリティコントロールおよび内部統制システムの構築が求められること等が定められた。1回で50万ペソまたはその相当額を超える金額の払い出しをする場合には、小切手または口座への直接支払の方法のみが認められている。

2019年、証券取引委員会(SEC)は、フィリピン国内におけるデジタル資産取引所(DAE)の運営と規制に関する包括的なガイドラインとなる「デジタル資産取引所(DAE)に関する規則」の草案を発表した。主なポイントは以下のとおり。

  1. 登録と認可:DAEは自己規制機関(SRO)として登録し、厳しい資格要件と資本要件を遵守しなければならず、投資家の保護と透明性を確保する。
  2. マネーロンダリング防止(AML)およびテロ対策:DAEは、強固なAML/CFT対策、リスクベースの顧客評価、定期的なコンプライアンス・モニタリングの実施を義務付けられている。
  3. テクノロジーガバナンスとサイバーセキュリティ:DAEは、安全なITインフラを維持し、暗号化によってデータを保護し、システム保守、災害復旧、サイバーセキュリティのためのプロトコルを開発しなければならない。定期的な侵入テストと脆弱性評価は必須である。
  4. 市場操作と不正行為の防止:市場操作、インサイダー取引、その他の不正行為を防止するための厳格なルールが設けられているほか、利用者に正確な情報を提供するための広告ガイドラインも設けられている。
  5. デジタル資産の上場と取引:DAEはSECの審査に基づき、デジタル資産を上場する権限を有する。要件は、資産の安全性、トレーサビリティ、分散型台帳技術の実用化を考慮する。
  6. 懲戒権限:DAEは規則違反に対して、上場停止や上場廃止などの罰則を科すことができ、SECを通じて不服申し立て手続きを行うことができる。
  7. 投資家に対する責任:DAEは、投資家教育、資本準備、継続的な報告について高い基準を維持し、透明性と財務の健全性を確保しなければならない。

証券取引委員会(SEC)は、2024年後半までに「デジタル資産取引所に関する規則」の最終版を公表すると発表したが、2024年11月1日時点で、まだ公表されていない。規則案の全文には次のウェブサイトからアクセスできる。
SEC:デジタル資産取引所に関する規則案(The Proposed Rules on Digital Asset ExchangePDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(3.4MB)

金融商品・サービス消費者保護法(共和国法第11765号)

2022年5月6日、「金融商品・サービス消費者保護法」としても知られる共和国法第11765号が署名された。これは、フィリピンにおける金融商品・サービスの消費者に対する包括的な保護を定めるものである。主な規定は以下のとおり。

  1. 適用範囲:この法律は、銀行、保険会社、デジタル金融サービスプロバイダーなど、金融業者が提供するすべての金融商品・サービスに適用される。
  2. 消費者の権利:同法は、消費者の情報、詐欺や虐待からの保護、救済制度へのアクセスに関する権利を強調している。消費者は、金融商品に関する明確で正確、かつ理解しやすい情報を提供されなければならない。
  3. 情報開示と透明性:金融サービス提供者は、金融商品に関する条件、手数料、リスクを開示しなければならない。消費者の金融商品に対する誤解を防ぐため、誤解を招くような広告は禁止されている。
  4. データ・プライバシー:金融業者は、データ・プライバシー法で定められた原則に従い、消費者のデータ・プライバシーを保護することが求められている。
  5. 規制監督:同法は、フィリピン中央銀行(BSP)、証券取引委員会(SEC)、保険委員会(Insurance Commission)などの金融規制当局に、消費者保護のための規則の制定、調査の実施、違反に対する罰則を課す権限を与えている。
  6. 苦情解決:金融業者は苦情処理機構を設置しなければならない。同法は、消費者からの苦情に効率的に対処するため、調停、和解、その他の紛争解決方法を規定している。
  7. 違反に対する罰則:コンプライアンス違反は、行政罰、免許の一時停止、取り消しの対象となり、金融機関のアカウンタビリティを確保する。

