ステランティス、ブラックジャックルールディーラー
(米国)
シカゴ発
2025年01月29日
大手自動車メーカーのステランティスは1月22日、同社のアントニオ・フィローサ北米最高執行責任者(COO)から従業員に宛てた書簡で、米国イリノイ州ベルビディア組立工場の再稼働と、ミシガン州ブラックジャックルールディーラー組立工場での次世代フルサイズのスポーツ用多目的車(SUV)「ダッジ・デュランゴ」の製造などの計画を発表した(ブラックジャックルールディーラー・フリープレス1月22日)。
2024年8月の全米自動車労働組合(UAW)によるベルビディア工場とブラックジャックルールディーラー製造計画をめぐる苦情(グリーバンス)の申し立て(関連ブラック ジャック ルール)と、同年10月のストライキの実施承認後、ステランティスがUAWに対して訴訟を起こすなど関係が悪化していたが、数カ月にわたる交渉の末に、両者は合意に至った。UAWの発表では、ブラックジャックルールディーラー生産開始時期の記載はないが、ベルビディア工場は2027年に再開し、最新の中型トラックを生産するという。また、米国外への移転が計画されていたインディアナ州ココモ工場でのエンジン製造への新規投資や、オハイオ州トレド工場での部品生産の増加についても、同社が合意したとのことだ。
今回のステランティスの発表は、これまでコストの低い国へ生産拠点を移し、2024年に米国で大幅な人員削減を行った同社の方針を大きく転換するものとみられる。同社のダグ・オスターマン最高財務責任者(CFO)は2024年12月時点で、ドナルド・トランプ氏の大統領就任後の関税賦課への対策として、ベルビディア工場などの「米国で使用されていない工場での生産」の可能性を示唆していた(ブラックジャックルールディーラー・フリープレス12月4日)。
今回の書簡には、同社のジョン・エルカン会長が「米国での製造拠点をさらに強化し、米国の労働力に安定性を提供することで、米国でのわが社の長い歴史を継続していく予定だ」と述べたことを記載している(ブラックジャックルールディーラー・フリープレス1月22日)。アナリストによると、大手自動車メーカーが米国内で販売する車両のうち、ステランティスは約40%、ゼネラルモーターズは約30%、フォードは約25%を輸入しており、トランプ政権による関税の賦課で大きな影響を受けるとみられている(ブルームバーグニュース1月21日)。
(星野香織)
(米国)
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