カジノ無料ゲームハチソンのパナマ運河港湾売却は延期、中国当局が調査

中国の国家市場監督管理総局は3月28日、香港の多国籍コングロマリットの長江和記実業（カジノ無料ゲームハチソン）によるパナマ運河の港湾やその他資産の売却計画（CKハチソン、ブラックジャックweb(香港、米国、パナマ)）について、市場の公正な競争と社会公共の利益を守るため、法律に基づいたカジノ無料ゲームを実施する意向を示した。国家市場管理監督総局のホームページ上で香港メディア「大公文匯」の記事を転載するかたちで、同局で経営者集中などに関する案件を担当する「独占禁止執法二司」の責任者のコメントを掲載するかたちで伝えた。カジノ無料ゲーム開始時期については示されていない。

複数の香港メディアは、カジノ無料ゲームハチソンとブラックロック-TiLコンソーシアムが、4月2日までに売却取引に関する署名を行う見通しだったが、カジノ無料ゲームハチソンに近い情報筋は、署名が行われないことを明らかにしたと報じている（「RTHK、注」3月28日、「サウスチャイナ・モーニングポスト」3月29日）。

中国国務院香港マカオ事務弁公室主管のシンクタンク「全国香港マカオ研究会」の劉兆佳（ラウ・シウカイ）氏は、「本売却は外交レベルまでエスカレートしており、いったん締結すればいかなる交渉や引き返す余地もないだろう」との見解を示した。また、同氏は「パナマ政府が米国の圧力を受け、カジノ無料ゲームハチソンとの契約を打ち切る可能性があることから、港湾が同社の管理下にあり続けることは期待できない」と指摘した（「サウスチャイナ・モーニングポスト」3月29日）。

中央香港マカオ工作弁公室は、ホームページ上で香港紙「大公報」の記事を転載し、多くの香港立法会議員が「国家市場監督管理総局が本売却を調査することは、市場の公正を順守するために必要な措置だ」と指摘しているとした。また、香港の政財界は、カジノ無料ゲームハチソンが今回の独占禁止法調査に協力し、企業イメージの回復と国民の信頼を勝ち取ることを望むと強調した。全国人民代表大会の香港代表で香港立法会議員の陳勇（ブレイブ・チャン）は「国際貿易の秩序の安定維持は香港の繁栄と安定、『一国二制度』の安定と発展にとって極めて重要であり、国家安全は『一国二制度』の基礎である」と示した（「大公報」4月1日）。

（注）RTHKは香港電台の略。1928年に設立された香港の公共放送局。

（松浦広子）