さらに2023年1月5日、SECは共和国法第11765号、すなわち金融商品・サービス消費者保護法(FCPA)の施行規則(IRR)草案を公表した。このIRRは主要な消費者保護措置の概要を示している。主な点は以下のとおり。

  1. 執行権限:SECは罰則を課し、業務を停止し、営業停止命令を出し、違反による利益の没収を要求することができる。有罪判決を受けた企業は罰金を科され、責任ある役員はその責任を問われる。
  2. 消費者保護対策:金融サービス提供者は、消費者リスクを監視・軽減するため、消費者保護リスク管理システム(CPRMS)を導入しなければならない。また、金融消費者保護支援機構(FCPAM)を通じて、無料の苦情支援を提供することが義務付けられている。
  3. 債権回収の慣行:この規則では、乱暴な債権回収の手口を禁止しており、回収業者は誠意を保ち、脅迫的または乱暴な言葉を避けることを義務付けている。
  4. クーリングオフ・ポリシー:金融業者は、消費者が販売圧力なしに金融商品のリスクとコストを評価する時間を与えるために、クーリング・オフ期間を採用する必要がある。
  5. ローンの繰り上げ返済:消費者は最小限の管理コストでローンを繰り上げ返済することができ、柔軟性を促進する。

この枠組みは、SECが金融サービスにおける公正な慣行と透明性を確保し、消費者の権利を強化することを目的としている。草案の全文には次のウェブサイトからアクセスできる。
SEC:金融商品・サービス消費者保護法(FCPA)の施行規則(IRR)草案(Draft Implementing Rules of Financial Consumer Protection Law外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

リスクベース自己資本比率(RBCA)の採用

2004年7月署名のSEC覚書(SEC Memorandum Circular)第10-2004号により、すべてのSEC登録証券ブローカーおよびディーラーに対し、リスクベース自己資本比率の採用が義務付けられた。

保証預金額引き上げについて

共和国法(RA)第9576号(2009年6月1日発効、共和国法第9302号の修正)によりフィリピン預金保険機構(PDIC)の定款が改正され、保証預金額の上限が25万ペソから50万ペソへ引き上げられた(2004年に、10万ペソから25万ペソに引き上げられたことがある)。
新定款の下では、保証預金の払戻請求ができる期間は、PDICが閉鎖銀行を管理下に置いた時点から2年以内とされる。期間内に請求を行わなかった場合、預金者がPDICに対して有する債権はすべて失われる。

関連法

21 トランプ(Manuals of Regulations on Foreign Exchange Transaction)、中央銀行回状(Circular)第874-2015号、反マネーロンダリング法(共和国法第9160号、修正版第10365号)、中央銀行回状(Circular)第1005-2018号、第1006-2018号、第1030-2019号、第1171-2023号、BSP回状(Circular)第1192号(外国為替取引に関する新規則を定め、21 トランプ(MORFXT)をさらに改正する外国為替取引規制の改正)。

その他

中央銀行による外国21 トランプ操作権限(共和国法第7653条に基づく)、米ドル/日本円の再割引/貸出金利の改正(MORB第282条、BSP回状(Circular)第1167-2023号)

通貨の安定とペソの交換性の推進および維持のために、中央銀行(BSP)は通貨委員会を通じて、フィリピンにおける外国21 トランプ操作に一定の制限を課すことができる(BSPによる外国21 トランプ売却の一時的な停止または制限、居住者またはフィリピンで営業する企業が取得するあらゆる外国21 トランプをBSPがその目的のために指定する銀行または代理人に引き渡すという条件を課すことなど)。なお、外国21 トランプ取引に係る中央銀行(BSP)規制において、外国21 トランプ取引に関する質問とそれに対する回答が公表されている。
また、米ドル/日本円の再割引レートおよび適用される再割引レートの公表スケジュールに関する、銀行向け再割引/貸出レート規制マニュアル(MORB)第282条の規定が改正された。