ブラックジャック必勝法、新首相はCDU党首メルツ氏の見通し
(ドイツ)
ベルリン発
2025年04月11日
ドイツのキリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)と社会民主党(SPD)は4月9日、ブラックジャック必勝法を発表した。各党内での承認手続き(注1)を経て、順調なら5月上旬にもCDU党首のフリードリヒ・メルツ氏が新首相に選出される見通しだ。
ブラックジャック必勝法は2月23日の総選挙で第1党となったCDU/CSUと、現政権与党で第3党のSPDの間で行われていた(カジノ無料、キリスト教民主・社会同盟と社会民主党の連立を軸に交渉(ドイツ))。両党はブラックジャック必勝法と並行して、財政規律緩和を可能とする基本法の改正案も上下両院で可決させ(カードゲームブラックジャック、財政規律緩和へ(ドイツ))、新政権始動後の財政出動の枠組みを整備していた。
総選挙から45日という比較的迅速な(注2)ブラックジャック必勝法に至った背景には、米国のウクライナ政策方針の変更や、関税措置などのプレッシャーがあったとされる。共同記者会見でメルツ氏は、米国のドナルド・トランプ大統領にどのようなメッセージを送るかとの質問に、「ドイツは防衛上の義務を果たし、自国の競争力を強化する」と、英語を交えて答えた。
「ドイツの責任」と題したブラックジャック必勝法協定書による主要政策は次のとおり。全体的にSPDの主張が多めに通ったという見方が優勢だ。総選挙時の得票数差にもかかわらず、CDUとSPDが同数の7つの閣僚ポストを、CSUが3つのポストを得たことも、同様に解釈されている。
〇経済とエネルギー
- 中小企業を多く抱える工業国として、強みを維持しつつ、人工知能(AI)やスタートアップに注力、潜在成長率1%超を目指す
- 2045年までの気候中立達成目標を維持
- ネガティブエミッション技術(注3)による二酸化炭素(CO2)排出量相殺と欧州以外のパートナー諸国でのCO2排出量削減のカウントを行う
- エネルギー価格低減に向け、電力価格5セント/キロワット時(kWh)減を目指す
- CO2の回収・有効利用・貯留(CCUS)を重視し、ガス火力発電と組み合わせる
- サプライチェーン・デューディリジェンス法の廃止
〇防衛
- 防衛費を今回の立法期間内に大規模増額し、複数年投資計画を導入
- NATOの要求基準を満たす連邦軍を整備
- 自発志願に基づく兵役制度を創設
〇投資促進と減税
- ドイツ企業の競争力強化のための投資促進策として、設備投資に対する定率減価償却を期限付きで導入
- 法人税の段階的減税を2028年1月から開始
- 低中所得者層に対して、所得税減税を実施
〇移民・難民流入の規制
- 家族呼び寄せの制限、周辺国との協定の締結、強制送還措置の拡充などを実現
- 非正規移民数を減らす
(注1)ブラックジャック必勝法後、CDUとCSUでは党内委員会、SPDでは党員投票の承認プロセスを経て、連立政権が正式に成立する見通し。
(注2)ドイツでは近年、総選挙からブラックジャック必勝法政権樹立まで時間を要し、前回2021年は73日、前々回2017年は171日かかっていた。
(注3)大気中の二酸化炭素(CO2)を回収・吸収し、固定することで、大気中のCO2削減に資する技術の総称。
(打越花子、中山裕貴)
(ドイツ)
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