日本からの輸出に関する制度

コメ・米粉の輸入規制、輸入手続き

品目の定義

本ページで定義するコメ・米粉のHSコード

1006.10:もみ
1006.20:玄米
1006.30:精米
1006.40:砕米
1102.90:米粉

香港の輸入規制

1. 輸入禁止(停止)、制限品目(放射性物質規制等)

調査時点:2022年7月

コメ・米粉について日本から輸入が禁止されている品目はありません。
また、コメ・米粉に関する特別な放射性物質規制もありません。

2. 施設登録、輸出事業者登録、輸出に必要な書類等(輸出者側で必要な手続き)

調査時点:2022年7月

日本からコメ・米粉を輸出するにあたって、香港側から求められる特別な許可などはありません。

農林水産省では、販売などの目的でコメを輸出する場合には、事前に地方農政局などへ輸出数量の届け出を行うことを義務付けています。届け出を行わなかったり、虚偽の届け出によりコメを輸出したりした場合には、20万円以下の過料に処せられることがあるため注意が必要です。詳細は関連リンクの「米麦等を輸出される方へ」(農林水産省)を確認してください。ただし、個人的使用に供するために非商業的に輸出される米穀や、米粉などの米加工品は届け出義務が免除されます。

3. 動植物検疫の有無

調査時点:2022年7月

日本からコメ・米粉を輸出する場合、輸入検疫の対象になっていません。
日本側で植物検疫証明書を取得する必要はありません。

香港の食品関連の規制

1. 食品規格

調査時点:2022年7月

コメ・米粉に関する特別な食品規格はありません。
包装済み食品については、コーデックス委員会(CODEX)の食品規格にあるように食品の成分とその添加物について適切に表示しなければなりません。

2. 残留農薬および動物用医薬品

調査時点:2022年7月

香港では使用される農薬について、ポジティブリスト制を採用しています。「食品中の残留農薬の規則」(Cap.132CM Pesticide Residues in Food Regulation)Schedule 1に挙げられている、農薬と食品との組み合わせごとに定められている最大残留基準値あるいは外因性最大残留許容量に照らし、含有量が規定値を超えている場合、該当する食品の輸入・販売などは禁止されています。また、Schedule 2には規制対象外の農薬が挙げられています。

3. 重金属および汚染物質

調査時点:2022年7月

重金属規制
2019年11月から施行された「2018年食品混入不純物(金属汚染物質含有量)(改正)規則」(Cap.132V Food Adulteration (Metallic Contamination)(Amendment)Regulations 2018)では、規制対象となる「特定金属」の含有上限量とそれに対応する「特定食品」を列挙しており、当該食品が「特定食品」を原料として含む場合には、同法の基準に従う必要があります。
規制対象となる「特定金属」と「特定食品」の組み合わせおよび含有上限量については、「食品混入不純物(金属汚染物質含有量)(改正)規則」の付表第2部(Part 2 Maximum Level of Metal in Food)にリスト化されています。
複数の原料から構成される「複合食品」についても、「特定食品」が配合されている場合には規制対象となります。また、改正規則3(4)に規定されたとおり、「複合食品のすべての原料が特定食品に該当する場合」には、「(当該)複合食品に含まれる特定金属の上限量は、各原料の特定金属の上限量に、この複合食品に含まれる各原料の割合、重量比を乗じた値の合算」となります。
加えて、「特定金属」ではない金属であっても、危険値であるまたは有害性が疑われるような量の金属を含有する食品は、いかなるものでもヒトの消費用に輸入・委託・配送・製造・販売することが禁止されています。
ヒ素および重金属などの許容量リスト(コメ・米粉に関連するもの)
特定金属 特定食品 含有上限量
ヒ素(無機ヒ素として) 玄米 0.35ppm
精米 0.2ppm
アンチモン 穀物 1ppm
カドミウム 玄米・精米 0.2ppm
クロム 穀物 1ppm
穀物 0.2ppm
水銀(総水銀として) もみ・玄米・精米 0.02ppm
有害物質規制
有害物質に関しては「食品有害物質規則」(Cap.132AF Harmful Substances in Food Regulations)(香港特別行政区基本法)のSchedule 1に挙げられている物質が規定量を超えている場合、また同Schedule 2に挙げられている物質が含まれている場合、該当する食品の輸入・販売などは禁止されています。
2021年7月14日には、「2021年食品有害物質(改正)規則(Harmful Substances in Food (Amendment) Regulation 2021)が可決されました。この規則により、一部成分の許容基準値が改正または新設となり、2023年6月1日から施行されます。コメ・米粉に関連する有害物質のうち、改正または新設となったものについては、次の表を参照のうえ、関連リンクの内容を確認してください。
改正または新設となった食品有害物質の許容量リスト(2023年6月1日より有効)
特定有害物質 特定食品 含有上限量
アフラトキシンB1 乳タンパク質から製造された調整乳を除く、乳児用調製粉乳およびフォローアップミルク 0.1µg/kg
生後36カ月以下の乳幼児による摂取を前提とした、上記以外のすべての食品 0.1µg/kg
アフラトキシン総量
(アフラトキシンB1、B2、G1、G2の合計)
調理前のアーモンド、ブラジルナッツ、ヘーゼルナッツ、ピーナッツおよびピスタチオ 15µg/kg
調理前のピーナッツ、アーモンド、ブラジルナッツ、ヘーゼルナッツおよびピスタチオから製造された食品 15µg/kg
香辛料 15µg/kg
その他の食品 10µg/kg
メラミン 生後12カ月以下の乳幼児による摂取を前提とした乳児用調製液体乳および液体フォローアップミルク 0.15mg/kg
上記以外の乳 1mg/kg
生後36カ月以下の乳幼児による摂取を前提としたその他の食品 1mg/kg
妊婦および授乳中の女性による摂取を前提としたすべての食品 1mg/kg
その他のすべての食品 2.5mg/kg
デオキシニバレノール 生後36カ月以下の乳幼児による摂取を前提とした穀物由来の食品 200µg/kg

さらに、トランス脂肪酸の主原因である水素添加油脂の使用については、部分的禁止や原材料表示などの新たな規則が設けられ、改正後の規則は2023年12月1日から施行されます。関連リンクなどを参照のうえ、確認してください。

関連リンク

関係省庁
香港食品安全センター(CFS)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
香港特別行政区基本法「2018年食品混入不純物(金属汚染物質含有量)(改正)規則」〔Cap.132V Food Adulteration (Metallic Contamination)(Amendment) Regulations2018〕(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(355KB)(カジノ 無料仮訳)
香港特別行政区基本法「食品有害物質規則」(Cap.132AF Harmful Substances in Food Regulations)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(カジノ 無料仮訳)
香港特別行政区基本法「2021年食品有害物質(改正)規則」(Harmful Substances in Food (Amendment) Regulation 2021)(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(224KB)(カジノ 無料仮訳)
その他参考情報
香港食品安全センター「食品微生物含有量ガイドライン」(Microbiological Guidelines for Food)(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(1.6MB)
香港食品安全センター「食品に関する法律/ガイドライン」(Food Legislation / Guidelines)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
香港食品安全センター「2018年食品混入不純物(金属汚染物質含有量)(改正)規則ガイドライン(Food Adulteration (Metallic Contamination) (Amendment) Regulation 2018)(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(1MB)(カジノ 無料仮訳)
香港特別行政区基本法「2021年食品有害物質(改正)規則ガイドライン」(Harmful Substances in Food (Amendment) Regulation 2021)(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(628KB)(カジノ 無料仮訳)
カジノ 無料「香港の食品安全規則、立法会で改正(ビジネス短信)」PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)

4. 食品添加物

調査時点:2022年7月

香港では着色料・甘味料・食品保存料に関する規則があります。

着色料に関しては「食品着色料規則」(Cap.132H Colouring Matter in Food Regulations)Schedule 1に挙げられている着色料を使用することができます。また、天然色素については、同規則には掲載されていませんが一部は使用が認められています。その他参考情報の「許可された着色料:天然色素」を参照してください。
甘味料に関しては「食品甘味料規則」(Cap.132U Sweeteners in Food Regulations)Scheduleに挙げられている甘味料を使用することができます。

食品保存料に関しては「食物中の保存料規則」(Cap.132BD Preservatives in Food Regulation)のSchedule 1, No.6に挙げられている食品保存料を、規定量の範囲内で使用することができます。

5. 食品包装規制(食品容器の品質または基準)

調査時点:2022年7月

なし

6. ラベル表示

調査時点:2022年7月

「食品および薬品(成分組成および表示)規則」(Cap.132W Food And Drugs(Composition And Labelling)Regulations)に基づき、香港内で販売する食品に対して食品製造業者および包装業者は、次の項目を英語または中国語、あるいは英語と中国語の併用で表示することが求められます。

  1. 食品名
  2. 原材料リスト(原材料、アレルギー性物質、添加物を含む)
    • 原材料:重量または容量の多い順に表示する。ただし、単一の原料で構成されているものについては不要
    • アレルギー性物質:グルテンを含む穀物、甲殻類および甲殻類製品、卵および卵製品、魚および魚製品、ピーナッツ・大豆およびそれらの製品、乳および乳製品(乳糖を含む)、木の実とナッツ製品、10ppm以上の亜硫酸塩
    • 添加物:コーデックス委員会(CODEX)による国際番号システム(INS)に基づく(a)機能分類および(b)名称または識別番号または「E」もしくは「e」から始まる識別番号
  3. 賞味期限または消費期限
    • 賞味期限(“best before”)および消費期限(“use by”)は、アラビア数字、または英語または中国語で表示する必要がある
      例: Best before: 1 Oct 2016(英語)、此日期前最佳: 2016年10月1日(中国語)
  4. 保管に対する特別な条件、または使用上の注意に関する説明
  5. 製造業者または包装業者の名称と住所
    ただし、次の条件が満たされる場合には、表示義務が免除されます
    1. 次の(ア)~(ウ)の情報が印字またはラベル表記されている場合
      1. 原産国
      2. 香港における販売業者や商標所有者の名称
      3. 香港における販売業者や商標所有者の登記済み事務所または本社の所在地
    2. 香港における販売業者や商標所有者により、原産国における食品製造業者や包装業者の正式所在地が書面で当局に通知されている場合
    3. 次の(ア)および(イ)を満たす場合
      1. 原産国のラベル表記に加え、当該国での製造業者または包装業者を特定するコードが表示されている
      2. コードおよびコードに紐づけられた製造業者や包装業者の詳細が、当該製造業者または包装業者、あるいは香港における販売業者または商標所有者により、書面で当局に通知されている
    4. 食品の製造工場または包装工場その他の場所が、原産国の政府により所有、操業、または経営されており、当該食品が当該政府の製品であることを示す方式で印字またはラベル表記されている場合
  6. 数量、重量または容量
    1. 包装済み食品は、内容物の数量、または食品の正味重量や正味体積を明確に表記またはラベル付けする必要がある
    2. 正味重量および正味体積は、実行可能な限り、「度量衡条例」 (Cap. 68) または「メートル法条例」(Cap. 214)の第1附則に規定される国際単位基準に従って表示するものとする(ただし、許容誤差については規定なし)
  7. 栄養成分(必須項目:エネルギー、タンパク質、炭水化物、総脂質、飽和脂肪酸、トランス脂肪酸、ナトリウム、糖。免除項目は表示規則の付表6を参照)
    ※ただし、生鮮、および包装食品でほかの成分が添加されていないものについては、栄養表示は不要(付表6-10)

表示またはラベル貼付規制の免除は、表示規則の付表4「付表3の規定を免除される項目」(Items exempt from Schedule 3)で確認してください。
また、バイオテクノロジーの原料を含む食品(GM食品など)の表示は現在任意で行われています。

さらに、ビジネス上支障が生じるなどの事情がある場合には、ラベル表示に製造業者もしくは包装業者の代わりに、現地の卸業者(ディストリビューター)の情報記載をすることも可能です。詳しい手続きについては、関連リンクの「加工食品表示ラベルに卸業者の記載が可能に」などを参照のうえ、確認してください。

有機食品の表示について
有機食品に「有機」や「オーガニック」などを表示して輸入販売する際には、生産、取り扱い、加工、マーケティングの各過程で特定の有機規格に従い生産され、その原産国の認証機関または当局によって認められた場合にのみ、「有機」や「オーガニック」と表示することができます。
有機規格には次のような定義が含まれます。
  • 栽培の過程で、化学農薬や化学肥料の使用が控えられていること。農作業においては輪作、動植物の肥料、手による除草、および生物学的害虫駆除が重視されていること。
  • 動物飼育の過程で、抗生物質、成長ホルモン、およびその他の動物飼料添加物の使用が控えられていること。
  • 遺伝子組み換えや電離放射線が施されていないこと。
なお、日本の「有機JASマーク」は香港FEHDが例示する有機認証マークの一例として掲げられており、日本国内で当該認証を受けた有機食品について「有機」や「オーガニック」と表示して輸入販売することができます。

7. その他

調査時点:2022年7月

食品や農水産物で問題や事故が起きた際に、その流通経路をさかのぼった追跡・確認を可能にするため、「食物安全条例」(Cap.612 Food Safety Ordinance)では食品輸入業や食品卸売業を行うすべての事業者に対し、食物環境衛生署(FEHD)への登録が義務付けられています。ただし、FEHDで香港ホーカー(屋台)のライセンスを取得済み、FEHDに食品輸入業者として登録されているなどの場合、卸売業者の登録は免除されます。

香港での輸入手続き

1. 輸入許可、輸入ライセンス等、商品登録等(輸入者側で必要な手続き)

調査時点:2022年7月

コメについて
香港ではコメが定期的かつ安定して供給されることを目的として、輸入米は認可統制の対象となっています。コメは「備蓄商品(備蓄商品の輸出入管理)規則」(Cap.296A Reserved Commodities (Control of Imports, Exports and Reserve Stocks) Regulations)の備蓄品目の対象となっており、その輸出入は登録制となっています。そのため、コメを輸入する企業は、在庫保有者登録と輸入ライセンスを取得することが必要となり、登録を行えるのは、「商業登記条例」(Cap.310 Hong Kong Business Registration Ordinance)に基づき香港で商業登記した企業に限られます。
香港全体で、約15日分の消費に十分な量のコメの備蓄を常に維持するために、輸入業者は在庫保有者として香港工業貿易署(TID)に登録のうえ、コメの備蓄在庫を維持する責任を分担します。登録の条件として、在庫保有者は輸入期間内に申告者が輸入すると保証した量と同じ量を輸入する必要があり、申告は輸入期間開始の6週間前までに行わなければなりません。
コメの輸入ライセンスは香港工業貿易署(TID)にコメ在庫保有者として登録されている会社のみに発行され、輸入ライセンスは発行日より6週間有効で、1回の輸入に限り有効です。なお、ライセンス申請は輸入するコメの用途(商業的利用あるいは個人的利用)や数量にかかわらず行う必要があります。ただし、個人で消費あるいは贈呈するためのコメを携行品として持ち込む場合、15kgまでは輸入ライセンスなどの取得なしでの持ち込みが可能です。
コメの輸入手続きや規制状況の詳細については、香港工業貿易署(TID)の公表する「コメの輸出入管理スキーム」(Rice Control Scheme)を確認してください。
米粉について
米粉は、コメの輸入ライセンスの対象外となっていますが、香港食物環境衛生署(FEHD)への登録が義務付けられています。登録には、事業登録証明書(Business Registration)、身分証明書とその他の書類〔会社設立証明書(Certificate of Incorporation)など〕のコピー、および食品輸入業者・卸売業者登録申請書(Application for Registration as Food Importers / Food Distributors)を提出する必要があります。
ただし、コメの輸入ライセンスなど、「食物安全条例」(Cap.612 Food Safety Ordinance)で明記されている他の条例の下でライセンスを取得している事業者については、登録が免除されます。

関連リンク

関係省庁
香港食品安全センター(CFS)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
香港税関(Customs and Excise Department)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
香港工業貿易署(TID)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
根拠法等
香港特別行政区基本法「輸出入(登録)規則」〔Cap.60E Import and Export (Registration) Regulations〕(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
香港特別行政区基本法「備蓄商品条例」(Cap.296 Reserved Commodities Ordinance)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
香港特別行政区基本法「備蓄商品(備蓄商品の輸出入管理)規則」(Cap.296A Reserved Commodities (Control of Imports, Exports and Reserve Stocks) Regulations)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
香港特別行政区基本法「商業登記条例」(Cap.310 Hong Kong Business Registration Ordinance)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
食物安全条例「食品輸入業者および食品卸売業者の登録制度」(Food Safety Ordinance Registration scheme for food importers and food distributors)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
香港税関「コメ及び冷凍・チルドの肉類、家禽類について」(Rice, Frozen or Chilled Meat and Poultry)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
その他参考情報
香港工業貿易署(TID)「コメの輸出入管理スキーム」(Rice Control Scheme)(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(299KB)
香港工業貿易署(TID)「コメの輸出入」(Import and Export of Goods -Rice-)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
香港工業貿易署(TID)「コメ在庫保有業者への登録申請」(Application for Registration as a Stockholder of Rice)(英語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(1MB)
農林水産省「米の輸出について」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
カジノ 無料nd Food Safety Guidelines)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます
香港税関「コメの輸出入ライセンス」(Licensing Requirements for Import and Export of rice)(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

2. 輸入通関手続き(通関に必要な書類)

調査時点:2022年7月

すべての輸入(船積、航空貨物)商品には輸入陳述書(Import Statement)を添付しなければなりません。輸入商品に課税商品を含まない場合は、その旨を明記した陳述書を添付しなければなりません。輸入陳述書の添付は、「課税商品条例第109条」(Cap.109 Dutiable Commodities Ordinance)により義務付けられています。

通関に伴う提出書類は次のとおりです。

  • 積荷目録(マニフェスト)
  • エアウェイビル(航空貨物運送状)、オーシャンB/L(船荷証券)、またはほかの同様の書類
  • インボイスおよびパッキングリスト
  • 引渡し指図書(リリースレター)または貨物保管通知
  • 衛生証明書など(TIDにより提示が求められた場合)

香港への日本産食品の輸出に当たっての注意喚起

  • 香港において、2023年9月14日以降、日本から輸入された食品の通関手続が大幅に遅延する事例が一部で発生しています。香港政府によると、これは放射性物質規制とは無関係で、輸入貨物の集中に加え、通関手続において追加情報を求められるケースがあったことが原因であり、通関スタッフの増加によりスピードアップを図る方針が示されています。
  • 本件に際して香港政府は、通関手続に時間を要するのは複数の要因があるものの、貨物の集中のほか、添付書類の記載内容の明確さや完全さ等による場合があることから、特に個別のロットの中に異なる種類や異なる産地の食品が混載されている貨物の場合において、明確、完全かつ正確な書類を添付するよう、注意を呼び掛けています。
  • このことを踏まえ、各輸出業者におかれては、香港側の輸入業者と十分に連絡をとり、適切に対応するようにしてください。

3. 輸入時の検査・検疫

調査時点:2022年7月

香港では、「公衆衛生および市政条例第132章第59条」(Cap.132 Section59 The Public Health And Municipal Services Ordinance)に基づき、香港食物環境衛生署(FEHD)が輸入食品を検査する権限を有しています。

輸入時における通関では、積荷目録(マニフェスト)などの書類の検査、および必要に応じて輸入される商品のサンプル検査が行われます。サンプル検査に関しては、関連リンクの食品監視プログラム(Food Surveillance Programme)を参照してください。

4. 販売許可手続き

調査時点:2022年7月

コメの販売は、「備蓄商品(卸販売管理)規則」(Cap.296B Reserved Commodities (Control of Sales by Wholesale) Regulations)により規制されます。コメは備蓄商品とされるため、コメの販売には香港工業貿易署(TID)への備蓄商品の卸売業者登録が必要です。

また、「食品安全条例」の規定により、すべての食品に対して、食品卸売業者は香港食物環境衛生署(FEHD)署長に登録申請が必要です。ただし、TIDにコメ在庫保有者登録済み、FEHDから香港ホーカー(屋台)のライセンスを取得済み、FEHDに食品輸入業者として登録されているなどの場合、卸売業者の登録は免除されます。

さらに、「食品業規則」により、レストランや店舗の営業には、食品事業ライセンスの取得が必要です。

香港工業貿易署(TID)でのコメ在庫保有業者登録、香港食物環境衛生署(FEHD)での卸売業者登録の手続きの詳細については、次の内容および関連リンクを参照してください。

香港工業貿易署(TID)でのコメ在庫保有業者登録
  1. 「コメ在庫保有業者への登録申請」(Application for Registration as a Stockholder of Rice)に従い、次の事項を記載し、必要書類を添付したうえでTID署長から登録の許可を受ける必要があります。
    1. 記載事項
      • 企業名(登記名)
      • 本社および支社の企業所在地と連絡先
      • 登記番号
      • 設立年月日
      • 事業内容および取り扱う備蓄商品名(コメ)
      • 企業形態(個人事業主、合名会社、有限会社、公開会社)に応じた次の項目
        1. 個人事業主、共同経営者、議決権保有者の氏名(複数名が該当する場合には、それぞれの氏名を記載する。公開会社については、議決権付き株式の5%以上を保有する者の氏名を記載)
        2. (ア)に該当する各人のパスポート番号/HKID番号
        3. (ア)に該当する各人の事業利益の取得比率(合名会社の場合)、議決権の保有割合(有限会社や公開会社の場合)
      • 登録期間におけるコメの総輸入量
    2. 必要添付書類
      • 事業登記証(Business Registration Certificate)のコピー
      • 申請書に署名を行った代表者のパスポートあるいはHKIDのコピー
      • 個人事業主および合名会社の場合:
        商業登記所(Business Registration Office)が発行する登記簿抄本(Certified extracts of Information on the Business Register)のコピー
      • 限会社の場合:
        1. 会社設立証(Certificate of incorporation)および/あるいは企業名変更認可証(Certificate of Incorporation on Change of Name)のコピー
        2. 年次報告書あるいは公司註冊処(Companies Registry)の発行する代表者および議決権保有者のリストを記載した文書のコピー
  2. 申請後、14日以内に申請結果が通知されます。
  3. 申請料金は無料です。
香港食物環境衛生署(FEHD)での卸売業者登録
  1. FEHD署長あてに、取り扱う食品の種類および要求されているその他の書類を指定のフォーマットで提出(詳細は香港食品安全センター「申請フォーム」(Application Forms)を参照してください)。
  2. 初回申請には195香港ドルが課され3年間有効です。更新には180香港ドルが課され3年間の延長が認められます。

5. その他

調査時点:2022年7月

なし

香港内の輸入関税等

1. 関税

調査時点:2022年7月

輸入にかかる関税はありません。

2. その他の税

調査時点:2022年7月

なし

3. その他

調査時点:2022年7月

なし

その他

調査時点:2022年7月

なし